2007年12月

幼子イエスに出会ったシメオンとアンナ ウイリアム・モーア宣教師

ルカによる福音書2章22−40
 
 
2007年のクリスマスはもう終わりました。先週まで何所へ行っても聞こえて来たクリスマスキャロルは聞こえて来ません。クリスマスの飾りは来年の為にもう物置きに納められています。子供達は既に憧れたクリスマスプレゼントを忘れ、来年に頂きたい物を考えています。あっと言う間にクリスマスが終わってしまい、お正月と故郷帰りの準備で皆はばたばたしています。
 
【幼子イエスのお宮参り】
同じように、2007年前に、最初のクリスマスが済んでから、幼子イエスの両親、マリアとヨセフは忙しくなりました。しかし、それはお正月と親戚の訪問の為ではありません。実は、大事な宗教上の儀式を行わなければなりませんでした。それは長子イエスをエルサレムの神殿へ連れて、ユダヤ教の掟に従ってその子を神に献げる事です。旧約聖書の律法によりますと、

「人であれ、家畜であれ、主にささげられる生き物の初子はすべて、あなたのものとなる。ただし、人の初子は必ず贖わねばならない。また、汚れた家畜の初子も贖わねばならない。初子は、生後一ヶ月を経た後、銀5シェケル、つまり1シェケル当たり20ゲラの聖所シェケルの贖い金を支払う。」


(民数記18:15−16)

2007年12月30日 | カテゴリー: イザヤ書 , ルカによる福音書 , 新約聖書 , 旧約聖書 , 民数記

驚くべき恵み ウイリアム・モーア宣教師

ルカによる福音書2章1−20節
 
【日本でもクリスマス?】
毎年、クリスマスが近づくとアメリカの教会の人々からこのような手紙をよく頂きます。「日本のクリスマスはどうですか。そちらはキリスト者があまりいないと聞くので、大変寂しいでしょう。わたしの町はクリスマスの為にとても明るくなりましたが、日本はそうではないでしょう。辛く、寂しいけれども頑張って下さい。」
 
返事として私はこのように書きます。「多くの日本人はクリスマスを一生懸命に祝って下さいますので私達の事は心配しないで下さい。ここでは、十一月上旬からクリスマスの宣伝が始まります。どこでもサンタクロースとクリスマスツリーの姿が見えるし、店のスピーカではクリスマスキャロルもアメリカに負けない程よく聞こえます。クリスマスパーテイーも流行っていますし、クリスマスプレゼントを買う為に人々はデパートへ押し寄せます。その上、日本では我々アメリカ人にないクリスマスの伝統も結構あります。ここは12月24日にケンタキー•フライド•チキンとクリスマスケーキを食べます。また、青年達はクリスマスイブに特別なデートをします。私達の事を考えて下さって大変有りがたいのですが、日本人はクリスマスが大好きですので、私達の事は心配しなくてもよいのです。」
 
今年も、日本とアメリカだけではなく、全世界の多くの人々はクリスマスを祝っています。アフリカでは太鼓の音と激しいダンスでクリスマスの喜びを表しています。ヨーロッパでは色々な昔からのクリスマス伝統が守られています。南米では教会はクリスマスの為に満員になります。そして、パレスチナでは人々は主イエス・キリストがお生まれになった町ベツレヘムへ集まって礼拝を行います。本当にクリスマスは全世界の人々のものになり、一番良く守られた祭日ではないかと思います。

2007年12月23日 | カテゴリー: イザヤ書 , ヨハネによる福音書 , ルカによる福音書 , 新約聖書 , 旧約聖書

占星術の学者達から学ぶ事 ウイリアム・モーア宣教師

聖書:マタイによる福音書2章1−12節
 
【東方から来た占星術学者】
今日の御言葉に於ける占星術学者達の物語は神秘に包まれています。と言うのは、その人物の事についてあんまり知られていません。聖書には彼等の 国と人数、また名前さえも載ってありません。ただ、「占星術の学者達が東の方からエルサレムに来た」と記されています。ですから、長年にわたってその学者達について伝統が結構生じて来ました。例えば、彼等は主イエスに黄金(おうごん)、乳香(にゅうこう)、モツ薬の三つのお贈り物を献げたので、恐らく学者達三人で来たと思われますが、聖書を注意深く読んで見ると、それは確かな事ではありません。また、国はペルシア、つまり現代のイランと言う伝統がありますが、聖書にはただ、彼等は「東の方から」来たと書いてあります。ですから彼等はバビロニアかアラビアから来た可能性もあります。伝統によりますと学者達の名前はガスパルと、メルチオルと、バルテャザルですが、実際にその名前も不明です。さらに彼等はラクダに乗って来たと言う固定的なイメージがありますけれども、それも憶測に過ぎません。
 
【占星術の学者とは】
「占星術の学者」と日本語に訳されたギリシャ語の原語は「マゴイ」です。マゴイはその時代の学問が一番優れた人物でした。色んな課目を学んだ彼等は、当時の学者、あるいは博士でした。彼等の優れた学問の故、中東の諸国でマゴイは国王の顧問になり、地位のとても高い者でした。そして、彼等が学んだ課目の中で天文学と占星術が重要でした。星と惑星の位置と運行によって人や国家の運命が分かると信じた彼等は常に夜の空を研究しました。

2007年12月16日 | カテゴリー: サムエル記下 , ヘブライ人への手紙 , マタイによる福音書 , ヨハネによる福音書 , ローマの信徒への手紙 , 創世記 , 新約聖書 , 旧約聖書

インマヌエル-神は我々と共におられる ウイリアム・モーア宣教師

マタイによる福音書1章18−25
 
【主イエスの呼称】
聖書には主イエスが数多くのお名前で呼ばれています。例えば、平和の君、キリスト、救い主、世の光、ユダヤ人の王、神なる言(ことば)、油注がれた者、アルファでありオメガである。それぞれの素晴らしいお名前は私達に主の役割と重要性と存在を豊かに教えます。つまり、そのお名前を通して私達は主イエスがどう言うお方であるかを悟るのです。
 
今、アドベントを守っている私達には主イエスの多くの名前の中でもっとも意味深いものが一つがあります。そのお名前は先程読ませて頂いた個所に載ってあります。マタイによる福音書1章22と23を見ますと、こう書いてあります。

「このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。『見よ、おとめが身ごもって男の子を生む。その名はインマヌエルと呼ばれる。』この名は、『神は我々と共におられる』と言う意味である。」

 
【インマヌエル】
インマヌエル、すなわち、神は我々と共におられる。実は、神の独り子イエス・キリストが人間の赤ちゃんになり、この世に誕生されました。天国の全ての特権と栄光を捨てて、我々と共におられる為、又、私達を罪から救って下さる為、この世に生まれました。しかも、神の御子は貴族や大金持ちなどの家庭に誕生されませんでした。却って、普通の大工と許嫁(いいなずけ)になっている若い娘に生まれました。そして、宿がなかったので、主の生まれた所は馬小屋で、ベッドは飼い葉桶でした。御自分の救いは全人類の為であるので、人間としてこの世に入った時、主イエスが自分を非常に低くして我々と共におられました。

2007年12月09日 | カテゴリー: イザヤ書 , マタイによる福音書 , ヨハネによる福音書 , 新約聖書 , 旧約聖書

イエス・キリストのアドベント ウイリアム・モーア宣教師

聖書:マラキ書3章1−4
 
【アドベント:明けましておめでとうございます】
皆さん、明けましておめでとうございます。そうです。明けましておめでとうございます。実は、今日は正にアドベント、すなわち待降節の始まりの日で、キリスト教暦年の元日になります。大昔からキリスト教会はクリスマス前の約四週間の間、世界の唯一の救い主であるイエス・キリストの御降誕を祝う心の準備をして来ました。そして、更に、将来、主が再びいらっしゃる事、主の再臨を私達はアドベントに心から待ち望みます。アドベントと言う単語の文字通り意味は、「出現」、あるいは、「いらっしゃる(来臨)」と言う事です。ですから、アドベントに私達は喜びを持って主イエスの降臨を記念すると同時に、大きな希望を抱き、これからの主の御再臨を待っています。
 
キリスト教会は結局主イエスの御降誕に起源を持ているので、当然教会暦年はアドベントで始まります。2007年前に父なる神は御自分の独り子イエス・キリストをこの世に遣わして下さいました。そして、主イエスの救いを通して私達は新しい命と新しい希望が与えられたのです。その比類なき程素晴らしい再出発を記念して、今日私達はアドベントの始まりと教会暦年の元日を覚え祝います。明けましておめでとうございます!
 
【アドベント•リース】
アドベントを豊かに守るように、毎年のように、今年も津村姉妹がまた私達の為にアドベント•リースを準備して下さいました。長い伝統ですから、リースはシンボルとして色々な深い意味を生じて来ました。先ず、リースの円形によって私達は神が始めもなければ終わりもない永久の神である事を覚えます。また、神の愛と憐れみは限りがないと言う意味もあります。そして、リースの常緑の葉っぱはイエス・キリストが賜って下さる新しい誕生と永遠の命を示します。更に、ろうそくの火は神の光、イエス・キリストのシンボルになります。
 
【世の光・主イエス】
世の光である主イエスの御降誕の際に、神、御自身がこの世にいらしゃって、救いと愛の光を全人類に照らして下さいました。アドベントの毎週、主の日に、外側のろうそくを一本ずつ点す事によって、イエス・キリストの御降誕を待ち望んでいると言う意味なのです。そして、真ん中のろうそくは「キリストのろうそく」と言われています。私達はやがてクリスマス礼拝を迎えるとそのろうそくを点します。神の光である主イエスはクリスマスの中心だけではなく、この世の歴史の中心である事の印になります。
 
外側の赤いろうそくは、一本、一本も特別な意味があります。それは主イエスの御降誕から来る、私達が頂いた賜物なのです。今日点すろうそくは希望を現します。来週のろうそくは平和を意味します。そして、その次のろうそくは喜びと、その次は愛を表します。今年のアドベントにその四つの貴重な賜物を覚えながらクリスマスを迎える準備を皆さん一人一人と共にしたいと思います。アドベント•リースを用いて私達は今年もクリスマスを記念し、共にその神の賜物、希望と平和と喜びと愛を新たに経験したいです。

2007年12月02日 | カテゴリー: マタイによる福音書 , マラキ書 , ルカによる福音書 , 旧約聖書