新約聖書「ルカによる福音書」に関する礼拝説教 84件
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新約聖書「ルカによる福音書」に関する説教要約 84件
ルカによる福音書1章26節~56節
1:26 六か月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。 1:27 ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。 1:28 天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」 1:29 マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。 1:30 すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。 1:31 あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。 1:32 その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。 1:33 彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」 1:34 マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」 1:35 天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。 1:36 あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。 1:37 神にできないことは何一つない。」 1:38 マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。 1:39 そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。 1:40 そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。 1:41 マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、 1:42 声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。 1:43 わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。 1:44 あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。 1:45 主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」 1:46 そこで、マリアは言った。 1:47 「わたしの魂は主をあがめ、/わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。 1:48 身分の低い、この主のはしためにも/目を留めてくださったからです。今から後、いつの世の人も/わたしを幸いな者と言うでしょう、 1:49 力ある方が、/わたしに偉大なことをなさいましたから。その御名は尊く、 1:50 その憐れみは代々に限りなく、/主を畏れる者に及びます。 1:51 主はその腕で力を振るい、/思い上がる者を打ち散らし、 1:52 権力ある者をその座から引き降ろし、/身分の低い者を高く上げ、 1:53 飢えた人を良い物で満たし、/富める者を空腹のまま追い返されます。 1:54 その僕イスラエルを受け入れて、/憐れみをお忘れになりません、 1:55 わたしたちの先祖におっしゃったとおり、/アブラハムとその子孫に対してとこしえに。」 1:56 マリアは、三か月ほどエリサベトのところに滞在してから、自分の家に帰った。
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ルカによる福音書2章1節~21節
2:1 そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。 2:2 これは、キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。 2:3 人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。 2:4 ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。 2:5 身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。 2:6 ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、 2:7 初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。 2:8 その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。 2:9 すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。 2:10 天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。 2:11 今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。 2:12 あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」 2:13 すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。 2:14 「いと高きところには栄光、神にあれ、/地には平和、御心に適う人にあれ。」 2:15 天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。 2:16 そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。 2:17 その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。 2:18 聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。 2:19 しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。 2:20 羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。 2:21 八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。
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ルカによる福音書2章41節~52節
2:41 さて、両親は過越祭には毎年エルサレムへ旅をした。 2:42 イエスが十二歳になったときも、両親は祭りの慣習に従って都に上った。 2:43 祭りの期間が終わって帰路についたとき、少年イエスはエルサレムに残っておられたが、両親はそれに気づかなかった。 2:44 イエスが道連れの中にいるものと思い、一日分の道のりを行ってしまい、それから、親類や知人の間を捜し回ったが、 2:45 見つからなかったので、捜しながらエルサレムに引き返した。 2:46 三日の後、イエスが神殿の境内で学者たちの真ん中に座り、話を聞いたり質問したりしておられるのを見つけた。 2:47 聞いている人は皆、イエスの賢い受け答えに驚いていた。 2:48 両親はイエスを見て驚き、母が言った。「なぜこんなことをしてくれたのです。御覧なさい。お父さんもわたしも心配して捜していたのです。」 2:49 すると、イエスは言われた。「どうしてわたしを捜したのですか。わたしが自分の父の家にいるのは当たり前だということを、知らなかったのですか。」 2:50 しかし、両親にはイエスの言葉の意味が分からなかった。 2:51 それから、イエスは一緒に下って行き、ナザレに帰り、両親に仕えてお暮らしになった。母はこれらのことをすべて心に納めていた。 2:52 イエスは知恵が増し、背丈も伸び、神と人とに愛された。
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ルカによる福音書10章25節~37節
10:25 すると、ある律法の専門家が立ち上がり、イエスを試そうとして言った。「先生、何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」 10:26 イエスが、「律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか」と言われると、 10:27 彼は答えた。「『心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい』とあります。」 10:28 イエスは言われた。「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」 10:29 しかし、彼は自分を正当化しようとして、「では、わたしの隣人とはだれですか」と言った。 10:30 イエスはお答えになった。「ある人がエルサレムからエリコへ下って行く途中、追いはぎに襲われた。追いはぎはその人の服をはぎ取り、殴りつけ、半殺しにしたまま立ち去った。 10:31 ある祭司がたまたまその道を下って来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。 10:32 同じように、レビ人もその場所にやって来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。 10:33 ところが、旅をしていたあるサマリア人は、そばに来ると、その人を見て憐れに思い、 10:34 近寄って傷に油とぶどう酒を注ぎ、包帯をして、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。 10:35 そして、翌日になると、デナリオン銀貨二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います。』 10:36 さて、あなたはこの三人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。」 10:37 律法の専門家は言った。「その人を助けた人です。」そこで、イエスは言われた。「行って、あなたも同じようにしなさい。」
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ルカによる福音書11章14節~28節
11:14 イエスは悪霊を追い出しておられたが、それは口を利けなくする悪霊であった。悪霊が出て行くと、口の利けない人がものを言い始めたので、群衆は驚嘆した。 11:15 しかし、中には、「あの男は悪霊の頭ベルゼブルの力で悪霊を追い出している」と言う者や、 11:16 イエスを試そうとして、天からのしるしを求める者がいた。 11:17 しかし、イエスは彼らの心を見抜いて言われた。「内輪で争えば、どんな国でも荒れ果て、家は重なり合って倒れてしまう。 11:18 あなたたちは、わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出していると言うけれども、サタンが内輪もめすれば、どうしてその国は成り立って行くだろうか。 11:19 わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出すのなら、あなたたちの仲間は何の力で追い出すのか。だから、彼ら自身があなたたちを裁く者となる。 11:20 しかし、わたしが神の指で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたたちのところに来ているのだ。 11:21 強い人が武装して自分の屋敷を守っているときには、その持ち物は安全である。 11:22 しかし、もっと強い者が襲って来てこの人に勝つと、頼みの武具をすべて奪い取り、分捕り品を分配する。 11:23 わたしに味方しない者はわたしに敵対し、わたしと一緒に集めない者は散らしている。」 11:24 「汚れた霊は、人から出て行くと、砂漠をうろつき、休む場所を探すが、見つからない。それで、『出て来たわが家に戻ろう』と言う。 11:25 そして、戻ってみると、家は掃除をして、整えられていた。 11:26 そこで、出かけて行き、自分よりも悪いほかの七つの霊を連れて来て、中に入り込んで、住み着く。そうなると、その人の後の状態は前よりも悪くなる。」 11:27 イエスがこれらのことを話しておられると、ある女が群衆の中から声高らかに言った。「なんと幸いなことでしょう、あなたを宿した胎、あなたが吸った乳房は。」 11:28 しかし、イエスは言われた。「むしろ、幸いなのは神の言葉を聞き、それを守る人である。」
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ルカによる福音書11章29節~36節
11:29 群衆の数がますます増えてきたので、イエスは話し始められた。「今の時代の者たちはよこしまだ。しるしを欲しがるが、ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない。 11:30 つまり、ヨナがニネベの人々に対してしるしとなったように、人の子も今の時代の者たちに対してしるしとなる。 11:31 南の国の女王は、裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。この女王はソロモンの知恵を聞くために、地の果てから来たからである。ここに、ソロモンにまさるものがある。 11:32 また、ニネベの人々は裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。ニネベの人々は、ヨナの説教を聞いて悔い改めたからである。ここに、ヨナにまさるものがある。」 11:33 「ともし火をともして、それを穴蔵の中や、升の下に置く者はいない。入って来る人に光が見えるように、燭台の上に置く。 11:34 あなたの体のともし火は目である。目が澄んでいれば、あなたの全身が明るいが、濁っていれば、体も暗い。 11:35 だから、あなたの中にある光が消えていないか調べなさい。 11:36 あなたの全身が明るく、少しも暗いところがなければ、ちょうど、ともし火がその輝きであなたを照らすときのように、全身は輝いている。」
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ルカによる福音書11章37節~44節
11:37 イエスはこのように話しておられたとき、ファリサイ派の人から食事の招待を受けたので、その家に入って食事の席に着かれた。 11:38 ところがその人は、イエスが食事の前にまず身を清められなかったのを見て、不審に思った。 11:39 主は言われた。「実に、あなたたちファリサイ派の人々は、杯や皿の外側はきれいにするが、自分の内側は強欲と悪意に満ちている。 11:40 愚かな者たち、外側を造られた神は、内側もお造りになったではないか。 11:41 ただ、器の中にある物を人に施せ。そうすれば、あなたたちにはすべてのものが清くなる。 11:42 それにしても、あなたたちファリサイ派の人々は不幸だ。薄荷や芸香やあらゆる野菜の十分の一は献げるが、正義の実行と神への愛はおろそかにしているからだ。これこそ行うべきことである。もとより、十分の一の献げ物もおろそかにしてはならないが。 11:43 あなたたちファリサイ派の人々は不幸だ。会堂では上席に着くこと、広場では挨拶されることを好むからだ。 11:44 あなたたちは不幸だ。人目につかない墓のようなものである。その上を歩く人は気づかない。」
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ルカによる福音書11章45節~54節
11:45 そこで、律法の専門家の一人が、「先生、そんなことをおっしゃれば、わたしたちをも侮辱することになります」と言った。 11:46 イエスは言われた。「あなたたち律法の専門家も不幸だ。人には背負いきれない重荷を負わせながら、自分では指一本もその重荷に触れようとしないからだ。 11:47 あなたたちは不幸だ。自分の先祖が殺した預言者たちの墓を建てているからだ。 11:48 こうして、あなたたちは先祖の仕業の証人となり、それに賛成している。先祖は殺し、あなたたちは墓を建てているからである。 11:49 だから、神の知恵もこう言っている。『わたしは預言者や使徒たちを遣わすが、人々はその中のある者を殺し、ある者を迫害する。』 11:50 こうして、天地創造の時から流されたすべての預言者の血について、今の時代の者たちが責任を問われることになる。 11:51 それは、アベルの血から、祭壇と聖所の間で殺されたゼカルヤの血にまで及ぶ。そうだ。言っておくが、今の時代の者たちはその責任を問われる。 11:52 あなたたち律法の専門家は不幸だ。知識の鍵を取り上げ、自分が入らないばかりか、入ろうとする人々をも妨げてきたからだ。」 11:53 イエスがそこを出て行かれると、律法学者やファリサイ派の人々は激しい敵意を抱き、いろいろの問題でイエスに質問を浴びせ始め、 11:54 何か言葉じりをとらえようとねらっていた。
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ルカによる福音書12章1節~12節
12:1 とかくするうちに、数えきれないほどの群衆が集まって来て、足を踏み合うほどになった。イエスは、まず弟子たちに話し始められた。「ファリサイ派の人々のパン種に注意しなさい。それは偽善である。 12:2 覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはない。 12:3 だから、あなたがたが暗闇で言ったことはみな、明るみで聞かれ、奥の間で耳にささやいたことは、屋根の上で言い広められる。 12:4 「友人であるあなたがたに言っておく。体を殺しても、その後、それ以上何もできない者どもを恐れてはならない。 12:5 だれを恐れるべきか、教えよう。それは、殺した後で、地獄に投げ込む権威を持っている方だ。そうだ。言っておくが、この方を恐れなさい。 12:6 五羽の雀が二アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、神がお忘れになるようなことはない。 12:7 それどころか、あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」 12:8 「言っておくが、だれでも人々の前で自分をわたしの仲間であると言い表す者は、人の子も神の天使たちの前で、その人を自分の仲間であると言い表す。 12:9 しかし、人々の前でわたしを知らないと言う者は、神の天使たちの前で知らないと言われる。 12:10 人の子の悪口を言う者は皆赦される。しかし、聖霊を冒涜する者は赦されない。 12:11 会堂や役人、権力者のところに連れて行かれたときは、何をどう言い訳しようか、何を言おうかなどと心配してはならない。 12:12 言うべきことは、聖霊がそのときに教えてくださる。」
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ルカによる福音書12章13節~21節
12:13 群衆の一人が言った。「先生、わたしにも遺産を分けてくれるように兄弟に言ってください。」 12:14 イエスはその人に言われた。「だれがわたしを、あなたがたの裁判官や調停人に任命したのか。」 12:15 そして、一同に言われた。「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい。有り余るほど物を持っていても、人の命は財産によってどうすることもできないからである。」 12:16 それから、イエスはたとえを話された。「ある金持ちの畑が豊作だった。 12:17 金持ちは、『どうしよう。作物をしまっておく場所がない』と思い巡らしたが、 12:18 やがて言った。『こうしよう。倉を壊して、もっと大きいのを建て、そこに穀物や財産をみなしまい、 12:19 こう自分に言ってやるのだ。「さあ、これから先何年も生きて行くだけの蓄えができたぞ。ひと休みして、食べたり飲んだりして楽しめ」と。』 12:20 しかし神は、『愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。お前が用意した物は、いったいだれのものになるのか』と言われた。 12:21 自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ。」
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ルカによる福音書12章22節~34節
12:22 それから、イエスは弟子たちに言われた。「だから、言っておく。命のことで何を食べようか、体のことで何を着ようかと思い悩むな。 12:23 命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切だ。 12:24 烏のことを考えてみなさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、納屋も倉も持たない。だが、神は烏を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりもどれほど価値があることか。 12:25 あなたがたのうちのだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。 12:26 こんなごく小さな事さえできないのに、なぜ、ほかの事まで思い悩むのか。 12:27 野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。働きもせず紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。 12:28 今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことである。信仰の薄い者たちよ。 12:29 あなたがたも、何を食べようか、何を飲もうかと考えてはならない。また、思い悩むな。 12:30 それはみな、世の異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの父は、これらのものがあなたがたに必要なことをご存じである。 12:31 ただ、神の国を求めなさい。そうすれば、これらのものは加えて与えられる。 12:32 小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる。 12:33 自分の持ち物を売り払って施しなさい。擦り切れることのない財布を作り、尽きることのない富を天に積みなさい。そこは、盗人も近寄らず、虫も食い荒らさない。 12:34 あなたがたの富のあるところに、あなたがたの心もあるのだ。」
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ルカによる福音書12章22節~34節
12:22 それから、イエスは弟子たちに言われた。「だから、言っておく。命のことで何を食べようか、体のことで何を着ようかと思い悩むな。 12:23 命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切だ。 12:24 烏のことを考えてみなさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、納屋も倉も持たない。だが、神は烏を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりもどれほど価値があることか。 12:25 あなたがたのうちのだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。 12:26 こんなごく小さな事さえできないのに、なぜ、ほかの事まで思い悩むのか。 12:27 野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。働きもせず紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。 12:28 今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことである。信仰の薄い者たちよ。 12:29 あなたがたも、何を食べようか、何を飲もうかと考えてはならない。また、思い悩むな。 12:30 それはみな、世の異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの父は、これらのものがあなたがたに必要なことをご存じである。 12:31 ただ、神の国を求めなさい。そうすれば、これらのものは加えて与えられる。 12:32 小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる。 12:33 自分の持ち物を売り払って施しなさい。擦り切れることのない財布を作り、尽きることのない富を天に積みなさい。そこは、盗人も近寄らず、虫も食い荒らさない。 12:34 あなたがたの富のあるところに、あなたがたの心もあるのだ。」
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ルカによる福音書 12章35節~48節
12:35 「腰に帯を締め、ともし火をともしていなさい。 12:36 主人が婚宴から帰って来て戸をたたくとき、すぐに開けようと待っている人のようにしていなさい。 12:37 主人が帰って来たとき、目を覚ましているのを見られる僕たちは幸いだ。はっきり言っておくが、主人は帯を締めて、この僕たちを食事の席に着かせ、そばに来て給仕してくれる。 12:38 主人が真夜中に帰っても、夜明けに帰っても、目を覚ましているのを見られる僕たちは幸いだ。 12:39 このことをわきまえていなさい。家の主人は、泥棒がいつやって来るかを知っていたら、自分の家に押し入らせはしないだろう。 12:40 あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時に来るからである。」 12:41 そこでペトロが、「主よ、このたとえはわたしたちのために話しておられるのですか。それとも、みんなのためですか」と言うと、 12:42 主は言われた。「主人が召し使いたちの上に立てて、時間どおりに食べ物を分配させることにした忠実で賢い管理人は、いったいだれであろうか。 12:43 主人が帰って来たとき、言われたとおりにしているのを見られる僕は幸いである。 12:44 確かに言っておくが、主人は彼に全財産を管理させるにちがいない。 12:45 しかし、もしその僕が、主人の帰りは遅れると思い、下男や女中を殴ったり、食べたり飲んだり、酔うようなことになるならば、 12:46 その僕の主人は予想しない日、思いがけない時に帰って来て、彼を厳しく罰し、不忠実な者たちと同じ目に遭わせる。 12:47 主人の思いを知りながら何も準備せず、あるいは主人の思いどおりにしなかった僕は、ひどく鞭打たれる。 12:48 しかし、知らずにいて鞭打たれるようなことをした者は、打たれても少しで済む。すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、更に多く要求される。」
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ルカによる福音書12章49節~53節
12:49 「わたしが来たのは、地上に火を投ずるためである。その火が既に燃えていたらと、どんなに願っていることか。 12:50 しかし、わたしには受けねばならない洗礼がある。それが終わるまで、わたしはどんなに苦しむことだろう。 12:51 あなたがたは、わたしが地上に平和をもたらすために来たと思うのか。そうではない。言っておくが、むしろ分裂だ。 12:52 今から後、一つの家に五人いるならば、三人は二人と、二人は三人と対立して分かれるからである。 12:53 父は子と、子は父と、/母は娘と、娘は母と、/しゅうとめは嫁と、嫁はしゅうとめと、/対立して分かれる。」
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ルカによる福音書12章54節~59節
12:54 イエスはまた群衆にも言われた。「あなたがたは、雲が西に出るのを見るとすぐに、『にわか雨になる』と言う。実際そのとおりになる。 12:55 また、南風が吹いているのを見ると、『暑くなる』と言う。事実そうなる。 12:56 偽善者よ、このように空や地の模様を見分けることは知っているのに、どうして今の時を見分けることを知らないのか。」 12:57 「あなたがたは、何が正しいかを、どうして自分で判断しないのか。 12:58 あなたを訴える人と一緒に役人のところに行くときには、途中でその人と仲直りするように努めなさい。さもないと、その人はあなたを裁判官のもとに連れて行き、裁判官は看守に引き渡し、看守は牢に投げ込む。 12:59 言っておくが、最後の一レプトンを返すまで、決してそこから出ることはできない。」
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ルカによる福音書13章1節~9節
13:1 ちょうどそのとき、何人かの人が来て、ピラトがガリラヤ人の血を彼らのいけにえに混ぜたことをイエスに告げた。 13:2 イエスはお答えになった。「そのガリラヤ人たちがそのような災難に遭ったのは、ほかのどのガリラヤ人よりも罪深い者だったからだと思うのか。 13:3 決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。 13:4 また、シロアムの塔が倒れて死んだあの十八人は、エルサレムに住んでいたほかのどの人々よりも、罪深い者だったと思うのか。 13:5 決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」 13:6 そして、イエスは次のたとえを話された。「ある人がぶどう園にいちじくの木を植えておき、実を探しに来たが見つからなかった。 13:7 そこで、園丁に言った。『もう三年もの間、このいちじくの木に実を探しに来ているのに、見つけたためしがない。だから切り倒せ。なぜ、土地をふさがせておくのか。』 13:8 園丁は答えた。『御主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘って、肥やしをやってみます。 13:9 そうすれば、来年は実がなるかもしれません。もしそれでもだめなら、切り倒してください。』」
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ルカによる福音書13章10節~17節
13:10 安息日に、イエスはある会堂で教えておられた。 13:11 そこに、十八年間も病の霊に取りつかれている女がいた。腰が曲がったまま、どうしても伸ばすことができなかった。 13:12 イエスはその女を見て呼び寄せ、「婦人よ、病気は治った」と言って、 13:13 その上に手を置かれた。女は、たちどころに腰がまっすぐになり、神を賛美した。 13:14 ところが会堂長は、イエスが安息日に病人をいやされたことに腹を立て、群衆に言った。「働くべき日は六日ある。その間に来て治してもらうがよい。安息日はいけない。」 13:15 しかし、主は彼に答えて言われた。「偽善者たちよ、あなたたちはだれでも、安息日にも牛やろばを飼い葉桶から解いて、水を飲ませに引いて行くではないか。 13:16 この女はアブラハムの娘なのに、十八年もの間サタンに縛られていたのだ。安息日であっても、その束縛から解いてやるべきではなかったのか。」 13:17 こう言われると、反対者は皆恥じ入ったが、群衆はこぞって、イエスがなさった数々のすばらしい行いを見て喜んだ。
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ルカによる福音書13章18節~21節
13:18 そこで、イエスは言われた。「神の国は何に似ているか。何にたとえようか。 13:19 それは、からし種に似ている。人がこれを取って庭に蒔くと、成長して木になり、その枝には空の鳥が巣を作る。」 13:20 また言われた。「神の国を何にたとえようか。 13:21 パン種に似ている。女がこれを取って三サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。」
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ルカによる福音書13章22節~30節
13:22 イエスは町や村を巡って教えながら、エルサレムへ向かって進んでおられた。 13:23 すると、「主よ、救われる者は少ないのでしょうか」と言う人がいた。イエスは一同に言われた。 13:24 「狭い戸口から入るように努めなさい。言っておくが、入ろうとしても入れない人が多いのだ。 13:25 家の主人が立ち上がって、戸を閉めてしまってからでは、あなたがたが外に立って戸をたたき、『御主人様、開けてください』と言っても、『お前たちがどこの者か知らない』という答えが返ってくるだけである。 13:26 そのとき、あなたがたは、『御一緒に食べたり飲んだりしましたし、また、わたしたちの広場でお教えを受けたのです』と言いだすだろう。 13:27 しかし主人は、『お前たちがどこの者か知らない。不義を行う者ども、皆わたしから立ち去れ』と言うだろう。 13:28 あなたがたは、アブラハム、イサク、ヤコブやすべての預言者たちが神の国に入っているのに、自分は外に投げ出されることになり、そこで泣きわめいて歯ぎしりする。 13:29 そして人々は、東から西から、また南から北から来て、神の国で宴会の席に着く。 13:30 そこでは、後の人で先になる者があり、先の人で後になる者もある。」
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ルカによる福音書13章31節~35節
13:31 ちょうどそのとき、ファリサイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに言った。「ここを立ち去ってください。ヘロデがあなたを殺そうとしています。」 13:32 イエスは言われた。「行って、あの狐に、『今日も明日も、悪霊を追い出し、病気をいやし、三日目にすべてを終える』とわたしが言ったと伝えなさい。 13:33 だが、わたしは今日も明日も、その次の日も自分の道を進まねばならない。預言者がエルサレム以外の所で死ぬことは、ありえないからだ。 13:34 エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、自分に遣わされた人々を石で打ち殺す者よ、めん鳥が雛を羽の下に集めるように、わたしはお前の子らを何度集めようとしたことか。だが、お前たちは応じようとしなかった。 13:35 見よ、お前たちの家は見捨てられる。言っておくが、お前たちは、『主の名によって来られる方に、祝福があるように』と言う時が来るまで、決してわたしを見ることがない。」
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ルカによる福音書14章1節~6節
14:1 安息日のことだった。イエスは食事のためにファリサイ派のある議員の家にお入りになったが、人々はイエスの様子をうかがっていた。 14:2 そのとき、イエスの前に水腫を患っている人がいた。 14:3 そこで、イエスは律法の専門家たちやファリサイ派の人々に言われた。「安息日に病気を治すことは律法で許されているか、いないか。」 14:4 彼らは黙っていた。すると、イエスは病人の手を取り、病気をいやしてお帰しになった。 14:5 そして、言われた。「あなたたちの中に、自分の息子か牛が井戸に落ちたら、安息日だからといって、すぐに引き上げてやらない者がいるだろうか。」 14:6 彼らは、これに対して答えることができなかった。
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ルカによる福音書14章7節~11節
14:7 イエスは、招待を受けた客が上席を選ぶ様子に気づいて、彼らにたとえを話された。 14:8 「婚宴に招待されたら、上席に着いてはならない。あなたよりも身分の高い人が招かれており、 14:9 あなたやその人を招いた人が来て、『この方に席を譲ってください』と言うかもしれない。そのとき、あなたは恥をかいて末席に着くことになる。 14:10 招待を受けたら、むしろ末席に行って座りなさい。そうすると、あなたを招いた人が来て、『さあ、もっと上席に進んでください』と言うだろう。そのときは、同席の人みんなの前で面目を施すことになる。 14:11 だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」
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ルカによる福音書14章12節~14節
14:12 また、イエスは招いてくれた人にも言われた。「昼食や夕食の会を催すときには、友人も、兄弟も、親類も、近所の金持ちも呼んではならない。その人たちも、あなたを招いてお返しをするかも知れないからである。 14:13 宴会を催すときには、むしろ、貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人を招きなさい。 14:14 そうすれば、その人たちはお返しができないから、あなたは幸いだ。正しい者たちが復活するとき、あなたは報われる。」
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ルカによる福音書14章15節~24節
14:15 食事を共にしていた客の一人は、これを聞いてイエスに、「神の国で食事をする人は、なんと幸いなことでしょう」と言った。 14:16 そこで、イエスは言われた。「ある人が盛大な宴会を催そうとして、大勢の人を招き、 14:17 宴会の時刻になったので、僕を送り、招いておいた人々に、『もう用意ができましたから、おいでください』と言わせた。 14:18 すると皆、次々に断った。最初の人は、『畑を買ったので、見に行かねばなりません。どうか、失礼させてください』と言った。 14:19 ほかの人は、『牛を二頭ずつ五組買ったので、それを調べに行くところです。どうか、失礼させてください』と言った。 14:20 また別の人は、『妻を迎えたばかりなので、行くことができません』と言った。 14:21 僕は帰って、このことを主人に報告した。すると、家の主人は怒って、僕に言った。『急いで町の広場や路地へ出て行き、貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の不自由な人をここに連れて来なさい。』 14:22 やがて、僕が、『御主人様、仰せのとおりにいたしましたが、まだ席があります』と言うと、 14:23 主人は言った。『通りや小道に出て行き、無理にでも人々を連れて来て、この家をいっぱいにしてくれ。 14:24 言っておくが、あの招かれた人たちの中で、わたしの食事を味わう者は一人もいない。』」
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ルカによる福音書14章25節~35節
14:25 大勢の群衆が一緒について来たが、イエスは振り向いて言われた。 14:26 「もし、だれかがわたしのもとに来るとしても、父、母、妻、子供、兄弟、姉妹を、更に自分の命であろうとも、これを憎まないなら、わたしの弟子ではありえない。 14:27 自分の十字架を背負ってついて来る者でなければ、だれであれ、わたしの弟子ではありえない。 14:28 あなたがたのうち、塔を建てようとするとき、造り上げるのに十分な費用があるかどうか、まず腰をすえて計算しない者がいるだろうか。 14:29 そうしないと、土台を築いただけで完成できず、見ていた人々は皆あざけって、 14:30 『あの人は建て始めたが、完成することはできなかった』と言うだろう。 14:31 また、どんな王でも、ほかの王と戦いに行こうとするときは、二万の兵を率いて進軍して来る敵を、自分の一万の兵で迎え撃つことができるかどうか、まず腰をすえて考えてみないだろうか。 14:32 もしできないと分かれば、敵がまだ遠方にいる間に使節を送って、和を求めるだろう。 14:33 だから、同じように、自分の持ち物を一切捨てないならば、あなたがたのだれ一人としてわたしの弟子ではありえない。」 14:34 「確かに塩は良いものだ。だが、塩も塩気がなくなれば、その塩は何によって味が付けられようか。 14:35 畑にも肥料にも、役立たず、外に投げ捨てられるだけだ。聞く耳のある者は聞きなさい。」
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ルカによる福音書15章1節~7節
15:1 徴税人や罪人が皆、話を聞こうとしてイエスに近寄って来た。 15:2 すると、ファリサイ派の人々や律法学者たちは、「この人は罪人たちを迎えて、食事まで一緒にしている」と不平を言いだした。 15:3 そこで、イエスは次のたとえを話された。 15:4 「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。 15:5 そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、 15:6 家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。 15:7 言っておくが、このように、悔い改める一人の罪人については、悔い改める必要のない九十九人の正しい人についてよりも大きな喜びが天にある。」
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ルカによる福音書15章8節~10節
15:8 「あるいは、ドラクメ銀貨を十枚持っている女がいて、その一枚を無くしたとすれば、ともし火をつけ、家を掃き、見つけるまで念を入れて捜さないだろうか。 15:9 そして、見つけたら、友達や近所の女たちを呼び集めて、『無くした銀貨を見つけましたから、一緒に喜んでください』と言うであろう。 15:10 言っておくが、このように、一人の罪人が悔い改めれば、神の天使たちの間に喜びがある。」
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ルカによる福音書15章11節~24節
15:11 また、イエスは言われた。「ある人に息子が二人いた。 15:12 弟の方が父親に、『お父さん、わたしが頂くことになっている財産の分け前をください』と言った。それで、父親は財産を二人に分けてやった。 15:13 何日もたたないうちに、下の息子は全部を金に換えて、遠い国に旅立ち、そこで放蕩の限りを尽くして、財産を無駄使いしてしまった。 15:14 何もかも使い果たしたとき、その地方にひどい飢饉が起こって、彼は食べるにも困り始めた。 15:15 それで、その地方に住むある人のところに身を寄せたところ、その人は彼を畑にやって豚の世話をさせた。 15:16 彼は豚の食べるいなご豆を食べてでも腹を満たしたかったが、食べ物をくれる人はだれもいなかった。 15:17 そこで、彼は我に返って言った。『父のところでは、あんなに大勢の雇い人に、有り余るほどパンがあるのに、わたしはここで飢え死にしそうだ。 15:18 ここをたち、父のところに行って言おう。「お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。 15:19 もう息子と呼ばれる資格はありません。雇い人の一人にしてください」と。』 15:20 そして、彼はそこをたち、父親のもとに行った。ところが、まだ遠く離れていたのに、父親は息子を見つけて、憐れに思い、走り寄って首を抱き、接吻した。 15:21 息子は言った。『お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。』 15:22 しかし、父親は僕たちに言った。『急いでいちばん良い服を持って来て、この子に着せ、手に指輪をはめてやり、足に履物を履かせなさい。 15:23 それから、肥えた子牛を連れて来て屠りなさい。食べて祝おう。 15:24 この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったからだ。』そして、祝宴を始めた。
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ルカによる福音書15章25節~32節
15:25 ところで、兄の方は畑にいたが、家の近くに来ると、音楽や踊りのざわめきが聞こえてきた。 15:26 そこで、僕の一人を呼んで、これはいったい何事かと尋ねた。 15:27 僕は言った。『弟さんが帰って来られました。無事な姿で迎えたというので、お父上が肥えた子牛を屠られたのです。』 15:28 兄は怒って家に入ろうとはせず、父親が出て来てなだめた。 15:29 しかし、兄は父親に言った。『このとおり、わたしは何年もお父さんに仕えています。言いつけに背いたことは一度もありません。それなのに、わたしが友達と宴会をするために、子山羊一匹すらくれなかったではありませんか。 15:30 ところが、あなたのあの息子が、娼婦どもと一緒にあなたの身上を食いつぶして帰って来ると、肥えた子牛を屠っておやりになる。』 15:31 すると、父親は言った。『子よ、お前はいつもわたしと一緒にいる。わたしのものは全部お前のものだ。 15:32 だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか。』」
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ルカによる福音書16章1節~13節
16:1 イエスは、弟子たちにも次のように言われた。「ある金持ちに一人の管理人がいた。この男が主人の財産を無駄使いしていると、告げ口をする者があった。 16:2 そこで、主人は彼を呼びつけて言った。『お前について聞いていることがあるが、どうなのか。会計の報告を出しなさい。もう管理を任せておくわけにはいかない。』 16:3 管理人は考えた。『どうしようか。主人はわたしから管理の仕事を取り上げようとしている。土を掘る力もないし、物乞いをするのも恥ずかしい。 16:4 そうだ。こうしよう。管理の仕事をやめさせられても、自分を家に迎えてくれるような者たちを作ればいいのだ。』 16:5 そこで、管理人は主人に借りのある者を一人一人呼んで、まず最初の人に、『わたしの主人にいくら借りがあるのか』と言った。 16:6 『油百バトス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。急いで、腰を掛けて、五十バトスと書き直しなさい。』 16:7 また別の人には、『あなたは、いくら借りがあるのか』と言った。『小麦百コロス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。八十コロスと書き直しなさい。』 16:8 主人は、この不正な管理人の抜け目のないやり方をほめた。この世の子らは、自分の仲間に対して、光の子らよりも賢くふるまっている。 16:9 そこで、わたしは言っておくが、不正にまみれた富で友達を作りなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。 16:10 ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である。ごく小さな事に不忠実な者は、大きな事にも不忠実である。 16:11 だから、不正にまみれた富について忠実でなければ、だれがあなたがたに本当に価値あるものを任せるだろうか。 16:12 また、他人のものについて忠実でなければ、だれがあなたがたのものを与えてくれるだろうか。 16:13 どんな召し使いも二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」
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ルカによる福音書16章14節~18節
16:14 金に執着するファリサイ派の人々が、この一部始終を聞いて、イエスをあざ笑った。 16:15 そこで、イエスは言われた。「あなたたちは人に自分の正しさを見せびらかすが、神はあなたたちの心をご存じである。人に尊ばれるものは、神には忌み嫌われるものだ。 16:16 律法と預言者は、ヨハネの時までである。それ以来、神の国の福音が告げ知らされ、だれもが力ずくでそこに入ろうとしている。 16:17 しかし、律法の文字の一画がなくなるよりは、天地の消えうせる方が易しい。 16:18 妻を離縁して他の女を妻にする者はだれでも、姦通の罪を犯すことになる。離縁された女を妻にする者も姦通の罪を犯すことになる。」
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ルカによる福音書16章19節~31節
16:19 「ある金持ちがいた。いつも紫の衣や柔らかい麻布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた。 16:20 この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの貧しい人が横たわり、 16:21 その食卓から落ちる物で腹を満たしたいものだと思っていた。犬もやって来ては、そのできものをなめた。 16:22 やがて、この貧しい人は死んで、天使たちによって宴席にいるアブラハムのすぐそばに連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。 16:23 そして、金持ちは陰府でさいなまれながら目を上げると、宴席でアブラハムとそのすぐそばにいるラザロとが、はるかかなたに見えた。 16:24 そこで、大声で言った。『父アブラハムよ、わたしを憐れんでください。ラザロをよこして、指先を水に浸し、わたしの舌を冷やさせてください。わたしはこの炎の中でもだえ苦しんでいます。』 16:25 しかし、アブラハムは言った。『子よ、思い出してみるがよい。お前は生きている間に良いものをもらっていたが、ラザロは反対に悪いものをもらっていた。今は、ここで彼は慰められ、お前はもだえ苦しむのだ。 16:26 そればかりか、わたしたちとお前たちの間には大きな淵があって、ここからお前たちの方へ渡ろうとしてもできないし、そこからわたしたちの方に越えて来ることもできない。』 16:27 金持ちは言った。『父よ、ではお願いです。わたしの父親の家にラザロを遣わしてください。 16:28 わたしには兄弟が五人います。あの者たちまで、こんな苦しい場所に来ることのないように、よく言い聞かせてください。』 16:29 しかし、アブラハムは言った。『お前の兄弟たちにはモーセと預言者がいる。彼らに耳を傾けるがよい。』 16:30 金持ちは言った。『いいえ、父アブラハムよ、もし、死んだ者の中からだれかが兄弟のところに行ってやれば、悔い改めるでしょう。』 16:31 アブラハムは言った。『もし、モーセと預言者に耳を傾けないのなら、たとえ死者の中から生き返る者があっても、その言うことを聞き入れはしないだろう。』」
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ルカによる福音書17章1節~10節
17:1 イエスは弟子たちに言われた。「つまずきは避けられない。だが、それをもたらす者は不幸である。 17:2 そのような者は、これらの小さい者の一人をつまずかせるよりも、首にひき臼を懸けられて、海に投げ込まれてしまう方がましである。 17:3 あなたがたも気をつけなさい。もし兄弟が罪を犯したら、戒めなさい。そして、悔い改めれば、赦してやりなさい。 17:4 一日に七回あなたに対して罪を犯しても、七回、『悔い改めます』と言ってあなたのところに来るなら、赦してやりなさい。」 17:5 使徒たちが、「わたしどもの信仰を増してください」と言ったとき、 17:6 主は言われた。「もしあなたがたにからし種一粒ほどの信仰があれば、この桑の木に、『抜け出して海に根を下ろせ』と言っても、言うことを聞くであろう。 17:7 あなたがたのうちだれかに、畑を耕すか羊を飼うかする僕がいる場合、その僕が畑から帰って来たとき、『すぐ来て食事の席に着きなさい』と言う者がいるだろうか。 17:8 むしろ、『夕食の用意をしてくれ。腰に帯を締め、わたしが食事を済ますまで給仕してくれ。お前はその後で食事をしなさい』と言うのではなかろうか。 17:9 命じられたことを果たしたからといって、主人は僕に感謝するだろうか。 17:10 あなたがたも同じことだ。自分に命じられたことをみな果たしたら、『わたしどもは取るに足りない僕です。しなければならないことをしただけです』と言いなさい。」
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ルカによる福音書17章11節~19節
17:11 イエスはエルサレムへ上る途中、サマリアとガリラヤの間を通られた。 17:12 ある村に入ると、重い皮膚病を患っている十人の人が出迎え、遠くの方に立ち止まったまま、 17:13 声を張り上げて、「イエスさま、先生、どうか、わたしたちを憐れんでください」と言った。 17:14 イエスは重い皮膚病を患っている人たちを見て、「祭司たちのところに行って、体を見せなさい」と言われた。彼らは、そこへ行く途中で清くされた。 17:15 その中の一人は、自分がいやされたのを知って、大声で神を賛美しながら戻って来た。 17:16 そして、イエスの足もとにひれ伏して感謝した。この人はサマリア人だった。 17:17 そこで、イエスは言われた。「清くされたのは十人ではなかったか。ほかの九人はどこにいるのか。 17:18 この外国人のほかに、神を賛美するために戻って来た者はいないのか。」 17:19 それから、イエスはその人に言われた。「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」
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- 村田寿和 牧師
ルカによる福音書17章20節~37節
17:20 ファリサイ派の人々が、神の国はいつ来るのかと尋ねたので、イエスは答えて言われた。「神の国は、見える形では来ない。 17:21 『ここにある』『あそこにある』と言えるものでもない。実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ。」 17:22 それから、イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたが、人の子の日を一日だけでも見たいと望む時が来る。しかし、見ることはできないだろう。 17:23 『見よ、あそこだ』『見よ、ここだ』と人々は言うだろうが、出て行ってはならない。また、その人々の後を追いかけてもいけない。 17:24 稲妻がひらめいて、大空の端から端へと輝くように、人の子もその日に現れるからである。 17:25 しかし、人の子はまず必ず、多くの苦しみを受け、今の時代の者たちから排斥されることになっている。 17:26 ノアの時代にあったようなことが、人の子が現れるときにも起こるだろう。 17:27 ノアが箱舟に入るその日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていたが、洪水が襲って来て、一人残らず滅ぼしてしまった。 17:28 ロトの時代にも同じようなことが起こった。人々は食べたり飲んだり、買ったり売ったり、植えたり建てたりしていたが、 17:29 ロトがソドムから出て行ったその日に、火と硫黄が天から降ってきて、一人残らず滅ぼしてしまった。 17:30 人の子が現れる日にも、同じことが起こる。 17:31 その日には、屋上にいる者は、家の中に家財道具があっても、それを取り出そうとして下に降りてはならない。同じように、畑にいる者も帰ってはならない。 17:32 ロトの妻のことを思い出しなさい。 17:33 自分の命を生かそうと努める者は、それを失い、それを失う者は、かえって保つのである。 17:34 言っておくが、その夜一つの寝室に二人の男が寝ていれば、一人は連れて行かれ、他の一人は残される。 17:35 二人の女が一緒に臼をひいていれば、一人は連れて行かれ、他の一人は残される。」 17:36 (†底本に節が欠落 異本訳)畑に二人の男がいれば、一人は連れて行かれ、他の一人は残される。 17:37 そこで弟子たちが、「主よ、それはどこで起こるのですか」と言った。イエスは言われた。「死体のある所には、はげ鷹も集まるものだ。」
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ルカによる福音書18章1節~8節
18:1 イエスは、気を落とさずに絶えず祈らなければならないことを教えるために、弟子たちにたとえを話された。 18:2 「ある町に、神を畏れず人を人とも思わない裁判官がいた。 18:3 ところが、その町に一人のやもめがいて、裁判官のところに来ては、『相手を裁いて、わたしを守ってください』と言っていた。 18:4 裁判官は、しばらくの間は取り合おうとしなかった。しかし、その後に考えた。『自分は神など畏れないし、人を人とも思わない。 18:5 しかし、あのやもめは、うるさくてかなわないから、彼女のために裁判をしてやろう。さもないと、ひっきりなしにやって来て、わたしをさんざんな目に遭わすにちがいない。』」 18:6 それから、主は言われた。「この不正な裁判官の言いぐさを聞きなさい。 18:7 まして神は、昼も夜も叫び求めている選ばれた人たちのために裁きを行わずに、彼らをいつまでもほうっておかれることがあろうか。 18:8 言っておくが、神は速やかに裁いてくださる。しかし、人の子が来るとき、果たして地上に信仰を見いだすだろうか。」
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ルカによる福音書18章9節~14節
18:9 自分は正しい人間だとうぬぼれて、他人を見下している人々に対しても、イエスは次のたとえを話された。 18:10 「二人の人が祈るために神殿に上った。一人はファリサイ派の人で、もう一人は徴税人だった。 18:11 ファリサイ派の人は立って、心の中でこのように祈った。『神様、わたしはほかの人たちのように、奪い取る者、不正な者、姦通を犯す者でなく、また、この徴税人のような者でもないことを感謝します。 18:12 わたしは週に二度断食し、全収入の十分の一を献げています。』 18:13 ところが、徴税人は遠くに立って、目を天に上げようともせず、胸を打ちながら言った。『神様、罪人のわたしを憐れんでください。』 18:14 言っておくが、義とされて家に帰ったのは、この人であって、あのファリサイ派の人ではない。だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」
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ルカによる福音書18章15節~17節
18:15 イエスに触れていただくために、人々は乳飲み子までも連れて来た。弟子たちは、これを見て叱った。 18:16 しかし、イエスは乳飲み子たちを呼び寄せて言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。 18:17 はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」
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ルカによる福音書18章18節~30節
18:18 ある議員がイエスに、「善い先生、何をすれば永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか」と尋ねた。 18:19 イエスは言われた。「なぜ、わたしを『善い』と言うのか。神おひとりのほかに、善い者はだれもいない。 18:20 『姦淫するな、殺すな、盗むな、偽証するな、父母を敬え』という掟をあなたは知っているはずだ。」 18:21 すると議員は、「そういうことはみな、子供の時から守ってきました」と言った。 18:22 これを聞いて、イエスは言われた。「あなたに欠けているものがまだ一つある。持っている物をすべて売り払い、貧しい人々に分けてやりなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」 18:23 しかし、その人はこれを聞いて非常に悲しんだ。大変な金持ちだったからである。 18:24 イエスは、議員が非常に悲しむのを見て、言われた。「財産のある者が神の国に入るのは、なんと難しいことか。 18:25 金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」 18:26 これを聞いた人々が、「それでは、だれが救われるのだろうか」と言うと、 18:27 イエスは、「人間にはできないことも、神にはできる」と言われた。 18:28 するとペトロが、「このとおり、わたしたちは自分の物を捨ててあなたに従って参りました」と言った。 18:29 イエスは言われた。「はっきり言っておく。神の国のために、家、妻、兄弟、両親、子供を捨てた者はだれでも、 18:30 この世ではその何倍もの報いを受け、後の世では永遠の命を受ける。」
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ルカによる福音書18章31節~34節
18:31 イエスは、十二人を呼び寄せて言われた。「今、わたしたちはエルサレムへ上って行く。人の子について預言者が書いたことはみな実現する。 18:32 人の子は異邦人に引き渡されて、侮辱され、乱暴な仕打ちを受け、唾をかけられる。 18:33 彼らは人の子を、鞭打ってから殺す。そして、人の子は三日目に復活する。」 18:34 十二人はこれらのことが何も分からなかった。彼らにはこの言葉の意味が隠されていて、イエスの言われたことが理解できなかったのである。
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ルカによる福音書18章35節~43節
18:35 イエスがエリコに近づかれたとき、ある盲人が道端に座って物乞いをしていた。 18:36 群衆が通って行くのを耳にして、「これは、いったい何事ですか」と尋ねた。 18:37 「ナザレのイエスのお通りだ」と知らせると、 18:38 彼は、「ダビデの子イエスよ、わたしを憐れんでください」と叫んだ。 18:39 先に行く人々が叱りつけて黙らせようとしたが、ますます、「ダビデの子よ、わたしを憐れんでください」と叫び続けた。 18:40 イエスは立ち止まって、盲人をそばに連れて来るように命じられた。彼が近づくと、イエスはお尋ねになった。 18:41 「何をしてほしいのか。」盲人は、「主よ、目が見えるようになりたいのです」と言った。 18:42 そこで、イエスは言われた。「見えるようになれ。あなたの信仰があなたを救った。」 18:43 盲人はたちまち見えるようになり、神をほめたたえながら、イエスに従った。これを見た民衆は、こぞって神を賛美した。
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- 村田寿和 牧師
ルカによる福音書19章1節~10節
19:1 イエスはエリコに入り、町を通っておられた。 19:2 そこにザアカイという人がいた。この人は徴税人の頭で、金持ちであった。 19:3 イエスがどんな人か見ようとしたが、背が低かったので、群衆に遮られて見ることができなかった。 19:4 それで、イエスを見るために、走って先回りし、いちじく桑の木に登った。そこを通り過ぎようとしておられたからである。 19:5 イエスはその場所に来ると、上を見上げて言われた。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」 19:6 ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。 19:7 これを見た人たちは皆つぶやいた。「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった。」 19:8 しかし、ザアカイは立ち上がって、主に言った。「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」 19:9 イエスは言われた。「今日、救いがこの家を訪れた。この人もアブラハムの子なのだから。 19:10 人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」
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ルカによる福音書19章11節~27節
19:11 人々がこれらのことに聞き入っているとき、イエスは更に一つのたとえを話された。エルサレムに近づいておられ、それに、人々が神の国はすぐにも現れるものと思っていたからである。 19:12 イエスは言われた。「ある立派な家柄の人が、王の位を受けて帰るために、遠い国へ旅立つことになった。 19:13 そこで彼は、十人の僕を呼んで十ムナの金を渡し、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』と言った。 19:14 しかし、国民は彼を憎んでいたので、後から使者を送り、『我々はこの人を王にいただきたくない』と言わせた。 19:15 さて、彼は王の位を受けて帰って来ると、金を渡しておいた僕を呼んで来させ、どれだけ利益を上げたかを知ろうとした。 19:16 最初の者が進み出て、『御主人様、あなたの一ムナで十ムナもうけました』と言った。 19:17 主人は言った。『良い僕だ。よくやった。お前はごく小さな事に忠実だったから、十の町の支配権を授けよう。』 19:18 二番目の者が来て、『御主人様、あなたの一ムナで五ムナ稼ぎました』と言った。 19:19 主人は、『お前は五つの町を治めよ』と言った。 19:20 また、ほかの者が来て言った。『御主人様、これがあなたの一ムナです。布に包んでしまっておきました。 19:21 あなたは預けないものも取り立て、蒔かないものも刈り取られる厳しい方なので、恐ろしかったのです。』 19:22 主人は言った。『悪い僕だ。その言葉のゆえにお前を裁こう。わたしが預けなかったものも取り立て、蒔かなかったものも刈り取る厳しい人間だと知っていたのか。 19:23 ではなぜ、わたしの金を銀行に預けなかったのか。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きでそれを受け取れたのに。』 19:24 そして、そばに立っていた人々に言った。『その一ムナをこの男から取り上げて、十ムナ持っている者に与えよ。』 19:25 僕たちが、『御主人様、あの人は既に十ムナ持っています』と言うと、 19:26 主人は言った。『言っておくが、だれでも持っている人は、更に与えられるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられる。 19:27 ところで、わたしが王になるのを望まなかったあの敵どもを、ここに引き出して、わたしの目の前で打ち殺せ。』」
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ルカによる福音書19章28節~44節
19:28 イエスはこのように話してから、先に立って進み、エルサレムに上って行かれた。 19:29 そして、「オリーブ畑」と呼ばれる山のふもとにあるベトファゲとベタニアに近づいたとき、二人の弟子を使いに出そうとして、 19:30 言われた。「向こうの村へ行きなさい。そこに入ると、まだだれも乗ったことのない子ろばのつないであるのが見つかる。それをほどいて、引いて来なさい。 19:31 もし、だれかが、『なぜほどくのか』と尋ねたら、『主がお入り用なのです』と言いなさい。」 19:32 使いに出された者たちが出かけて行くと、言われたとおりであった。 19:33 ろばの子をほどいていると、その持ち主たちが、「なぜ、子ろばをほどくのか」と言った。 19:34 二人は、「主がお入り用なのです」と言った。 19:35 そして、子ろばをイエスのところに引いて来て、その上に自分の服をかけ、イエスをお乗せした。 19:36 イエスが進んで行かれると、人々は自分の服を道に敷いた。 19:37 イエスがオリーブ山の下り坂にさしかかられたとき、弟子の群れはこぞって、自分の見たあらゆる奇跡のことで喜び、声高らかに神を賛美し始めた。 19:38 「主の名によって来られる方、王に、/祝福があるように。天には平和、/いと高きところには栄光。」 19:39 すると、ファリサイ派のある人々が、群衆の中からイエスに向かって、「先生、お弟子たちを叱ってください」と言った。 19:40 イエスはお答えになった。「言っておくが、もしこの人たちが黙れば、石が叫びだす。」 19:41 エルサレムに近づき、都が見えたとき、イエスはその都のために泣いて、 19:42 言われた。「もしこの日に、お前も平和への道をわきまえていたなら……。しかし今は、それがお前には見えない。 19:43 やがて時が来て、敵が周りに堡塁を築き、お前を取り巻いて四方から攻め寄せ、 19:44 お前とそこにいるお前の子らを地にたたきつけ、お前の中の石を残らず崩してしまうだろう。それは、神の訪れてくださる時をわきまえなかったからである。」
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ルカによる福音書19章45節~20章8節
19:45 それから、イエスは神殿の境内に入り、そこで商売をしていた人々を追い出し始めて、 19:46 彼らに言われた。「こう書いてある。『わたしの家は、祈りの家でなければならない。』/ところが、あなたたちはそれを強盗の巣にした。」 19:47 毎日、イエスは境内で教えておられた。祭司長、律法学者、民の指導者たちは、イエスを殺そうと謀ったが、 19:48 どうすることもできなかった。民衆が皆、夢中になってイエスの話に聞き入っていたからである。 20:1 ある日、イエスが神殿の境内で民衆に教え、福音を告げ知らせておられると、祭司長や律法学者たちが、長老たちと一緒に近づいて来て、 20:2 言った。「我々に言いなさい。何の権威でこのようなことをしているのか。その権威を与えたのはだれか。」 20:3 イエスはお答えになった。「では、わたしも一つ尋ねるから、それに答えなさい。 20:4 ヨハネの洗礼は、天からのものだったか、それとも、人からのものだったか。」 20:5 彼らは相談した。「『天からのものだ』と言えば、『では、なぜヨハネを信じなかったのか』と言うだろう。 20:6 『人からのものだ』と言えば、民衆はこぞって我々を石で殺すだろう。ヨハネを預言者だと信じ込んでいるのだから。」 20:7 そこで彼らは、「どこからか、分からない」と答えた。 20:8 すると、イエスは言われた。「それなら、何の権威でこのようなことをするのか、わたしも言うまい。」
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ルカによる福音書20章9節~19節
20:9 イエスは民衆にこのたとえを話し始められた。「ある人がぶどう園を作り、これを農夫たちに貸して長い旅に出た。 20:10 収穫の時になったので、ぶどう園の収穫を納めさせるために、僕を農夫たちのところへ送った。ところが、農夫たちはこの僕を袋だたきにして、何も持たせないで追い返した。 20:11 そこでまた、ほかの僕を送ったが、農夫たちはこの僕をも袋だたきにし、侮辱して何も持たせないで追い返した。 20:12 更に三人目の僕を送ったが、これにも傷を負わせてほうり出した。 20:13 そこで、ぶどう園の主人は言った。『どうしようか。わたしの愛する息子を送ってみよう。この子ならたぶん敬ってくれるだろう。』 20:14 農夫たちは息子を見て、互いに論じ合った。『これは跡取りだ。殺してしまおう。そうすれば、相続財産は我々のものになる。』 20:15 そして、息子をぶどう園の外にほうり出して、殺してしまった。さて、ぶどう園の主人は農夫たちをどうするだろうか。 20:16 戻って来て、この農夫たちを殺し、ぶどう園をほかの人たちに与えるにちがいない。」彼らはこれを聞いて、「そんなことがあってはなりません」と言った。 20:17 イエスは彼らを見つめて言われた。「それでは、こう書いてあるのは、何の意味か。『家を建てる者の捨てた石、/これが隅の親石となった。』 20:18 その石の上に落ちる者はだれでも打ち砕かれ、その石がだれかの上に落ちれば、その人は押しつぶされてしまう。」 20:19 そのとき、律法学者たちや祭司長たちは、イエスが自分たちに当てつけてこのたとえを話されたと気づいたので、イエスに手を下そうとしたが、民衆を恐れた。
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ルカによる福音書20章20節~26節
20:20 そこで、機会をねらっていた彼らは、正しい人を装う回し者を遣わし、イエスの言葉じりをとらえ、総督の支配と権力にイエスを渡そうとした。 20:21 回し者らはイエスに尋ねた。「先生、わたしたちは、あなたがおっしゃることも、教えてくださることも正しく、また、えこひいきなしに、真理に基づいて神の道を教えておられることを知っています。 20:22 ところで、わたしたちが皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。」 20:23 イエスは彼らのたくらみを見抜いて言われた。 20:24 「デナリオン銀貨を見せなさい。そこには、だれの肖像と銘があるか。」彼らが「皇帝のものです」と言うと、 20:25 イエスは言われた。「それならば、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」 20:26 彼らは民衆の前でイエスの言葉じりをとらえることができず、その答えに驚いて黙ってしまった。
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ルカによる福音書20章27節~40節
20:27 さて、復活があることを否定するサドカイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに尋ねた。 20:28 「先生、モーセはわたしたちのために書いています。『ある人の兄が妻をめとり、子がなくて死んだ場合、その弟は兄嫁と結婚して、兄の跡継ぎをもうけねばならない』と。 20:29 ところで、七人の兄弟がいました。長男が妻を迎えましたが、子がないまま死にました。 20:30 次男、 20:31 三男と次々にこの女を妻にしましたが、七人とも同じように子供を残さないで死にました。 20:32 最後にその女も死にました。 20:33 すると復活の時、その女はだれの妻になるのでしょうか。七人ともその女を妻にしたのです。」 20:34 イエスは言われた。「この世の子らはめとったり嫁いだりするが、 20:35 次の世に入って死者の中から復活するのにふさわしいとされた人々は、めとることも嫁ぐこともない。 20:36 この人たちは、もはや死ぬことがない。天使に等しい者であり、復活にあずかる者として、神の子だからである。 20:37 死者が復活することは、モーセも『柴』の個所で、主をアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神と呼んで、示している。 20:38 神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。すべての人は、神によって生きているからである。」 20:39 そこで、律法学者の中には、「先生、立派なお答えです」と言う者もいた。 20:40 彼らは、もはや何もあえて尋ねようとはしなかった。
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ルカによる福音書20章41節~44節
20:41 イエスは彼らに言われた。「どうして人々は、『メシアはダビデの子だ』と言うのか。 20:42 ダビデ自身が詩編の中で言っている。『主は、わたしの主にお告げになった。「わたしの右の座に着きなさい。 20:43 わたしがあなたの敵を/あなたの足台とするときまで」と。』 20:44 このようにダビデがメシアを主と呼んでいるのに、どうしてメシアがダビデの子なのか。」
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ルカによる福音書20章45節~21章4節
20:45 民衆が皆聞いているとき、イエスは弟子たちに言われた。 20:46 「律法学者に気をつけなさい。彼らは長い衣をまとって歩き回りたがり、また、広場で挨拶されること、会堂では上席、宴会では上座に座ることを好む。 20:47 そして、やもめの家を食い物にし、見せかけの長い祈りをする。このような者たちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる。」 21:1 イエスは目を上げて、金持ちたちが賽銭箱に献金を入れるのを見ておられた。 21:2 そして、ある貧しいやもめがレプトン銅貨二枚を入れるのを見て、 21:3 言われた。「確かに言っておくが、この貧しいやもめは、だれよりもたくさん入れた。 21:4 あの金持ちたちは皆、有り余る中から献金したが、この人は、乏しい中から持っている生活費を全部入れたからである。」
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ルカによる福音書21章5節~29節
21:5 ある人たちが、神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを話していると、イエスは言われた。 21:6 「あなたがたはこれらの物に見とれているが、一つの石も崩されずに他の石の上に残ることのない日が来る。」 21:7 そこで、彼らはイエスに尋ねた。「先生、では、そのことはいつ起こるのですか。また、そのことが起こるときには、どんな徴があるのですか。」 21:8 イエスは言われた。「惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『わたしがそれだ』とか、『時が近づいた』とか言うが、ついて行ってはならない。 21:9 戦争とか暴動のことを聞いても、おびえてはならない。こういうことがまず起こるに決まっているが、世の終わりはすぐには来ないからである。」 21:10 そして更に、言われた。「民は民に、国は国に敵対して立ち上がる。 21:11 そして、大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい現象や著しい徴が天に現れる。 21:12 しかし、これらのことがすべて起こる前に、人々はあなたがたに手を下して迫害し、会堂や牢に引き渡し、わたしの名のために王や総督の前に引っ張って行く。 21:13 それはあなたがたにとって証しをする機会となる。 21:14 だから、前もって弁明の準備をするまいと、心に決めなさい。 21:15 どんな反対者でも、対抗も反論もできないような言葉と知恵を、わたしがあなたがたに授けるからである。 21:16 あなたがたは親、兄弟、親族、友人にまで裏切られる。中には殺される者もいる。 21:17 また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。 21:18 しかし、あなたがたの髪の毛の一本も決してなくならない。 21:19 忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。」
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ルカによる福音書21章20節~28節
21:20 「エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。 21:21 そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ち退きなさい。田舎にいる人々は都に入ってはならない。 21:22 書かれていることがことごとく実現する報復の日だからである。 21:23 それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ。この地には大きな苦しみがあり、この民には神の怒りが下るからである。 21:24 人々は剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる。異邦人の時代が完了するまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされる。」 21:25 「それから、太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。 21:26 人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。天体が揺り動かされるからである。 21:27 そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。 21:28 このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。」
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ルカによる福音書21章29節~38節
21:29 それから、イエスはたとえを話された。「いちじくの木や、ほかのすべての木を見なさい。 21:30 葉が出始めると、それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる。 21:31 それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、神の国が近づいていると悟りなさい。 21:32 はっきり言っておく。すべてのことが起こるまでは、この時代は決して滅びない。 21:33 天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」 21:34 「放縦や深酒や生活の煩いで、心が鈍くならないように注意しなさい。さもないと、その日が不意に罠のようにあなたがたを襲うことになる。 21:35 その日は、地の表のあらゆる所に住む人々すべてに襲いかかるからである。 21:36 しかし、あなたがたは、起ころうとしているこれらすべてのことから逃れて、人の子の前に立つことができるように、いつも目を覚まして祈りなさい。」 21:37 それからイエスは、日中は神殿の境内で教え、夜は出て行って「オリーブ畑」と呼ばれる山で過ごされた。 21:38 民衆は皆、話を聞こうとして、神殿の境内にいるイエスのもとに朝早くから集まって来た。
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ルカによる福音書22章1節~13節
22:1 さて、過越祭と言われている除酵祭が近づいていた。 22:2 祭司長たちや律法学者たちは、イエスを殺すにはどうしたらよいかと考えていた。彼らは民衆を恐れていたのである。 22:3 しかし、十二人の中の一人で、イスカリオテと呼ばれるユダの中に、サタンが入った。 22:4 ユダは祭司長たちや神殿守衛長たちのもとに行き、どのようにしてイエスを引き渡そうかと相談をもちかけた。 22:5 彼らは喜び、ユダに金を与えることに決めた。 22:6 ユダは承諾して、群衆のいないときにイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。 22:7 過越の小羊を屠るべき除酵祭の日が来た。 22:8 イエスはペトロとヨハネとを使いに出そうとして、「行って過越の食事ができるように準備しなさい」と言われた。 22:9 二人が、「どこに用意いたしましょうか」と言うと、 22:10 イエスは言われた。「都に入ると、水がめを運んでいる男に出会う。その人が入る家までついて行き、 22:11 家の主人にはこう言いなさい。『先生が、「弟子たちと一緒に過越の食事をする部屋はどこか」とあなたに言っています。』 22:12 すると、席の整った二階の広間を見せてくれるから、そこに準備をしておきなさい。」 22:13 二人が行ってみると、イエスが言われたとおりだったので、過越の食事を準備した。
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ルカによる福音書22章14節~23節
22:14 時刻になったので、イエスは食事の席に着かれたが、使徒たちも一緒だった。 22:15 イエスは言われた。「苦しみを受ける前に、あなたがたと共にこの過越の食事をしたいと、わたしは切に願っていた。 22:16 言っておくが、神の国で過越が成し遂げられるまで、わたしは決してこの過越の食事をとることはない。」 22:17 そして、イエスは杯を取り上げ、感謝の祈りを唱えてから言われた。「これを取り、互いに回して飲みなさい。 22:18 言っておくが、神の国が来るまで、わたしは今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」 22:19 それから、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与えて言われた。「これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい。」 22:20 食事を終えてから、杯も同じようにして言われた。「この杯は、あなたがたのために流される、わたしの血による新しい契約である。 22:21 しかし、見よ、わたしを裏切る者が、わたしと一緒に手を食卓に置いている。 22:22 人の子は、定められたとおり去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。」 22:23 そこで使徒たちは、自分たちのうち、いったいだれが、そんなことをしようとしているのかと互いに議論をし始めた。
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ルカによる福音書22章21節~30節
22:21 しかし、見よ、わたしを裏切る者が、わたしと一緒に手を食卓に置いている。 22:22 人の子は、定められたとおり去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。」 22:23 そこで使徒たちは、自分たちのうち、いったいだれが、そんなことをしようとしているのかと互いに議論をし始めた。 22:24 また、使徒たちの間に、自分たちのうちでだれがいちばん偉いだろうか、という議論も起こった。 22:25 そこで、イエスは言われた。「異邦人の間では、王が民を支配し、民の上に権力を振るう者が守護者と呼ばれている。 22:26 しかし、あなたがたはそれではいけない。あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。 22:27 食事の席に着く人と給仕する者とは、どちらが偉いか。食事の席に着く人ではないか。しかし、わたしはあなたがたの中で、いわば給仕する者である。 22:28 あなたがたは、わたしが種々の試練に遭ったとき、絶えずわたしと一緒に踏みとどまってくれた。 22:29 だから、わたしの父がわたしに支配権をゆだねてくださったように、わたしもあなたがたにそれをゆだねる。 22:30 あなたがたは、わたしの国でわたしの食事の席に着いて飲み食いを共にし、王座に座ってイスラエルの十二部族を治めることになる。」
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ルカによる福音書22章31節~34節
22:31 「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた。 22:32 しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」 22:33 するとシモンは、「主よ、御一緒になら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」と言った。 22:34 イエスは言われた。「ペトロ、言っておくが、あなたは今日、鶏が鳴くまでに、三度わたしを知らないと言うだろう。」
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ルカによる福音書22章31節~38節
22:31 「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた。 22:32 しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」 22:33 するとシモンは、「主よ、御一緒になら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」と言った。 22:34 イエスは言われた。「ペトロ、言っておくが、あなたは今日、鶏が鳴くまでに、三度わたしを知らないと言うだろう。」 22:35 それから、イエスは使徒たちに言われた。「財布も袋も履物も持たせずにあなたがたを遣わしたとき、何か不足したものがあったか。」彼らが、「いいえ、何もありませんでした」と言うと、 22:36 イエスは言われた。「しかし今は、財布のある者は、それを持って行きなさい。袋も同じようにしなさい。剣のない者は、服を売ってそれを買いなさい。 22:37 言っておくが、『その人は犯罪人の一人に数えられた』と書かれていることは、わたしの身に必ず実現する。わたしにかかわることは実現するからである。」 22:38 そこで彼らが、「主よ、剣なら、このとおりここに二振りあります」と言うと、イエスは、「それでよい」と言われた。
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ルカによる福音書22章39節~46節
22:39 イエスがそこを出て、いつものようにオリーブ山に行かれると、弟子たちも従った。 22:40 いつもの場所に来ると、イエスは弟子たちに、「誘惑に陥らないように祈りなさい」と言われた。 22:41 そして自分は、石を投げて届くほどの所に離れ、ひざまずいてこう祈られた。 22:42 「父よ、御心なら、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願いではなく、御心のままに行ってください。」〔 22:43 すると、天使が天から現れて、イエスを力づけた。 22:44 イエスは苦しみもだえ、いよいよ切に祈られた。汗が血の滴るように地面に落ちた。〕 22:45 イエスが祈り終わって立ち上がり、弟子たちのところに戻って御覧になると、彼らは悲しみの果てに眠り込んでいた。 22:46 イエスは言われた。「なぜ眠っているのか。誘惑に陥らぬよう、起きて祈っていなさい。」
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ルカによる福音書22章47節~54節
22:47 イエスがまだ話しておられると、群衆が現れ、十二人の一人でユダという者が先頭に立って、イエスに接吻をしようと近づいた。 22:48 イエスは、「ユダ、あなたは接吻で人の子を裏切るのか」と言われた。 22:49 イエスの周りにいた人々は事の成り行きを見て取り、「主よ、剣で切りつけましょうか」と言った。 22:50 そのうちのある者が大祭司の手下に打ちかかって、その右の耳を切り落とした。 22:51 そこでイエスは、「やめなさい。もうそれでよい」と言い、その耳に触れていやされた。 22:52 それからイエスは、押し寄せて来た祭司長、神殿守衛長、長老たちに言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持ってやって来たのか。 22:53 わたしは毎日、神殿の境内で一緒にいたのに、あなたたちはわたしに手を下さなかった。だが、今はあなたたちの時で、闇が力を振るっている。」 22:54 人々はイエスを捕らえ、引いて行き、大祭司の家に連れて入った。ペトロは遠く離れて従った。
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ルカによる福音書22章54節~62節
22:54 人々はイエスを捕らえ、引いて行き、大祭司の家に連れて入った。ペトロは遠く離れて従った。 22:55 人々が屋敷の中庭の中央に火をたいて、一緒に座っていたので、ペトロも中に混じって腰を下ろした。 22:56 するとある女中が、ペトロがたき火に照らされて座っているのを目にして、じっと見つめ、「この人も一緒にいました」と言った。 22:57 しかし、ペトロはそれを打ち消して、「わたしはあの人を知らない」と言った。 22:58 少したってから、ほかの人がペトロを見て、「お前もあの連中の仲間だ」と言うと、ペトロは、「いや、そうではない」と言った。 22:59 一時間ほどたつと、また別の人が、「確かにこの人も一緒だった。ガリラヤの者だから」と言い張った。 22:60 だが、ペトロは、「あなたの言うことは分からない」と言った。まだこう言い終わらないうちに、突然鶏が鳴いた。 22:61 主は振り向いてペトロを見つめられた。ペトロは、「今日、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われた主の言葉を思い出した。 22:62 そして外に出て、激しく泣いた。
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ルカによる福音書22章63節~71節
22:63 さて、見張りをしていた者たちは、イエスを侮辱したり殴ったりした。 22:64 そして目隠しをして、「お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と尋ねた。 22:65 そのほか、さまざまなことを言ってイエスをののしった。 22:66 夜が明けると、民の長老会、祭司長たちや律法学者たちが集まった。そして、イエスを最高法院に連れ出して、 22:67 「お前がメシアなら、そうだと言うがよい」と言った。イエスは言われた。「わたしが言っても、あなたたちは決して信じないだろう。 22:68 わたしが尋ねても、決して答えないだろう。 22:69 しかし、今から後、人の子は全能の神の右に座る。」 22:70 そこで皆の者が、「では、お前は神の子か」と言うと、イエスは言われた。「わたしがそうだとは、あなたたちが言っている。」 22:71 人々は、「これでもまだ証言が必要だろうか。我々は本人の口から聞いたのだ」と言った。
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ルカによる福音書23章1節~12節
23:1 そこで、全会衆が立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。 23:2 そして、イエスをこう訴え始めた。「この男はわが民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また、自分が王たるメシアだと言っていることが分かりました。」 23:3 そこで、ピラトがイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と尋問すると、イエスは、「それは、あなたが言っていることです」とお答えになった。 23:4 ピラトは祭司長たちと群衆に、「わたしはこの男に何の罪も見いだせない」と言った。 23:5 しかし彼らは、「この男は、ガリラヤから始めてこの都に至るまで、ユダヤ全土で教えながら、民衆を扇動しているのです」と言い張った。 23:6 これを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、 23:7 ヘロデの支配下にあることを知ると、イエスをヘロデのもとに送った。ヘロデも当時、エルサレムに滞在していたのである。 23:8 彼はイエスを見ると、非常に喜んだ。というのは、イエスのうわさを聞いて、ずっと以前から会いたいと思っていたし、イエスが何かしるしを行うのを見たいと望んでいたからである。 23:9 それで、いろいろと尋問したが、イエスは何もお答えにならなかった。 23:10 祭司長たちと律法学者たちはそこにいて、イエスを激しく訴えた。 23:11 ヘロデも自分の兵士たちと一緒にイエスをあざけり、侮辱したあげく、派手な衣を着せてピラトに送り返した。 23:12 この日、ヘロデとピラトは仲がよくなった。それまでは互いに敵対していたのである。
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ルカによる福音書23章13節~25節
23:13 ピラトは、祭司長たちと議員たちと民衆とを呼び集めて、 23:14 言った。「あなたたちは、この男を民衆を惑わす者としてわたしのところに連れて来た。わたしはあなたたちの前で取り調べたが、訴えているような犯罪はこの男には何も見つからなかった。 23:15 ヘロデとても同じであった。それで、我々のもとに送り返してきたのだが、この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。 23:16 だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」 23:17 (†底本に節が欠落 異本訳)祭りの度ごとに、ピラトは、囚人を一人彼らに釈放してやらなければならなかった。 23:18 しかし、人々は一斉に、「その男を殺せ。バラバを釈放しろ」と叫んだ。 23:19 このバラバは、都に起こった暴動と殺人のかどで投獄されていたのである。 23:20 ピラトはイエスを釈放しようと思って、改めて呼びかけた。 23:21 しかし人々は、「十字架につけろ、十字架につけろ」と叫び続けた。 23:22 ピラトは三度目に言った。「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」 23:23 ところが人々は、イエスを十字架につけるようにあくまでも大声で要求し続けた。その声はますます強くなった。 23:24 そこで、ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。 23:25 そして、暴動と殺人のかどで投獄されていたバラバを要求どおりに釈放し、イエスの方は彼らに引き渡して、好きなようにさせた。
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ルカによる福音書23章26節~31節
23:26 人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。 23:27 民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。 23:28 イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。 23:29 人々が、『子を産めない女、産んだことのない胎、乳を飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来る。 23:30 そのとき、人々は山に向かっては、/『我々の上に崩れ落ちてくれ』と言い、/丘に向かっては、/『我々を覆ってくれ』と言い始める。 23:31 『生の木』さえこうされるのなら、『枯れた木』はいったいどうなるのだろうか。」
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ルカによる福音書23章32節~38節
23:32 ほかにも、二人の犯罪人が、イエスと一緒に死刑にされるために、引かれて行った。 23:33 「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。 23:34 〔そのとき、イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」〕人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。 23:35 民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」 23:36 兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、 23:37 言った。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」 23:38 イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。
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ルカによる福音書23章32節~49節
23:32 ほかにも、二人の犯罪人が、イエスと一緒に死刑にされるために、引かれて行った。 23:33 「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。 23:34 〔そのとき、イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」〕人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。 23:35 民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」 23:36 兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、 23:37 言った。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」 23:38 イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。 23:39 十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」 23:40 すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。 23:41 我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」 23:42 そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。 23:43 するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。 23:44 既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 23:45 太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。 23:46 イエスは大声で叫ばれた。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」こう言って息を引き取られた。 23:47 百人隊長はこの出来事を見て、「本当に、この人は正しい人だった」と言って、神を賛美した。 23:48 見物に集まっていた群衆も皆、これらの出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。 23:49 イエスを知っていたすべての人たちと、ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた。
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ルカによる福音書23章39節~43節
23:39 十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」 23:40 すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。 23:41 我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」 23:42 そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。 23:43 するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。
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ルカによる福音書23章44節~49節
23:44 既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 23:45 太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。 23:46 イエスは大声で叫ばれた。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」こう言って息を引き取られた。 23:47 百人隊長はこの出来事を見て、「本当に、この人は正しい人だった」と言って、神を賛美した。 23:48 見物に集まっていた群衆も皆、これらの出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。 23:49 イエスを知っていたすべての人たちと、ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた。
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ルカによる福音書23章50節~56節
23:50 さて、ヨセフという議員がいたが、善良な正しい人で、 23:51 同僚の決議や行動には同意しなかった。ユダヤ人の町アリマタヤの出身で、神の国を待ち望んでいたのである。 23:52 この人がピラトのところに行き、イエスの遺体を渡してくれるようにと願い出て、 23:53 遺体を十字架から降ろして亜麻布で包み、まだだれも葬られたことのない、岩に掘った墓の中に納めた。 23:54 その日は準備の日であり、安息日が始まろうとしていた。 23:55 イエスと一緒にガリラヤから来た婦人たちは、ヨセフの後について行き、墓と、イエスの遺体が納められている有様とを見届け、 23:56 家に帰って、香料と香油を準備した。
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ルカによる福音書23章56節~24章12節
23:56 婦人たちは、安息日には掟に従って休んだ。 24:1 そして、週の初めの日の明け方早く、準備しておいた香料を持って墓に行った。 24:2 見ると、石が墓のわきに転がしてあり、 24:3 中に入っても、主イエスの遺体が見当たらなかった。 24:4 そのため途方に暮れていると、輝く衣を着た二人の人がそばに現れた。 24:5 婦人たちが恐れて地に顔を伏せると、二人は言った。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。 24:6 あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。まだガリラヤにおられたころ、お話しになったことを思い出しなさい。 24:7 人の子は必ず、罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活することになっている、と言われたではないか。」 24:8 そこで、婦人たちはイエスの言葉を思い出した。 24:9 そして、墓から帰って、十一人とほかの人皆に一部始終を知らせた。 24:10 それは、マグダラのマリア、ヨハナ、ヤコブの母マリア、そして一緒にいた他の婦人たちであった。婦人たちはこれらのことを使徒たちに話したが、 24:11 使徒たちは、この話がたわ言のように思われたので、婦人たちを信じなかった。 24:12 しかし、ペトロは立ち上がって墓へ走り、身をかがめて中をのぞくと、亜麻布しかなかったので、この出来事に驚きながら家に帰った。
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ルカによる福音書24章13節~32節
24:13 ちょうどこの日、二人の弟子が、エルサレムから六十スタディオン離れたエマオという村へ向かって歩きながら、 24:14 この一切の出来事について話し合っていた。 24:15 話し合い論じ合っていると、イエス御自身が近づいて来て、一緒に歩き始められた。 24:16 しかし、二人の目は遮られていて、イエスだとは分からなかった。 24:17 イエスは、「歩きながら、やり取りしているその話は何のことですか」と言われた。二人は暗い顔をして立ち止まった。 24:18 その一人のクレオパという人が答えた。「エルサレムに滞在していながら、この数日そこで起こったことを、あなただけはご存じなかったのですか。」 24:19 イエスが、「どんなことですか」と言われると、二人は言った。「ナザレのイエスのことです。この方は、神と民全体の前で、行いにも言葉にも力のある預言者でした。 24:20 それなのに、わたしたちの祭司長たちや議員たちは、死刑にするため引き渡して、十字架につけてしまったのです。 24:21 わたしたちは、あの方こそイスラエルを解放してくださると望みをかけていました。しかも、そのことがあってから、もう今日で三日目になります。 24:22 ところが、仲間の婦人たちがわたしたちを驚かせました。婦人たちは朝早く墓へ行きましたが、 24:23 遺体を見つけずに戻って来ました。そして、天使たちが現れ、『イエスは生きておられる』と告げたと言うのです。 24:24 仲間の者が何人か墓へ行ってみたのですが、婦人たちが言ったとおりで、あの方は見当たりませんでした。」 24:25 そこで、イエスは言われた。「ああ、物分かりが悪く、心が鈍く預言者たちの言ったことすべてを信じられない者たち、 24:26 メシアはこういう苦しみを受けて、栄光に入るはずだったのではないか。」 24:27 そして、モーセとすべての預言者から始めて、聖書全体にわたり、御自分について書かれていることを説明された。 24:28 一行は目指す村に近づいたが、イエスはなおも先へ行こうとされる様子だった。 24:29 二人が、「一緒にお泊まりください。そろそろ夕方になりますし、もう日も傾いていますから」と言って、無理に引き止めたので、イエスは共に泊まるため家に入られた。 24:30 一緒に食事の席に着いたとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂いてお渡しになった。 24:31 すると、二人の目が開け、イエスだと分かったが、その姿は見えなくなった。 24:32 二人は、「道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか」と語り合った。
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- 村田寿和 牧師
ルカによる福音書24章13節~35節
24:13 この日、二人の弟子が、エルサレムから六十スタディオン離れたエマオという村に向かって歩きながら、 24:14 この一切の出来事について話し合っていた。 24:15 話し合い論じ合っていると、イエスご自身が近づいて来て、一緒に歩いて行かれた。 24:16 しかし、二人の目は遮られていて、イエスだとは分からなかった。 24:17 イエスは、「歩きながら、やり取りしているその話は何のことですか」と言われた。それで、二人は暗い顔をして立ち止まった。 24:18 その一人のクレオパと言う人が答えた。「エルサレムに滞在していながら、ここ数日そこで起こったことを、あなただけがご存じないのですか。」 24:19 イエスが、「どんなことですか」と言われると、二人は言った。「ナザレのイエスのことです。この方は、神と民全体の前で、行いにも言葉にも力のある預言者でした。 24:20 それなのに、私たちの祭司長たちや議員たちは、死刑にするため引き渡し、十字架につけてしまったのです。 24:21 私たちは、この方こそイスラエルを解放してくださると望みをかけていました。しかも、そのことがあってから、もう今日で三日目になります。 24:22 ところが、仲間の女たちが私たちを驚かせました。女たちが朝早く墓へ行きますと、 24:23 遺体が見当たらないので、戻って来ました。そして、天使たちが現れ、『イエスは生きておられる』と告げたと言うのです。 24:24 それで、仲間の者が何人か墓へ行ってみたのですが、女たちが言ったとおりで、あの方は見当たりませんでした。」 24:25 そこで、イエスは言われた。「ああ、愚かで心が鈍く、預言者たちの語ったことすべてを信じられない者たち、 24:26 メシアは、これらの苦しみを受けて、栄光に入るはずではなかったか。」 24:27 そして、モーセとすべての預言者から始めて、聖書全体にわたり、ご自分について書いてあることを解き明かされた。 24:28 一行は目指す村に近づいたが、イエスはなおも先へ行こうとされる様子だった。 24:29 二人が、「一緒にお泊まりください。そろそろ夕方になりますし、もう日も傾いています」と言って、無理に引き止めたので、イエスは共に泊まるために家に入られた。 24:30 一緒に食事の席に着いたとき、イエスはパンを取り、祝福して裂き、二人にお渡しになった。 24:31 すると、二人の目が開け、イエスだと分かったが、その姿は見えなくなった。 24:32 二人は互いに言った。「道々、聖書を説き明かしながら、お話しくださったとき、私たちの心は燃えていたではないか。」 24:33 すぐさま二人は立って、エルサレムに戻ってみると、十一人とその仲間が集まって、 24:34 主は本当に復活して、シモンに現れたと言っていた。 24:35 二人も、道で起こったことや、パンを裂いてくださったときにイエスだと分かった次第を話した。
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- 大澤長老(奨励者)
ルカによる福音書24章33節~43節
24:33 そして、時を移さず出発して、エルサレムに戻ってみると、十一人とその仲間が集まって、 24:34 本当に主は復活して、シモンに現れたと言っていた。 24:35 二人も、道で起こったことや、パンを裂いてくださったときにイエスだと分かった次第を話した。 24:36 こういうことを話していると、イエス御自身が彼らの真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。 24:37 彼らは恐れおののき、亡霊を見ているのだと思った。 24:38 そこで、イエスは言われた。「なぜ、うろたえているのか。どうして心に疑いを起こすのか。 24:39 わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、わたしにはそれがある。」 24:40 こう言って、イエスは手と足をお見せになった。 24:41 彼らが喜びのあまりまだ信じられず、不思議がっているので、イエスは、「ここに何か食べ物があるか」と言われた。 24:42 そこで、焼いた魚を一切れ差し出すと、 24:43 イエスはそれを取って、彼らの前で食べられた。
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ルカによる福音書24章36節~53節
24:36 こういうことを話していると、イエス御自身が彼らの真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。 24:37 彼らは恐れおののき、亡霊を見ているのだと思った。 24:38 そこで、イエスは言われた。「なぜ、うろたえているのか。どうして心に疑いを起こすのか。 24:39 わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、わたしにはそれがある。」 24:40 こう言って、イエスは手と足をお見せになった。 24:41 彼らが喜びのあまりまだ信じられず、不思議がっているので、イエスは、「ここに何か食べ物があるか」と言われた。 24:42 そこで、焼いた魚を一切れ差し出すと、 24:43 イエスはそれを取って、彼らの前で食べられた。 24:44 イエスは言われた。「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある事柄は、必ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておいたことである。」 24:45 そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、 24:46 言われた。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。 24:47 また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、 24:48 あなたがたはこれらのことの証人となる。 24:49 わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。」 24:50 イエスは、そこから彼らをベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された。 24:51 そして、祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。 24:52 彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに帰り、 24:53 絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた。
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ルカによる福音書24章44節~49節
24:44 イエスは言われた。「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある事柄は、必ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておいたことである。」 24:45 そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、 24:46 言われた。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。 24:47 また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、 24:48 あなたがたはこれらのことの証人となる。 24:49 わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。」
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ルカによる福音書24章50節~53節
24:50 イエスは、そこから彼らをベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された。 24:51 そして、祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。 24:52 彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに帰り、 24:53 絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた。
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