2012年12月16日説教「天を裂いて降られた神」ウイリアム・モーア宣教師

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20121216日説教「天を裂いて降られた神」ウイリアム・モーア宣教師

聖書:イザヤ書

旧約聖書

イザヤ書6319どうか天を裂いて降ってください。御前に山々が揺れ動くように。

641 柴が火に燃えれば、湯が煮えたつように/あなたの御名が敵に示されれば/国々は御前に震える。2 期待もしなかった恐るべき業と共に降られれば/あなたの御前に山々は揺れ動く。3 あなたを待つ者に計らってくださる方は/神よ、あなたのほかにはありません。昔から、ほかに聞いた者も耳にした者も/目に見た者もありません。

4 喜んで正しいことを行い/あなたの道に従って、あなたを心に留める者を/あなたは迎えてくださいます。あなたは憤られました/わたしたちが罪を犯したからです。しかし、あなたの御業によって/わたしたちはとこしえに救われます。

5 わたしたちは皆、汚れた者となり/正しい業もすべて汚れた着物のようになった。わたしたちは皆、枯れ葉のようになり/わたしたちの悪は風のように/わたしたちを運び去った。6 あなたの御名を呼ぶ者はなくなり/奮い立ってあなたにすがろうとする者もない。あなたはわたしたちから御顔を隠し/わたしたちの悪のゆえに、力を奪われた。

7 しかし、主よ、あなたは我らの父。わたしたちは粘土、あなたは陶工/わたしたちは皆、あなたの御手の業。8 どうか主が、激しく怒られることなく/いつまでも悪に心を留められることなく/あなたの民であるわたしたちすべてに/目を留めてくださるように。

 

説教要約(文責 近藤)

 

【人類の願い】

イザヤ書63章後半「どうか天を裂いて降ってください。」と今日の箇所で神の民は切に祈りました。「どうか天を裂いて降ってください。」は人類の願です。遠い天国を去り降ってきて私たちを助けてくださいと大昔のユダヤ人は願いました。

 

【人の罪】

当時の人々だけでなく多くの人の願でもあります。この切なる理由が少し考えただけで私たちにも分かると思います。どんな楽観的な人でも自分と周りの人と社会を見ればあらゆる点で良くないことに気付くはずです。人はあらゆる点で罪と欠点の存在であると分かります。自己の我侭で悪いと知りながら隣人に罪を犯し、そのことを正当化します。愛する者をさえ傷つけます。ニュースを見ると日々実にひどい事件があり、犯罪、殺人、暴力、暴行、戦争などがあり、これが普通だと思われると絶望的になることもあります。

 

【人は進歩したか】

私たち人間は素晴らしい存在だと言うものもあります。昔と違い人類は科学において素晴らしい進歩を遂げました。科学を通して神の創造が理解できます。ロケットを飛ばして宇宙でロボットを使い調べることなどは素晴らしく進歩しました。

 

【人の本性は変わらない】

しかし残念ながら人間の性質は昔と一つも変わりません。少しでも良くなったでしょうか。実は昔と全く同じです。人は自己中心的です。神が人を創られたとき人間の幸福のために神の戒めを守るように教えられました。しかし人は自分の知恵に頼り自分の思いで歩むようになりました。その結果、悲しみ、苦しみが起こってきました。聖書ではこの状態を罪と言います。

 

イザヤ書645節に記されたとおりです。

わたしたちは皆、汚れた者となり/正しい業もすべて汚れた着物のようになった。わたしたちは皆、枯れ葉のようになり/わたしたちの悪は風のように/わたしたちを運び去った。」

 

私たちが神を拒否することで神と人の関係は悪くなり、人と人との関係も悪くなりました。ある人はキリスト教は罪を強調するので暗い宗教だと言います。

 

人は嫌なことや悪いことに関して言いたくないので隠す傾向があります。例えば福島では放射線から逃れたいけれど、他に選択のない人は黙って耐えてそこに住むしかないのです。

嫌なことは避けたい忘れたいのですが、それで決して問題が無くなるわけではありません。

 

【罪から逃れられない人間】

罪もそうです。ある人は人間は基本的に良い存在と言い、本能的にふるまえば大丈夫だと言います。私もそう考えたいです。醜い社会の罪は忘れたい。しかしその考えは間違っている。罪のことを考えなかったら罪は無くなりません。ストレートに言えば罪を認めるしかありません。罪は明らかなことで避けられないことです。

 

この深刻な問題に直面した預言者イザヤと同じように神に「どうか天を裂いて降ってください」と祈り願うしかありません。罪の力があまりに強いので自己の力で解決しようとすれば絶望するしかありません。私たちの力で罪は解決できません。

 

【御子の受肉】

憐れみ深い全能の神は人間のこの切なる願いを聞き、丁度良い時に天からキリストを私たちを助けるために遣わして下さいました。神こそが天を裂いて降って下さいました。

 

そればかりか神は謙遜になって天の栄光を捨てて人間になりこの世に来られました。聖書によると

言葉、すなわち神の御子キリストは肉体となり私たちの内に宿りました。

 

来週はこの素晴らしいニュースを聞きます。神が人となり私たちと同じ誘惑と闘い、同じ疲れ、同じ歓びと悲しみを経験してくださいました。それはイエス・キリストを通してです。

 

【幼子イエス様】

愛する創造主なる全能の神が栄光と力を捨てて人間の赤ちゃんとなられました。これは驚くべきことです。私たち罪人の為に天国のあらゆる特権をイエス様は自ら捨てて私たちのために人間の赤ちゃんになられたのです。イエス様は私とあなたのために人間になって下さいました。しかしイエス様は罪を全く犯されませんでした。父の神に完全に従われました。

 

【ある家出した妻】

ある若い婦人が何不自由のない生活をしていましたが、毎日のつまらない変化のない生活から我慢できなくなり逃げ出したくなりました。

 

そして家出をしました。その夜夫に電話して自分は大丈夫だが、もう家には帰らないと言いました。夫は妻を愛しているから直に帰ってくるように懇願しました。しかし妻はそれを断りました。妻は何度か家に電話し、そのたびに夫は妻を愛しているから早く帰るように頼みました。

 

遂に寂しくなった夫は探偵を雇い彼女の居場所を探してもらいました。ある遠い街の宿屋にいることがわかったので夫はすぐに飛行機で彼女の所に飛びました。妻のいる部屋の戸を夫は震えながら開けました。彼女は夫を見て一瞬驚きましたが、途端に夫に抱き着き泣き出しました。そして家に一緒に帰りました。

 

帰ってから夫は妻に聞きました。なぜ電話で貴女を愛していると何度も言ったのに帰ってくれなかったかと。彼女は夫に答えました。あなたはいつも愛していると言ってくれたが、それは口先ばかりの愛ではないかと思ったのです。しかし私を探してわざわざ私の所まで来てくれたのであなたの愛を確信できましたと答えました。だから帰ろうと思ったのです。

 

【神の愛】

全能の神様は口先ばかりの愛でなく犠牲的愛でその証拠をお示し下さいました。主イエスはこの世に来られたばかりか、もっと大きな問題、罪を解決するために御自身を十字架に架けて死んで下さいました。その贖いの御業によって神様の御前に出る特権が与えられました。

 

私たちは神の愛された子供となりその父なる神様の全ての祝福を与えられました。

 

愛する兄弟姉妹。私たちにとって御降誕のイエス様は飼葉桶の可愛らしい赤ちゃんに過ぎないだけでしょうか。それともこの世の救い主、あなたの救い主ですか。

 

主が天を裂いて肉体をとって世に降られた神の愛に私たちは驚きを覚えますか。主イエス・キリストを通して天のあらゆる恵みを下さいます。そのことを覚えて心からの感謝を主なる神に捧げましょう。(おわり)

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年12月16日 | カテゴリー: イザヤ書 , 旧約聖書

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