キリスト者の為のチェックリスト:その1ウイリアム・モーア宣教師

聖書:ローマの信徒への手紙12章

9:愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、 10:兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。  


【石鹸で十分】
皆さんの事はよく分かりませんが、私は年を取るに伴って、記憶力が少しずつ落ちて来ました。以前は良く覚えていたものが、今はよく忘れます。多分それは誰でも経験する老化の現れだと思いますが、時々忘れっぽい事で困ります。この間、会議の為に出かけました。二泊三日の旅なので、色んな物がいりました。鞄に詰める時、忘れ物がないように一生懸命に気をつけましたので、今回はきっと大丈夫だと思いました。しかし、翌日、宿でシャワーを浴びる途中、シャンプーを忘れた事に気付きました。どうしょうと一瞬思いましたが、幸いに宿の石鹸で十分間に合って、髪も変になりませんでした。実は、節約する為にこれからは石鹸で髪を洗っても良いと思いました。
 
これは小さい例ですが、もしいつか私は説教の原稿をうっかり家に忘れ、西谷に来るんだったら、私にも皆さんにも大変冒険になると思います。神の恵みは私には十分であると信じながらでも、出来るだけそのように神の恵みを試したくないのです。
 
【チェックリストの必要】
とにかく、私は忘れ事の対策としてチェックリストを書くようになりました。つまり、しなければならない事や忘れては行けない事などを毎日手帳に書き記して、よく参考します。そうしないと、大事な事を忘れる恐れがあります。

今日与えられた聖書の個所はキリスト者の為のチェックリストのような御言葉であります。使徒パウロはローマにある教会の皆さんの為にそのチェックリストを準備して下さいました。恐らく彼らはしなければならないものを忘れるような問題がありました。私達もそのリストを参考にしたら大変益になると信じています。
 
このチェックリストには毎日の生活でしなければならない大事な事が載ってあります。そのものはJAFの年会費を払う事や、ドライクリーニングを取りに行く事などの用事ではありません。遥かにもっと重要なチェックリストになります。私達がキリスト者として為すべきリストなのです。つまり、信仰生活に於いてしなければならないことを忘れないように具体的なリストが授けられました。
 
【その1:愛には偽りがあってはなりません】
さて、チェックリストの内容を一つずつ調べてみましょう。今日の朗読の9節を見ますとこの御言葉があります。

「愛には偽りがあってはなりません。」

他の言葉で言いますと、「人を心から愛する事」です。しかし、本当の愛と偽りの愛をどのように区別出来ますか。それはやはり行動で分かります。本当の愛は積極的に、善い行動を通して相手を助けます。その反面、偽りの愛は口先だけのものであり、人の為の善い行動があんまり伴いません。「愛している」と言いながら何もしない愛は偽善的な愛に過ぎません。ヨハネの手紙一3章16にこの御言葉が記されています。



「イエスは私達の為に、命を捨てて下さいました。その事によって、私達は愛を知りました。だから、私達も兄弟の為に命を捨てるべきです。世の富を持ちながら、兄弟が必要な物に事欠くのを見て同情しない者があれば、どうして神の愛がそのような者の内にとどまるでしょう。子達よ、言葉や口先だけではなく、行ないをもって誠実に愛し合おう。」

 
もし愛に偽りがなかったら、自分の行動で分かります。特に、困っている人の為、弱者の為、肉体的と霊的と精神的に苦しんでいる者の為の善い行動で自分の愛の質が分かります。そして、私達の模範はイエス・キリストです。主イエスは私達の為に御自分の命までも犠牲にして下さいましたので、その愛の真実がはっきりと分かります。自分の時間や力や財産などで、積極的にまた犠牲的に人を愛する事です。これはキリスト者のチェックリストに於ける最も大事な第一のものなのです。
 
【その2:悪を憎む】
チェックリストの第二のものは、「悪を憎む」事です。特に、自分自身にある悪を憎む事です。私達は他の人が行なう悪は直ぐに分かって、憎む事が簡単ですが、自分の中の悪を憎むどころか、認める事さえもなかなか難しいです。しかし、キリスト者は神のみ言葉と聖霊の声を聞こうとするなら、自分の中の悪と罪を十分悟ります。そして、その悪い行ないと考えを神の助けで自分から取り除く義務があります。してはいけない事を憎んで、捨てなければなりません。
 
誰でもゴキブリを憎むだと思います。ですから、自分の家にゴキブリを発見するとどうしますか。もちろん直ちにそのものを家から取り除く事です。見たら、出来るだけ殺したり、色んな薬を家においたり、ゴキブリホテルの罠をかけます。また、ゴキブリに食べる物などがないように台所を奇麗に掃除します。つまり、様々な手段をとってゴキブリを無くそうとします。同じように私達の行動と考えと言葉に悪と罪を許してはいけません。全ての手段を取りあげて自分からそのものを無くすべきです。
 
社会の悪を無くす世の光
そして、自分からだけではなく、社会からも悪を無くす義務があります。イエス・キリストの民として私達は世の光になりました。ですから、私達は全ての悪を憎んで、戦うべきです。しかし、悪を憎みながら、悪を行なう人を憎んではいけません。その人を愛さなければなりません。つまり、主イエスのように罪を憎んでも罪人を愛します。チェックリストの第二のものは、「悪を憎む」事です。
 
【その3:善から離れず】
チェックリストの三番目の事は、「善から離れず」と言う事です。原文を文字通りに訳しますと、この表現は「善にくっつきなさい」となります。つまり、私達は悪を憎む程、善を愛すべきです。あるいは、善から離れない為に、善をしっかり掴みなさいと言う事です。しかし、ここでの「善」はどう言う事でしょうか。使徒パウロにとって善は二つの意味を含みました。一つの意味は道徳的に善い事です。そして、もう一つの意味はキリスト者の成長の益になる事です。私達は聖書に於ける道徳の教えに従わなければなりません。十戒を通して、また主イエスの模範を通して道徳的な人生を歩むべきです。更に、キリスト者として成長する為に善を積むべきです。その善は聖書を読む事や祈る事や、礼拝を守る事や、キリスト者同士で交わる事や、主イエスの教えを実行する事や、奉仕などの事です。この事を常に積まないと、つまり、常に実行しないと、だんだん弱って来て、ついにその事が自分の生活から消えてしまいます。ですから、「善から離れず」の事は私達のチェックリストに必ず載るべきです。
 
【その4:兄弟愛をもって互いに愛すること】
10節を見ますとチェックリストの第四の事が記されています。それは、「兄弟愛をもって互いに愛」する事です。誰でもキリスト者になると、神の家族に属するようになります。そして、神の子になると、同時に全てのクリスチャンは主にあって自分の兄弟になります。ですから、私達は家族の者のように互いに愛すべきです。兄弟姉妹の為の親愛の情を示す事は大事です。教会の家族として私達は「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣」きます。そのお互いのフィーリングは教会の和を保つ為に重要な役割になります。しかし、愛のフィーリングよりも兄弟姉妹の為の愛の行動はもっと重要であります。私達の愛を示すように犠牲的な善い行動が必要です。結局、イエス・キリストはこの世に遣わされた時、ただ親愛のフィーリングを示す為だけではなく、もっと大事に御自分の行動を通して私達に対する愛を示しました。つまり、私達の永遠の救いをもたらす為に十字架で死んで下さいました。主イエスの模範に倣ってて、私達は善い行動を持って互いに愛すべきです。
 
キリスト者の互いな愛は素晴らしいものですが、ちゃんと養わないと、消えてしまう可能性があります。日本に来る前にアメリカの郊外に住んでいました。そして、一番経済的な方法として、家の暖房は薪のストーブでした。大変暖かい暖房でしたが、ちゃんと火の手入れをしなかったら、消えてしまい、家が寒くなりました。薪を適切な時にストーブに入れ、空気を調節する事も大事でした。同様に私達の兄弟愛を保つように手入れがいります。常に相手の立場とニーズを考える必要があります。その上、自分の心には互いの愛を壊すもののあることに注意しなければなりません。それは高慢や誇りや妬みや我侭や相手を赦せない心などです。そのようなものを抑えると、チェックリストの第4のもの、兄弟愛をもって互いに愛する事が出来るでしょう。
 
【その5:尊敬をもって互いに相手を優れた者と思う】
チェックリストの5番目の事は、「尊敬をもって互いに相手を優れた者と思う」事です。人は生まれながら自分自身を相手よりも優れた者と思いたいのです。相手を高くするよりも自分を高くしたいのです。しかし、こうしてはいけないと使徒パウロが教えています。「尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい」と勧めて下さいます。教会に色んな役割があります。ランチを準備する事や、オルガンをひく事や、感謝祈祷を捧げる事や、日曜学校を教える事や、週報を作成する事などのような様々な奉仕が沢山あります。全ては大事ですので、どれが一番重要であるとは言えません。しかし、相手を優れた者と思う人は、自分の奉仕よりも、相手の奉仕を認め高く評価します。つまり、相手を常に高くする態度を取るべきです。
 
トウール•ド•フランス
この間、トウール•ド•フランスと言う自転車のロードレースについての面白い番組を見ました。そのフランスで行なうレースは世界一番有名で、トップの競輪選手が参加します。驚く事ですが、レースに入る皆の選手達の目的は勝つ事ではありません。一番になりたい選手はわずかです。実は、そのロードレースに参加する選手達はいくつかのチームに分けて、チームの中の一人の選手の成功の為に皆が最善を尽くします。ある時は、チームはその選手の前に走り風よけの役割を果たします。またある時、チームはその選手を囲んで事故から彼を守り、水と食べ物も届けます。更に、彼が勝つように色んな情報とアドバイスと励ましを提供します。レースを勝つ一人の選手だけが認められ、有名になりますが、チームの一人一人は喜んで彼の勝利を応援します。
 
教会はそのようなものです。私達は互いに相手を優れた者と思って、相手の気持ちと成功と役割を高く評価すべきです。 
 
まとめ
今日、キリスト者の為のチェックリストの5つの事を学びました。

一番目は、人を心から愛する事。二番目は、悪を憎む事。三番目は、善から離れない事。四番目は、兄弟愛をもって互いに愛する事。そして、五番目は、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思う事です。

 
愛する兄弟姉妹、いかがでしょうか。日常の生活にこの5つの事を実行出来ますか。もちろん、私達は実行する事によって神の愛を勝ち得ようとしません。神は御自分の愛を無条件に提供して下さいます。私達が神の敵であった時、御自分の御子イエス・キリストを賜る程に私達一人一人を愛したのです。ですから、私達はその愛と恵みに答え、御旨に適って生きようとします。感謝をもって私達の行動を通して救い主に従おとします。是非、チェックリストを参考にしながら、神と隣人の為に使いましょう。

2007年02月04日 | カテゴリー: ローマの信徒への手紙 , 新約聖書

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