2022年03月06日「福音に仕える力」

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こういうわけで、あなたがた異邦人のためにキリスト・イエスの囚人となっているわたしパウロは……。 あなたがたのために神がわたしに恵みをお与えになった次第について、あなたがたは聞いたにちがいありません。
初めに手短に書いたように、秘められた計画が啓示によってわたしに知らされました。あなたがたは、それを読めば、キリストによって実現されるこの計画を、わたしがどのように理解しているかが分かると思います。この計画は、キリスト以前の時代には人の子らに知らされていませんでしたが、今や“霊”によって、キリストの聖なる使徒たちや預言者たちに啓示されました。すなわち、異邦人が福音によってキリスト・イエスにおいて、約束されたものをわたしたちと一緒に受け継ぐ者、同じ体に属する者、同じ約束にあずかる者となるということです。
神は、その力を働かせてわたしに恵みを賜り、この福音に仕える者としてくださいました。この恵みは、聖なる者たちすべての中で最もつまらない者であるわたしに与えられました。わたしは、この恵みにより、キリストの計り知れない富について、異邦人に福音を告げ知らせており、すべてのものをお造りになった神の内に世の初めから隠されていた秘められた計画が、どのように実現されるのかを、すべての人々に説き明かしています。
こうして、いろいろの働きをする神の知恵は、今や教会によって、天上の支配や権威に知らされるようになったのですが、これは、神がわたしたちの主キリスト・イエスによって実現された永遠の計画に沿うものです。
わたしたちは主キリストに結ばれており、キリストに対する信仰により、確信をもって、大胆に神に近づくことができます。だから、あなたがたのためにわたしが受けている苦難を見て、落胆しないでください。この苦難はあなたがたの栄光なのです。日本聖書協会『聖書 新共同訳』
エフェソの信徒への手紙 3章1節~13節

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<要約>エフェソ3:1-13 「福音に仕える力」
今朝は、川越教会の今年のテーマ聖句、「神は、その力を働かせてわたしに恵みを賜り、この福音に仕える者としてくださいました。」を含む聖書箇所から、福音に仕える力が私たちにどのように与えられるのか、ということを考えたいと願っています。
聖書朗読はエフェソの信徒への手紙3章1-13節でしたが、2章から3カ所見たいと思います。
2:13あなたがたは、以前は遠く離れていたが、今や、キリスト・イエスにおいて、キリストの血によって近い者となったのです。
とあります。ここでは特に「ユダヤ人と異邦人」の関係を念頭に語られていますが、私たちはもっと広く受け止められるでしょう。
キリストを信じる信仰を通して、一人一人がキリストに結ばれるなら、結ばれた人同士も、近い者となる。キリストを信じる信仰は、年齢、性別、人種、国籍など、さまざまな違いを乗り越えて、同じ神の国の民となります。それがキリストの教会です。
2:15bこうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、とあります。キリストの平和は、キリストを信じる信仰によって、互いに結び合わされて、一人の新しい人に作り上げられるという形で実現する平和です。そして22節。
2:22 キリストにおいて、あなたがたも共に建てられ、霊の働きによって神の住まいとなるのです。
とあります。

ここまでのことを踏まえたうえで、パウロの話はさらに進みます。
3:1 こういうわけで、あなたがた異邦人のためにキリスト・イエスの囚人となっているわたしパウロ。
3:2 あなたがたのために神がわたしに恵みをお与えになった次第について、あなたがたは聞いたにちがいありません。
「神がわたしに恵みをお与えになった次第」とは、パウロの回心と言われる出来事。
過激なまでに熱心なユダヤ教徒で、キリスト教会の迫害者だったパウロが、復活の主に出会い、「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。」と語りかけられた、あの出来事です。
あの出来事を、あなたがたは知っているでしょう!とパウロは言います。
さらにパウロは、3節以下で、与えられた福音について記しています。
彼はここで「秘められた計画」という言葉でキリストの福音を表現しています。
「秘められた計画」の内容は、イエス・キリストの十字架による罪の赦し。神との和解、そして、キリスト者同士の和解までが含まれています。
3:6 すなわち、異邦人が福音によってキリスト・イエスにおいて、約束されたものをわたしたちと一緒に受け継ぐ者、同じ体に属する者、同じ約束にあずかる者となるということです。
キリストの十字架による罪の赦し、そして神に近づくことができる恵み。これが、ユダヤ人だけでなく、キリストを信じる信仰を通して、すべての人に与えられるという現実。
さらに、キリストを信じるすべての者は、その違いを超えて「一緒に約束を受け継ぐ」ことになる。違いがあっても「同じ体に属している」とパウロは教えます。

次の7節。これが、今年の教会のテーマです。
3:7 神は、その力を働かせてわたしに恵みを賜り、この福音に仕える者としてくださいました。
キリストを通して神に近づくことができるという福音は、神の恵みであり、私たちにとって救いです。
実際に、復活のキリストにお会いし、直接福音を教えられたパウロは、その恵みの大きさを人一倍、深く理解していました。
ですから、8節へとパウロの言葉は続くのです。
3:8 この恵みは、聖なる者たちすべての中で最もつまらない者であるわたしに与えられました。
わたしは、この恵みにより、キリストの計り知れない富について、異邦人に福音を告げ知らせており、
3:9 すべてのものをお造りになった神の内に世の初めから隠されていた秘められた計画が、どのように実現されるのかを、すべての人々に説き明かしています。

ですが、この働きはパウロ一人では完結しません。それが、10節以下です。
3:10 こうして、いろいろの働きをする神の知恵は、今や教会によって、天上の支配や権威に知らされるようになったのですが、
3:11 これは、神がわたしたちの主キリスト・イエスによって実現された永遠の計画に沿うものです。
パウロの福音宣教は、町々に福音を伝え、教会をたて、長老を選んで働きをゆだねる、という形で進んでいきました。ですが、これは神の永遠からのご計画でもありました。
そして、今、福音宣教の働き、神の救いを伝え、広げる働きを担っているのは、地上の教会です。
神の恵み、神の福音は、教会の働きを通して、今も広がっています。私たち川越教会も、パウロが担っていたこの福音宣教の働きに用いられているのです。
パウロから始まり、今の私たちの働きに至るまで、そのすべてが
3:11 これは、神がわたしたちの主キリスト・イエスによって実現された永遠の計画に沿うものです。
とある通りです。
しかし、福音宣教の働きは簡単ではありません。パウロも多くの艱難、試練に会いましたが、今も簡単ではありません。
ですから、12節。
3:12 わたしたちは主キリストに結ばれており、キリストに対する信仰により、確信をもって、大胆に神に近づくことができます。
パウロは、キリストを信じる私たちは、確信をもって、大胆に神に近づくことができる。キリストに近づいて、そこから助けをいただくことができる。知恵や力、励ましを受けることができるというのです。
12節の「キリストに対する信仰により」という部分、「聖書協会共同訳聖書」では「キリストの真実により」となっています。
ここでパウロが言いたいのは、「キリストの真実」「キリストの救いの確かさ」によって、私たちは神に近づくことができる、ということです。「私の側の信仰の確かさの問題ではないことに注意したいのです。
遠慮することなく、大胆に、神に近づくことで、さらなる神からの助けをいただくことができます。
ヘブライ人への手紙には、このように記されています。
へブル4:16「だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために、大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。」

結論です。
キリストに結ばれて一つになること。大胆に神に近づくこと。この二つのことで、福音に仕える力が私たちに、さらに豊かに与えられます。今年一年、この二つのことを大切にして、信仰の歩みを共に歩んでいきましょう。

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