2004年8月

罪と弱さの中にも神の恵みが!―名将ダビデの人口調査令― 市川康則神戸改革派神学校教授

2004年7月11日市川康則神戸改革派神学校教授


◆ダビデの人口調査          歴代誌上21章
1:サタンがイスラエルに対して立ち、イスラエルの人口を数えるようにダビデを誘った。 2:ダビデはヨアブと民の将軍たちに命じた。「出かけて行って、ベエル・シェバからダンに及ぶイスラエル人の数を数え、その結果をわたしに報告せよ。その数を知りたい。」 3:ヨアブは言った。「主がその民を百倍にも増やしてくださいますように。主君、王よ、彼らは皆主君の僕ではありませんか。主君はなぜ、このようなことをお望みになるのですか。どうしてイスラエルを罪のあるものとなさるのですか。」 4:しかし、ヨアブに対する王の命令は厳しかったので、ヨアブは退き、イスラエルをくまなく巡ってエルサレムに帰還した。 5:ヨアブは調べた民の数をダビデに報告した。全イスラエルには剣を取りうる男子が百十万、ユダには剣を取りうる男子が四十七万であ った。
6:ヨアブにとって王の命令は忌まわしいものであったので、彼はその際レビ人とベニヤミンの調査はしなかった。 7:神はこのことを悪と見なされ、イスラエルを撃たれた。 8:ダビデは神に言った。「わたしはこのようなことを行って重い罪を犯しました。どうか僕の悪をお見逃しください。大変愚かなことをしました。」
9:主はダビデの先見者ガドに告げられた。 10:「行ってダビデに告げよ。主はこう言われる。『わたしはあなたに三つの事を示す。その一つを選ぶがよい。わたしはそれを実行する』 と。」
11:ガドはダビデのもとに来て告げた。「主はこう言われる。『いずれかを受け取るがよい。 12:三年間の飢饉か、三か月間敵に蹂躙され、仇の剣に攻められること か、三日間この国に主の剣、疫病が起こり、主の御使いによってイスラエル全土に破滅がもたらされることか。』わたしを遣わされた方にどうお答えすべきか、決めてください。」 13:ダビデはガドに言った。「大変な苦しみだ。主の御手にかかって倒れよう。主の慈悲は大きい。人間の手にはかかりたくない。」 14:主はそこでイスラエルに疫病をもたらされ、イスラエル人のうち七万人が倒れた。 15:神は御使いをエルサレムに遣わし、これを滅ぼしてしまおうとされたが、御使いが滅ぼそうとするのを主は御覧になり、この災いを思い返され、滅ぼそうとする御使いに言われた。「もう十分だ。その 手を下ろせ。」主の御使いはエブス人オルナンの麦打ち場に立っていた。
16:ダビデが目を凝らすと主の御使いが地と天の間に立ち、剣を抜いて手に持ち、エルサレムに向けているのが見えた。粗布に身を包んでいたダビデと長老たちは地に顔をつけて伏した。 17:ダビデは神に言った。「民を数えることを命じたのはわたしではありませんか。罪を犯し、悪を行ったのはこのわたしです。この羊の群れが何をしたのでしょうか。わたしの神、主よ、どうか御手がわたしとわたしの父の家に下りますように。あなたの民を災難に遭わせないでください。」

2004年08月08日 | カテゴリー: 旧約聖書 , 歴代誌上