あなたの水溜めから水を飲め 2025年5月07日(水曜 聖書と祈りの会)
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あなたの水溜めから水を飲め
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- 村田寿和 牧師
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箴言 5章1節~23節
聖書の言葉
5:1 子よ、私の知恵に思いを向け/私の英知に耳を傾けよ
5:2 それは慎みを守り/あなたの唇に知識を保つため。
5:3 よその女の唇は蜜を滴らせ/その口は油よりも滑らか。
5:4 だが、ついには苦よもぎのように苦く/両刃の剣のように鋭くなる。
5:5 彼女の足は死へと下り/その歩みは陰府に達する。
5:6 命への道筋に気を配らず/道をさまようが、それにも気付かない。
5:7 子らよ、今こそ、私に聞け。/私の口の言葉から離れるな。
5:8 あなたの道を彼女から遠ざけ/その家の門に近寄るな。
5:9 あなたの誉れを他人に/歳月を残忍な者に渡してしまわないために。
5:10 よその者があなたの富と/あなたが労苦して得たものによって/異国人の家を満たさないために。
5:11 後に、肉も骨も朽ちるとき/あなたは呻き
5:12 こう言うであろう。/「どうして、私の心は諭しを憎み/懲らしめを軽んじたのだろう。
5:13 導く人の声を聞かず/教える人に耳を傾けなかったのか。
5:14 集会の中で、会衆の中で/私は追い詰められていた。」
5:15 あなたの水溜めから水を飲め/あなたの井戸に湧く水を。
5:16 あなたの泉の水が路地に/水の流れが広場に溢れ出てよいものか。
5:17 その水を自分だけのものとし/あなたのもとにいるよその者に渡してはならない。
5:18 あなたの泉は祝福されよ。/あなたの若い時の妻から喜びを得よ。
5:19 愛に溢れる雌鹿、恵みに満ちた野山羊。/あなたはその乳房にいつの時も満ち足り/絶えず彼女の愛に酔いしれよ。
5:20 子よ、なぜ、よその女に酔いしれるのか/異国の女の胸を抱くのか。
5:21 人の道は主の目の正面にある。/主はその道のりのすべてに気を配っておられる。
5:22 悪しき者は自らの過ちの罠にかかり/その罪の綱につながれる。
5:23 諭しがないため死に至るが/底知れぬ愚かさに酔いしれている。
箴言 5章1節~23節
メッセージ
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「聖書と祈りの会」では、「イスラエルの王、ダビデの子ソロモンの箴言」を学んでいます(1:1)。今朝は第5章1節から23節より、御言葉の恵みにあずかりたいと願います。
1節から6節までをお読みします。
子よ、私の知恵に思いを向け/私の英知に耳を傾けよ/それは慎みを守り/あなたの唇に知識を保つため。よその女の唇は蜜を滴らせ/その口は油よりも滑らか。だが、ついには苦よもぎのように苦く/両刃の剣のように鋭くなる。彼女の足は死へと下り/その歩みは陰府に達する。命への道筋に気を配らず/道をさまようが、それにも気付かない。
知恵の教師であるソロモンは、自分を父親にたとえ、生徒である私たちに「子よ」と呼びかけます。「子よ、私の知恵に思いを向け、私の英知に耳を傾けよ。そうすれば、あなたは慎みを守り、あなたは唇に知識を保つことができる」と言うのです。
3節に「よその女」が出てきます。「よその女」とは「自分の伴侶ではない異性」のことです。ソロモンは、自分の伴侶ではない女と関係を持つことを戒めているのです(2:16~19参照)。よその女は言葉たくみに誘惑してきます。しかし、その結果は苦しみと悲しみであり、命すら危険になるのです。よその女と関係を持つならば、あなたの歩みは死に至ることになるのです。
7節から14節までをお読みします。
子らよ、今こそ、私に聞け。私の口の言葉から離れるな。あなたの道を彼女から遠ざけ/その家の門に近寄るな。あなたの誉れを他人に/歳月を残忍な者に渡してしまわないために。よその者があなたの富と/あなたが労苦して得たものによって/異国人の家を満たさないために。後に、肉も骨も朽ちるとき/あなたは呻き/こう言うであろう。「どうして、私の心は諭しを憎み/懲らしめを軽んじたのだろう。導く人の声を聞かず/教える人に耳を傾けなかったのか。集会の中で、会衆の中で/私は追い詰められていた。」
よその女と関係を持って死に至ることがないように、「子らよ、今こそ、私に聞け。私の口の言葉から離れるな」とソロモンは呼びかけます。ソロモンが先ず命じることは、遠ざかること、近寄らないことです。私たちには、性欲がありますので、その性欲を刺激するものから遠ざかること、近寄らないようにすべきであるのです。9節から14節を読むと、「よその女」は、遊女というよりも、他人の妻であるようです。他人の妻と関係を持つならば、名誉と時間と富を失うことになります。9節の「他人」と「残忍な者」とは、自分の妻を寝取られた夫のことです。この当たりのことは、第6章27節から35節に詳しく記されています。旧約の981ページです。
人が火を懐に抱え込み/衣を焼かれないことがあろうか。炭火の上を歩いて/足にやけどをしないことがあろうか。友の妻と通じる者も同様。彼女に触れる者は誰も罰を免れることはない。飢えを満たそうと盗みを働く者を/人々は侮りはしないだろう。だが見つかれば、七倍の償い/一族の財産すべてを充てることになる。女と姦淫する者は浅はか/身の破滅をもたらす。彼は傷と恥を受け/その屈辱は拭われることはない。憤った男は嫉妬に駆られ/復讐するときは容赦しない。その男はいかなる償いも受け入れず/どれほど多くの贈り物にも応じない。
このように、他人の妻と関係を持つ者は、自分の身に破滅をもたらすことになるのです。
今朝の御言葉に戻ります。旧約の979ページです。
11節と12節には、諭しを憎み、懲らしめを軽んじたことの後悔の言葉が記されています。14節に、「集会の中で、会衆の中で/私は追い詰められていた」とあるように、ここでは、町や村での裁判のことが言われているようです。以前に用いていた新共同訳は、14節を次のように訳していました。「会衆の中でも、共同体の中でも/わたしは最悪の者になりそうだ」。最悪の者にならないために、私たちは、よその女(自分の伴侶ではない異性)から遠ざかり、よその女と関係を持ってはならないのです。
15節から20節までをお読みします。
あなたの水溜めから水を飲め/あなたの井戸に湧く水を。あなたの泉の水が路地に/水の流れが広場に溢れ出てよいものか。その水を自分だけのものとし/あなたのもとにいるよそ者に渡してはならない。あなたの泉は祝福されよ。あなたの若い時の妻から喜びを得よ。愛に溢れる雌鹿、恵みに満ちた野山羊。あなたはその乳房にいつの時も満ち足り/絶えず彼女の愛に酔いしれよ。子よ、なぜ、よその女に酔いしれるのか/異国の女を胸に抱くのか。
ここでの「水溜め」「井戸」「泉」「雌鹿」「野山羊」は、いずれも「あなたの若い時の妻」を指しています。このような記述は、ソロモンが書いたとされる『雅歌』を思い起こさせます。ソロモンは、よその女ではなく、自分の妻と性の営みを楽しむようにと言うのです。なぜなら、男女の性の営みは、「二人は一体となる」と言われる結婚関係において行われることが神様の御心であるからです(創世2:24)。それゆえ、ソロモンは、「あなたの水溜めから水を飲め」「自分の妻の愛に酔いしれよ」と言うのです。
16節に、「あなたの泉の水が路地に/水の流れが広場にあふれ出てよいものか」とあります。これは、続く17節との繋がりから解釈すると、「自分の妻と性の営みを持つことによって、浮気することがないようにせよ」という意味であると思います。性欲は男だけではなく女にもあるからです。このことをはっきりと語ったのが、使徒パウロであります。パウロは、『コリントの信徒への手紙一』の第7章で結婚について教えています。その2節から4節でパウロは、こう記しています。新約の301ページです。
しかし、淫らな行いを避けるために、男はそれぞれ自分の妻を持ち、女もそれぞれ自分の夫を持ちなさい。夫は妻に対して、同様に妻も夫に対してその義務を果たしなさい。妻は自分の体を意のままにする権利を持たず、夫がそれをもっています。同様に、夫も自分の体を意のままにする権利を持たず、妻がそれを持っています。
このように、自分の伴侶との性の営みを楽しむのは、夫の権利だけではなく、妻の権利でもあるのです。
今朝の御言葉に戻ります。旧約の980ページです。
21節から23節までをお読みします。
人の道は主の目の前にある。主はその道のりのすべてに気を配っておられる。悪しき者は自らの過ちの罠にかかり/その罪の綱につながれる。諭しがないために死に至るが/底知れぬ愚かさに酔いしれている。
ここでソロモンは、人に知られることなく姦淫の罪を犯したとしても、主は見ておられると言います。「人の道は主の目の前にある。主はその道のりのすべてに気を配っておられる」。それゆえ、悪しき者が罰を免れることはないのです。『ヘブライ人への手紙』の第13章4節にはこう記されています。「結婚はすべての人に尊ばれるべきであり、寝床を汚してはなりません。神は、淫らな者や姦淫する者を裁かれるのです」。「主は見ておられない」と考える者は愚かな者であり、死に至る者であるのです。