知恵に『わが姉妹』と呼びかけよ 2025年5月28日(水曜 聖書と祈りの会)
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知恵に『わが姉妹』と呼びかけよ
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- 村田寿和 牧師
- 聖書
箴言 7章1節~27節
聖書の言葉
7:1 子よ、私の言葉を守り/私の戒めをあなたの心に納めよ。
7:2 私の戒めを守って生きよ。/私の教えを目の瞳のように守れ。
7:3 それをあなたの指に結び/心の板に記しておけ。
7:4 知恵に「わが姉妹」と言い/分別に「わが親族」と呼びかけよ。
7:5 それはあなたをよその女から/滑らかに話す異国の女から守る。
7:6 私は家の窓から/格子の外を眺めていた。
7:7 私が見たのは思慮なき者。/その中に、浅はかな若者を認めた。
7:8 彼は街角まで通りを過ぎ/女の家へと道を歩む
7:9 日の暮れるたそがれの中を/闇の夜を。
7:10 見よ、女が彼に呼びかける。/遊女の装いをし、本心を隠す者。
7:11 騒々しく、わがままで/自分の家に足を留めていることがない。
7:12 路地へ行き、広場へ行き/あちらこちらの街角で待ち伏せをする。
7:13 彼女は若者を捕まえて口づけし/厚かましくも、こう言った。
7:14 「私には献げるべき会食のいけにえがあり/今日、誓いを果たしました。
7:15 それで、お声がけに来たのです。/あなたのお顔を探し求めて、やっと会えました。
7:16 長椅子を上掛けで覆いました/エジプトの亜麻布で織った上掛けで。
7:17 寝台には没薬の香りをまきました/沈香やシナモンも。
7:18 さあ、朝まで悦楽に浸り/愛を楽しみましょう。
7:19 夫は家にいません/遠い道のりを旅しています。
7:20 手に銀の袋を持って。/家に帰るのは満月の日です」と。
7:21 彼女は多くの言葉で彼を説き伏せ/唇は滑らかに彼を誘う。
7:22 彼はたちまち女の後に従った/屠り場に行く雄牛のように/罠に急ぐ鹿のように。
7:23 やがて、矢が彼の肝臓を貫く。/それは、まるで小鳥が罠に急ぐかのよう。/だが彼は自分の魂が網にかかったことを知らない。
7:24 子らよ、今、聞け/私の口の言葉に思いを向けよ。
7:25 あなたの心を彼女の道へとそらさず/彼女の道に迷い込むな。
7:26 彼女は多くの人を傷つけ倒し/殺された者は数知れない。
7:27 彼女の家は陰府への道/死の部屋へと下る。
箴言 7章1節~27節
メッセージ
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「聖書と祈りの会」では、「イスラエルの王、ダビデの子ソロモンの箴言」を学んでいます。今朝は、第7章1節から27節より、御言葉の恵みにあずかりたいと願います。
1節から5節までをお読みします。
子よ、私の言葉を守り/私の戒めをあなたの心に納めよ。私の戒めを守って生きよ。私の教えを目の瞳のように守れ。それをあなたの指に結び/心の板に記しておけ。知恵に「わが姉妹」と言い/分別に「わが親族」と呼びかけよ。それはあなたをよその女から/滑らかに話す異国の女から守る。
知恵の教師であるソロモンは、生徒である私たちに「子よ」と呼びかけます。そして、「私の言葉を守り、私の戒めをあなたの心に納めよ。私の戒めを守って生きよ。私の教えを目の瞳のように守れ」と言うのです。「私の言葉」「私の戒め」「私の教え」は、いずれも、ソロモンが父と母から受け継いだ「知恵の言葉」です。ソロモンは、私たちにただ漠然と生きるのではなく、知恵の言葉を心に納めて、守って生きよと言うのです。知恵の言葉は、目の瞳のように大切なものであるのです。それゆえソロモンは、知恵の言葉を指に結び、心の板に記しておけと言うのです。私たちにとって、知恵の言葉である『箴言』は、いつも手元に置いて繰り返し読み、暗唱すべき書物であるのです。
4節に、「知恵に『わが姉妹』と言い/分別に『わが親族』と呼びかけよ」とあります。「姉妹」とは「花嫁」のことです(雅歌4:9「私の妹、花嫁よ/あなたは私の心をときめかせる」参照)。ソロモンは、「知恵をあなたの花嫁とするように、また、分別をあなたの親族にするように」と言います。そうすれば、知恵と分別が、あなたをよその女から、滑らかに話す異国の女から守ってくれると言うのです。
6節から23節までをお読みします。
私は家の窓から/格子の外を眺めていた。私が見たのは思慮なき者。その中に、浅はかな若者を認めた。彼は街角まで通り過ぎ/女の家へと道を歩む/日の暮れるたそがれの中を/闇の夜を。
見よ、女が彼に呼びかける。遊女の装いをし、本心を隠す者。騒々しく、わがままで/自分の家に足を留めていることがない。路地へ行き、広場へ行き/あちらこちらの街角で待ち伏せをする。彼女は若者を捕まえて口づけし/厚かましくも、こう言った。「私には献げるべき会食のいけにえがあり/今日、誓いを果たしました。それで、お声がけに来たのです。あなたのお顔を探し求めて、やっと会えました。長椅子を上掛けで覆いました/エジプトの亜麻布で織った上掛けで。寝台には没薬の香りをまきました/沈香やシナモンも。さあ、朝まで悦楽に浸り/愛を楽しみましょう。夫は家にいません/遠い道のりを旅しています。手に銀の袋を持って。家に帰るのは満月の日です」と。
彼女は多くの言葉で彼を説き伏せ/唇は滑らかに彼を誘う。彼はたちまち女の後に従った。屠り場に行く雄牛のように/罠に急ぐ鹿のように。やがて、矢が彼の肝臓を貫く。それは、まるで小鳥が罠に急ぐかのよう。だが彼は自分の魂が網にかかったことを知らない。
ここには、よその女に誘(さそ)われる若者の姿が記されています。この若者は、知恵を自分の花嫁とせず、分別を自分の親族としていない、浅はかな若者です。浅はかな若者は、日が暮れるたそがれの中を、女の家へと向かって歩みます。ソロモンは、第5章8節で「あなたの道を彼女から遠ざけ/その家の門に近寄るな」と言ました。しかし、浅はかな若者は、自ら進んで、よその女との出会いを求めるのです。
すると、案の定、女が彼に呼びかけます。この女は遊女の装いをしていますが、夫のある身です。19節で女が言っているように、夫は家におらず、遠い道のりを旅しているのです。女は夫が旅をして家を留守にしている間、町に出て、他の男と関係を持っていたのです。彼女は若者を捕まえて口づけし、厚かましくもこう言います。「私には献げるべき会食のいけにえがあり/今日、誓いを果たしました。それで、お声がけに来たのです。あなたのお顔を探し求めて、やっと会えました」。「会食のいけにえ」については、家畜の肉の一部を主に献げて、残りの部分をその日のうちに食べることが命じられていました(レビ7:15「感謝のいけにえ、すなわち会食のいけにえの肉は献げたその日のうちに食べ、翌朝まで残してはならない」参照)。その会食のいけにえを一緒に食べようと女は若者に声をかけるのです。彼女は厚かましくも、主の祭儀をだしにして、若者を自分の家に招き入れるのです。もちろん、女の目的は別のことにあります。18節に「さあ、朝まで悦楽に浸り、愛を楽しみましょう」とあるように、女の目的は肉体関係を持つことであるのです。
女は多くの言葉で若者を説き伏せ、彼女の唇は滑らかに彼を誘います。すると、若者はたちまち女の後に従いました。若者にすれば、願ったりかなったりであったかも知れません。この若者は、自分から夕暮れ時に町をぶらついていたのですから。しかし、ソロモンは、その姿を「屠り場に行く雄牛」「罠に急ぐ鹿」「罠に飛び込む小鳥」に例えます。そして、「若者は、自分の魂が網にかかったことを知らない」と言うのです。前回、私たちは第6章で、姦淫の罪を犯す者は、自分の身に破滅をもたらすことを学びました。この若者は、そのような破滅の罠にかかったことを知らないのです。
24節から27節までをお読みします。
子らよ、今、聞け/私の口の言葉に思いを向けよ。あなたの心を彼女の道へとそらさず/彼女の道に迷い込むな。彼女は多くの人を傷つけ倒し/殺された者は数知れない。彼女の家は陰府への道/死の部屋へと下る。
ソロモンは、よその女に誘われる若者について語った後で、「私の口の言葉に思いを向けよ」と言います。私の口の言葉に思いを向けて、知恵を自分の花嫁とし、分別を自分の親族として歩めと言うのです。そのとき、私たちは、よその女(伴侶のある異性)の家が死の部屋へと至る陰府の道であることが分かるのです。
これまで、「よその女」を文字通り「他人の妻」として、お話ししてきました。今朝は最後に、よその女が、異国の教え、異教の教えの象徴であるという解釈を紹介したいと思います。若者を多くの言葉で説き伏せ、滑らかな唇で誘う女は。異国の教え、異教の教えの象徴であるとも言えるのです。異国の教え、異教の教えは、若者を陰府の道に導きます。そのような異国の教え、異教の教えに迷い込むことがないようにするためには、どうしたらよいのか。それは、主を畏れる知恵を花嫁とすること、聖なる方を知る分別を親族とすることであるのです(9:10「主を畏れることは知恵の初め/聖なる方を知ることが分別」参照)。