有能な伴侶 2025年12月24日(水曜 聖書と祈りの会)

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有能な伴侶

日付
説教
村田寿和 牧師
聖書
箴言 31章10節~31節

聖句のアイコン聖書の言葉

31:10 有能な妻を見いだすのは誰か/彼女は真珠よりもはるかに価値がある。
31:11 夫は心から彼女を信頼し/儲けに不足することはない。
31:12 彼女は生涯にわたって/夫に幸いをもたらし、災いをもたらすことはない。
31:13 羊毛と亜麻を求め/手ずから喜んで仕立て上げる。
31:14 商人の船のように/遠くから食物を運んで来る.
31:15 彼女は夜明け前に起き出して一家の食事を整え/働く若い女たちに指図を与える。
31:16 よく思い巡らしたうえで畑を購入し/手ずから得たもうけの果実でぶどう畑を設ける。
31:17 力強く腰に帯をし/腕に力を入れる。
31:18 取り引きが好調であることを確かめ/灯は夜も消えることがない。
31:19 彼女は手をはずみ車に伸べ/手のひらは紡ぎ棒を操る。
31:20 彼女は苦しむ人に手を開き/貧しい人に手を差し伸べる。
31:21 雪の日も一家に恐れはない/家族は皆、衣を重ねているからだ。
31:22 彼女は自分のために上掛けを織り/上質の亜麻布と紫の衣を着る。
31:23 夫はよく知られた人で/城門で土地の長老と座に着いている。
31:24 彼女は上質の亜麻布を織って売り/帯を商人に渡す。
31:25 力と輝きが彼女の衣服。/彼女は前途に憂いなくほほ笑む。
31:26 口を開いて知恵を語り/慈しみの教えをその舌に乗せる。
31:27 一家の歩みによく目を配り/怠惰の食物を貪ることはない。
31:28 子らは立ち上がって彼女を祝し/夫も彼女をたたえて言う。
31:29 「有能な働きをなす女は多いが/あなたはそのすべてにまさっている。」
31:30 あでやかさは偽り、美しさは空しい。/主を畏れる彼女こそ、誇ることができる。
31:31 彼女の手の実りを彼女に与え/その働きを城門でたたえよ。
箴言 31章10節~31節

原稿のアイコンメッセージ

 今年の3月5日から『箴言』を学び始めましたが、今朝はその最後の学びとなります。私たちはおよそ10ヶ月に渡って、知恵の言葉である『箴言』を学んできたのです。

 今朝は、第31章10節から31節より、御言葉の恵みにあずかりたいと願います。小見出しの下に、括弧書きで、「アルファベットによる詩」とあるように、今朝の御言葉は一つのまとまりをなしています。ヘブライ語のアルファベットは22文字ありますが、節の最初の文字がアルファベット順に記されているのです。

 10節から12節までを読みます。

 有能な妻を見いだすのは誰か/彼女は真珠よりもはるかに価値がある。夫は心から彼女を信頼し/儲けに不足することはない。彼女は生涯にわたって/夫に幸いをもたらし、災いをもたらすことはない。

 このような御言葉を読みますと、この文書を書いた知恵の教師は男性で、読む人も男性であったことに改めて気づきます。『箴言』が記された時代は、男性中心の家父長制社会であったのです。そのような時代的制約があることを踏まえて、読み進めていきたいと思います。

 古代の社会において、結婚することは当然のように考えられていました。ですから、問題は結婚するかしないかではなく、どのような人と結婚するかでした。妻は人生を共にするパートナーですから、慎重に選ばなければなりません。それで知恵の教師は、「有能な妻を見つけるように」と勧めます。真珠よりもはるかに価値がある有能な妻とは、どのような妻であるのか。有能な妻とは心から信頼できる妻です。また、有能な妻はやりくり上手で家計を潤します。有能な妻は生涯にわたって、夫に幸いをもたらし、災いをもたらすことはないのです。私は男ですが、女性でしたら、「妻」を「夫」に、「夫」を「妻」に、「彼女」を「彼」に読み替えたらよいと思います。「有能な夫を見いだすのは誰か/彼は真珠よりもはるかに価値がある。妻は心から彼を信頼し/儲けに不足することはない。彼は生涯にわたって/妻に幸いをもたらし、災いをもたらすことはない」。このような有能な伴侶は、主からいただくものであります(箴言19:14「家と財産は先祖から受け継ぐもの/悟りある妻は主からいただくもの」参照)。ですから、自分が結婚に召されていると思う未婚の人は、有能な伴侶が与えられるように祈っていただきたいと思います。

 13節から27節までを読みます。

 羊毛と亜麻を求め/手ずから喜んで仕立て上げる。商人の船のように/遠くから食物を運んで来る。彼女は夜明け前に起き出して一家の食事を整え/働く若い女たちに指図を与える。よく思い巡らしたうえで畑を購入し/手ずから得たもうけの果実でぶどう畑を設ける。力強く腰に帯をし/腕に力を入れる。取り引きが好調であることを確かめ/灯は夜も消えることがない。彼女は手をはずみ車に伸べ/手のひらは紡ぎ棒を操る。彼女は苦しむ人に手を開き/貧しい人に手を差し伸べる。雪の日も一家に恐れはない/家族は皆、衣を重ねているからだ。彼女は自分のために上掛けを織り/上質の亜麻布と紫の衣を着る。夫はよく知られた人で/城門で土地の長老と座に着いている。彼女は上質の亜麻布を織って売り/帯を商人に渡す。力と輝きが彼女の衣服。彼女は前途に憂いなくほほ笑む。口を開いて知恵を語り/慈しみの教えをその舌に乗せる。一家の歩みによく目を配り/怠惰の食物を貪ることはない。

 ここには有能な妻の具体的な働きが記されています。有能な妻は、羊毛と亜麻で織物を仕立てます。それを遠くの地で食べ物と交換してくるのです。彼女は夜明け前に起き出して、一家の食事を整えます。「働く若い女たちに指図を与える」とありますから、貧しい家庭ではないようです。夫から信頼されている彼女は、よく思い巡らして畑を購入し、織物を売ったお金でぶどう畑を設けます。彼女は夫からあずかったお金で家計をやりくりするだけではなく、手ずから儲けを生み出すのです。彼女は働き者で、夜遅くまで布を織ります。しかし、彼女は守銭奴ではありません。彼女は苦しむ人に手を開き、貧しい人に手を差し伸べるのです。彼女は、家族の衣服にも気を遣います。また、自分のためにも上掛けを織り、上質の亜麻布と紫の衣を着るのです。そのような妻の夫はよく知られた人で、城門で土地の長老と座についています。これはおそらく有能な妻のおかげなのでしょう。いわゆる「内助の功」です。彼女は上質の亜麻布を織って売り、帯を商人に渡します。彼女は自らの働きによって収入を得ているのです。彼女は力と輝きをまとい、前途に憂いなくほほえみます。ここまで来ると、頼もしく思えます。彼女は子どもたちを、知恵と慈しみの教えで育てます。彼女は一家の歩みによく目を配り、誰よりもよく働くのです。現代は夫婦のあり方は多様ですので、ここに記されていることは時代遅れであると思うかも知れません。それでも、それぞれ自分の伴侶に当てはまるところがあるのではないかと思います。

 28節から31節までを読みます。

 子らは立ち上がって彼女を祝福し/夫も彼女をたたえて言う。「有能な働きをなす女は多いが/あなたはそのすべてにまさっている。」あでやかさは偽り、美しさは空しい。主を畏れる彼女こそ、誇ることができる。彼女の手の実りを彼女に与え/その働きを城門でたたえよ。

 有能な妻は、子どもたちから感謝され、祝福されます。「お母さん、いつもありがとう。神様がお母さんを祝福してくださるように」と言うのです。また、夫も彼女をたたえてこう言います。「有能な働きをなす女は多いが、あなたはそのすべてにまさっている」。これは妻をたたえる言葉ですが、そのような妻を与えてくださった主への感謝の言葉でもあります。知恵の教師は、「あでやかさは偽り、美しさは空しい。主を畏れる彼女こそ、誇ることができる」と言います。これは、これから妻を迎える若い男性への助言です。「外見の美しさで妻を選んではいけない。それよりも主を畏れる女性を妻にしなさい」と言うのです。「主を畏れることは知恵の初め」とあるように、主を畏れる妻は知恵ある妻であるのです(新共同訳 箴1:7参照)。知恵の教師は、「彼女の手の実りを彼女に与え/その働きを城門でたたえよ」と言います。家父長制社会において、妻は私有財産を持つことができず、すべては夫の財産になったと言われます。しかし、知恵の教師は、彼女の手の実りを彼女に与えよと言うのです。そして、長老たちが座に着いている城門で、有能な妻の働きをたたえよと言うのです。人の目につかない妻の働きを正しく評価するようにと知恵の教師は言うのです。

 今朝の御言葉は、結婚に召されている未婚の人に、どのような人を人生の伴侶にすべきかを教えています。それは「主を畏れる人」、「主イエス・キリストを信じる人」であるのです(一コリント7:39「妻は、夫が生きている間は結ばれていますが、夫が死ねば、望む人と再婚してもかまいません。ただし、相手は主にある人に限ります」参照)。

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