月報巻頭言 Vol12「決して忘れず守るために➂」

月報巻頭言 Vol12「決して忘れず守るために➂」

西谷教会では月に一度「月報」を発行しています。 通年テーマは「主にある喜びと感謝に満たされて語り継ぐ」 第12回目の副題は「決して忘れず守るために➂」です。

母が召されてから、私たち夫婦は兄夫婦と交代で、父と暮らし始めました。
兄夫婦が週4日、私夫婦が3日を受け持ちました。
前回申し上げました通り、母が召されて父と暮らし始めた時、
私は全く何も聖書から学んでいなかったことに気付かされました。
毎週礼拝に通っていながら母が召され、認知症の父と住み暮らす普段の生活で
神に従ってどうやって暮らしてよいのかが分かっていない。
そこに気付かされました。

困っていた時に「日本キリスト改革派教会創立七十周年記念大会」の記事が目に留まりました。
その中に記された記念宣言
(http://www.rcj-net.org/resources/declaration/70th.htm)
の、特に「善き生活」に惹かれました。
そこに書かれているみ言葉を読み、とにかくやってみました。

その中に「あなたの父母を敬え。」というみ言葉があります。
やってみて痛感したのは「守れない」ということでした。
父を敬えないのです。
認知症の症状からでしょうか、父は頻繁に夜中に知り合いに電話をかけました。
教会での道すがらにあたりかまわず手を振り、周囲の人に声をかけました。
洗濯途中の洗濯機の電源を消されて、洗濯が何度もやり直しになりました。
トイレの便座保温機能を切られていて、夜中に飛び上がったこともありました。
そのような些細な父の行動の一つひとつが許せなくて腹立たしく思いました。
また、そのような父のどこを敬えばいいのかがわからなくなり、悩みました。

なにがしか世のノウハウというものは手に入れられて、そつなく振る舞うことは出来ます。
ただ、神の御前で自らの心は偽れません。
敬うべき相手の好むことさえわからない。
父が満足して口にしてくれるような味噌汁一つ作れないのです。
父の行動を受け止めることも出来ない。
また思いも行いも届かないことに困り、また疲れてしまいました。
その時に大変助けられたのは日々み言葉に聞く、
み言葉に触れるという習慣が神学校での生活を通して与えられたことでした。
このことは追ってまた別の機会でお話をしたいと思っています。

さて、そのような日々を過ごしながら、はたと気づかされたことがありました。
それはわたしが敬うべく見ていた方向でした。
母が召されてから父がよく口にする言葉がありました。
それは母の死因でした。
「なんでお母さんは死んだの?」そう聞かれて私たちも兄姉も、
ただ機械的にその死因を繰り返して伝えることしか出来ませんでした。
母の死の悲しみを受け入れらない父のことを痛ましく思いつつも、
何もできないむなしさから時には苛立たしく思うことさえありました。

ある時同じように、父から「なんでお母さんは死んだの?」と問われました。
その時、私はふと気になって「お父さんはなぜだと思うの?」と聞き返しました。
そうすると父はしばらく黙ったあと、
「私が殺した。」そう、私に告げたのです。
その後、とつとつと父から語られたこと。
それはこれまでの人生で母に無理をかけてばかりだったこと。
今も自分がこのような状態で、世話になるばかりだったこと。
何もして返せなかったことでした。それらの思いから出たひとこと。それが「私が殺した。」だったのです。

私はこの時に、今まで神と父とを別々に見ていたのだと気付きました。
むしろ私は神に背を向けて、上から父を見ていたのではなかったかと思わされたのです。
かたちだけは神を仰ぎ見ていたのかもしれません。
ただ、その同じ視野で神が父にどう働いてくださっているのかを見ていなかったのです。
ひと時も離れず父に、そして私にも働いていてくださる神をおぼえて、
父と共に祈りました。
それ以来、父から母の死因について尋ねられることはなくなりました。

私たちは『あなたの父母を敬え。』(申命記5:16)と命じられています。
子は父母を敬いたいのです。
ただ、自らの力で出来ることではありません。
出来たとも思えません。
ただ、そう出来るようなキッカケを与えてくださったのは神でした。
神から教えられることが必要不可欠でした。

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