2023年02月19日「聖霊とわたしたちは決めました」

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聖霊とわたしたちは決めました

日付
説教
木村恭子 牧師
聖書
使徒言行録 15章22節~35節

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聖句のアイコン聖書の言葉

そこで、使徒たちと長老たちは、教会全体と共に、自分たちの中から人を選んで、パウロやバルナバと一緒にアンティオキアに派遣することを決定した。選ばれたのは、バルサバと呼ばれるユダおよびシラスで、兄弟たちの中で指導的な立場にいた人たちである。
使徒たちは、次の手紙を彼らに託した。「使徒と長老たちが兄弟として、アンティオキアとシリア州とキリキア州に住む、異邦人の兄弟たちに挨拶いたします。 聞くところによると、わたしたちのうちのある者がそちらへ行き、わたしたちから何の指示もないのに、いろいろなことを言って、あなたがたを騒がせ動揺させたとのことです。それで、人を選び、わたしたちの愛するバルナバとパウロとに同行させて、そちらに派遣することを、わたしたちは満場一致で決定しました。
このバルナバとパウロは、わたしたちの主イエス・キリストの名のために身を献げている人たちです。それで、ユダとシラスを選んで派遣しますが、彼らは同じことを口頭でも説明するでしょう。
聖霊とわたしたちは、次の必要な事柄以外、一切あなたがたに重荷を負わせないことに決めました。すなわち、偶像に献げられたものと、血と、絞め殺した動物の肉と、みだらな行いとを避けることです。以上を慎めばよいのです。健康を祈ります。」
さて、彼ら一同は見送りを受けて出発し、アンティオキアに到着すると、信者全体を集めて手紙を手渡した。
15:31 彼らはそれを読み、励ましに満ちた決定を知って喜んだ。ユダとシラスは預言する者でもあったので、いろいろと話をして兄弟たちを励まし力づけ、しばらくここに滞在した後、兄弟たちから送別の挨拶を受けて見送られ、自分たちを派遣した人々のところへ帰って行った。
しかし、パウロとバルナバはアンティオキアにとどまって教え、他の多くの人と一緒に主の言葉の福音を告げ知らせた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』
使徒言行録 15章22節~35節

原稿のアイコンメッセージ

<説教要約>使徒言行録15章22-35節「 聖霊とわたしたちは、決めました 」 

今日の箇所は、エルサレム教会の会議の結論をどのようにアンティオキア教会はじめ異邦人キリスト者たちに知らせたのか、という話です。これが会議の締めくくりです。

まず22節を見ましょう。
15:22 そこで、使徒たちと長老たちは、教会全体と共に、自分たちの中から人を選んで、パウロやバルナバと一緒にアンティオキアに派遣することを決定した。選ばれたのは、バルサバと呼ばれるユダおよびシラスで、兄弟たちの中で指導的な立場にいた人たちである。
「使徒たちと長老たちは、教会全体と共に」とあります。会議の結論は、会議に出席した使徒と長老だけでなく、エルサレム教会全体でまず共有されました。
この中には、「救いには割礼が必要だ」と主張した人々も含まれています。彼らが本当に納得したのか、あるいは押し切られただけなのかはわかりません。でも少なくとも、ここでは教会全体の意志として、この決定が支持されています。
そして、会議の結論をパウロとバルナバに委ねる、というのではなく、エルサレム教会から正式な代表者を派遣する、ということが決められたのです。

23-29節は、手紙の内容が記されています。
15:23「使徒と長老たちが兄弟として、アンティオキアとシリア州とキリキア州に住む、異邦人の兄弟たちに挨拶いたします。」ここは、一般的な手紙のフォームで、宛先と挨拶部分です。ですが、この手紙では、差出人は「使徒と長老たちが兄弟として」、宛先は「異邦人の兄弟たち」です。最初から、あなた方は、私たちと同じ信仰を持ち、同じ救いに入れられている「兄弟です」と言っているのが読み取れます。
24節では
15:24 「聞くところによると、わたしたちのうちのある者がそちらへ行き、わたしたちから何の指示もないのに、いろいろなことを言って、あなたがたを騒がせ動揺させたとのことです。」
といって、アンティオキア教会で「割礼が必要だ」と教えた人々は、確かにエルサレム教会のメンバーだが、彼らは、何の指示もなく勝手に行動し、教えていた、ということをはっきりさせています。
この問題がアンティオキア教会の信者たち、さらには異邦人キリスト者たちにとって、大問題であり、彼らがこのことで大きな心配や不安を抱き、心乱されていたので、この手紙では、まずそのことに触れ、彼らはエルサレム教会からの正式な使者ではなかったことを明らかにしています。
25節でも、これがエルサレム教会の「満場一致の決定だ」ということを強調しています。
そして、アンティオキア教会から正式に派遣されたバルナバとパウロの働きを評価し、さらに、エルサレム教会から正式な使者として「ユダとシラスを選んで派遣する」と記しています。
28-29節はこの騒動に対する結論です。中心は28節。
15:28「聖霊とわたしたちは、次の必要な事柄以外、一切あなたがたに重荷を負わせないことに決めました。」
前々回の説教でもお話ししましたが、ここは「聖霊とわたしたちは…決めました。」とあり、この結論は、聖霊に導かれて決めたこと。つまり、神の意志、み旨であることが確認されています。
教会の会議は、人間の意志でなく、神の御心が示されるのだ、ということを覚えたいと思います。

15章30節から34節は、アンティオキア教会でこの手紙が読まれたときの様子が記されています。
アンティオキア教会でこの手紙が読まれたとき、彼らはその決定に安心したことでしょう。そしてこれは彼らの喜びとなりました。そして自分たちへの励ましとして受け止めました。
また、エルサレム教会からの使者ユダとシラスによって、さらなる励まし、力づけ、そして教えを受けたのです。
二人は、単なる報告として手紙を読み、すぐにエルサレムへ戻ったのではありません。
15:32 ユダとシラスは預言する者でもあったので、いろいろと話をして兄弟たちを励まし力づけ、
15:33 しばらくここに滞在した後、兄弟たちから送別の挨拶を受けて見送られ、自分たちを派遣した人々のところへ帰って行った。 とあります。
こうして、会議の決定が、配慮とともに報告されたのです。

今日のところでは、特に、会議の結果報告について、又その際の配慮、フォローについて、いろいろ参考になることが教えられています。

私たちも、教会の会議でいろんなことを決めます。ですが、ともすれば決めたことで安心してしまうということがあります。
せっかく決めたのに、それを共有し、実行に移すことが忘れられてしまうことがあります。ですが、それでは会議をする意味がありませんよね。
決めたことを報告し、共有し、実行に移すことが大切です。
また、その際に、教会には様々な状況の方がおられるので、配慮すべきことがあることも覚えたいと思います。

今日の中心聖句は、
15:28聖霊とわたしたちは、次の必要な事柄以外、一切あなたがたに重荷を負わせないことに決めました。

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