2026年03月01日「神のご計画に信頼する」

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神のご計画に信頼する

日付
説教
金原堅二 牧師
聖書
使徒言行録 12章1節~11節

聖句のアイコン聖書の言葉

1そのころ、ヘロデ王は教会のある人々に迫害の手を伸ばし、 2ヨハネの兄弟ヤコブを剣で殺した。 3そして、それがユダヤ人に喜ばれるのを見て、更にペトロをも捕らえようとした。それは、除酵祭の時期であった。 4ヘロデはペトロを捕らえて牢に入れ、四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。過越祭の後で民衆の前に引き出すつもりであった。 5こうして、ペトロは牢に入れられていた。教会では彼のために熱心な祈りが神にささげられていた。
6ヘロデがペトロを引き出そうとしていた日の前夜、ペトロは二本の鎖でつながれ、二人の兵士の間で眠っていた。番兵たちは戸口で牢を見張っていた。 7すると、主の天使がそばに立ち、光が牢の中を照らした。天使はペトロのわき腹をつついて起こし、「急いで起き上がりなさい」と言った。すると、鎖が彼の手から外れ落ちた。 8天使が、「帯を締め、履物を履きなさい」と言ったので、ペトロはそのとおりにした。また天使は、「上着を着て、ついて来なさい」と言った。 9それで、ペトロは外に出てついて行ったが、天使のしていることが現実のこととは思われなかった。幻を見ているのだと思った。 10第一、第二の衛兵所を過ぎ、町に通じる鉄の門の所まで来ると、門がひとりでに開いたので、そこを出て、ある通りを進んで行くと、急に天使は離れ去った。 11ペトロは我に返って言った。「今、初めて本当のことが分かった。主が天使を遣わして、ヘロデの手から、またユダヤ民衆のあらゆるもくろみから、わたしを救い出してくださったのだ。」使徒言行録 12章1節~11節

原稿のアイコンメッセージ

 ここには、時の権力者であるヘロデ王によってもたらされた、悲惨な出来事が記されています。十二使徒のヤコブが殉教し、ペトロもまた命を奪われようとしていたわけです。ヘロデの家は代々、ユダヤ人たちにあまり人気がありませんでした。そのような背景の中で、ヘロデはユダヤ人たちに喜ばれることをしようとします。それが、今回で言うところの、イエスの十二使徒であるヤコブ殺害するということだったのです。こうして、イエス様の十二使徒の中から、初めての殉教者が出ることになりました。さらに、ヘロデの迫害の手は止まりません。ヤコブの処刑が人々に喜ばれるのを見て、今度はペトロに、その迫害の手を伸ばそうとするのです。

 ここまで読んでおりますと、このたった短い3節の記事の中に、実に悲惨な出来事が含まれている、ということに気づいていただけると思います。時の権力者ヘロでの人気取り。こんなことのために、ヤコブは殺されたのかと、そのような思いが致します。神様はどうしてこんなことを許されるのか、と思われるかもしれません。「なんで神様はヤコブを助けてくださらないのか」と、そう思われるかもしれません。

 しかしこの使徒言行録12章が全体として語っていることは、たとえ私たちが願う通りでなかったとしても、神様はその御心を実現なさるということです。ある時には期待通り、いや期待以上のことが起きるかもしれません。その典型的な例がこの直後に記されるペトロの救出劇です。けれども、願っても、願った通りにならないということも、あります。そのときに、たとえ私たちが願う通りでなかったとしても、神様はその御心を実現しておられる、ということなのです。

 ヤコブが剣によって殺されたのは、神様がそこから彼をお救いになれなかったということではありません。ペトロが救出され、ヤコブが殉教したのも、すべて私たち人間の理解を超えた神様のご計画です。目の前の現実が、私たちの期待する通りになっても、また「もしそうでなくても」(ダニエル書3:18参照)、神様の主権に変わりはありません。「あなたのご計画に信頼します」。そのように祈ることができたなら、それこそが祈りの答えだと言うことができるのではないでしょうか。

 最後にもう一つ注目したいことは、牢獄の中で、ペトロは平安のうちに眠りについていたということです(6節)。明日にも、民衆の前に引き出されて処刑にされようかという、そういうペトロでありました。そのペトロが、牢獄の中で、天使が来ても朦朧としているほどに深く眠っているのです。実に落ち着いた平安がペトロの中にあったことがわかります。「体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい」(マタイ10:28)。