問27.キリストのへり下りは、どの点にありまし…

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Q.27

問い
キリストのへり下りは、どの点にありましたか。
答え
キリストのへり下りは、次の点にありました。キリストが生まれられたこと、それも低い状態であられたこと、律法のもとに置かれたこと、この世の悲惨と神の怒りと十字架ののろいの死とを忍ばれたこと、葬られたこと、しばらく死の力のもとに留まられたことです。

解説

 小教理は、問23で「キリストは、私たちのあがない主として、預言者、祭司、王の職務を、へりくだりと高挙とのどちらの状態においても果たされます」と告白しました。

 問27では、キリストのへりくだり、低い状態について告白しています。「キリストのへりくだりは、次の点にありました。キリストが生まれられたこと、それも低い状態であられたこと、律法のもとに置かれたこと、この世の悲惨と神の怒りと十字架の呪いの死とを忍ばれたこと、葬られたこと、しばらく死の力のもとに留まられたことです」。

 キリストのへりくだり、低い状態については、キリストが神の永遠の御子であられることを考えると、よく分かります。キリストは神の永遠の御子でありつつ、人となられたお方であります(問21参照)。そのキリストの神の永遠の御子としての御人格と神としての性質に思いを向けるとき、キリストのへりくだり、低い状態がよく分かるのです。

 神の永遠の御子であるキリストは、天地万物をお造りになられた創造主でありながら、被造物である人となってくださいました。ここにキリストのへりくだりがあります。それもキリストは、貧しいヨセフとマリアの息子として、家畜小屋で生まれ、飼い葉桶に寝かされたのです。キリストは人としても低い状態で生まれてくださいました。

 また、神の永遠の御子であるキリストは、律法の授与者、裁き主でありながら、律法のもとに置かれました。神の永遠の御子であるキリストは律法のうえにおられるお方でありながら、人として生まれることにより、律法の下に置かれたのです。そして、律法に従って地上の生涯を歩まれたのです。

 また、神の永遠の御子であるキリストは、聖霊によっておとめマリアから罪のないお方としてお生まれになったにもかかわらず、この世の悲惨と神の怒りと十字架の呪いの死とを忍ばれました。この世の悲惨と神の怒りと十字架の呪いの死は、罪人が受けるべきものでありますが、キリストは罪の無いお方、罪を犯したことがないお方でありながら、私たちのためにこれらを忍ばれたのです。

 また、神の永遠の御子であるキリストは、御自分の内に永遠の命をもっておられるにもかかわらず、人として死んで葬られ、しばらく死の力のもとに留まられました。キリストがしばらく死の力のもとに留まられたこと、それはキリストが確かに死なれたことを示しているのです。私たちはここにキリストのへりくだりの極致を見ることができるのです。

キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。フィリピの信徒への手紙 2章6節~8節 
村田寿和 牧師