問23.キリストは、私たちのあがない主として、…

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Q.23

問い
キリストは、私たちのあがない主として、どういう職務を果たされますか。
答え
キリストは、私たちのあがない主として、預言者、祭司、王の職務を、へり下りと高挙とのどちらの状態においても果たされます。

解説

 問23は、キリストの職務(お働き)についての総論的な告白です。預言者職については問24で、祭司職については問25で、王職については問26で、へりくだりについては問27で、高挙については問28で詳しく告白されます。そのことを踏まえて、ここでは簡単に解説します。 

 問23は、キリストの職務として、預言者、祭司、王の三職をあげています。そもそも「キリスト」とはヘブライ語のメシアのギリシャ語訳で「油を注がれた者」という意味です。その昔、イスラエルでは、預言者、祭司、王が神様によって立てられるとき、その人の頭に油を注ぐという儀式を行いました(列王上19:16、出エジプト28:41、サムエル上10:1参照)。これによって、その人に神の霊、聖霊が注がれたことを、見える仕方で表したのです。

 預言者、祭司、王は、神様によって立てられた特別な働きをする人です。預言者は神様の言葉をイスラエルの民に語る人です。祭司はイスラエルの民が神様を礼拝するためにいけにえを献げ祈る人です。王は神様の律法に従ってイスラエルの民を治める人です。預言者、祭司、王は、原則として兼任は禁じられていました。しかし、イエス・キリストは、預言者、祭司、王の職務をお一人で果たされる究極的なメシア、油注がれた方であるのです。

 キリストは、預言者、祭司、王の三職を、へりくだりと高挙の二つの状態で果たされます(このことをキリストの三職二状態と言います)。「へりくだり」とは低い状態のことで、キリストの誕生から十字架に死んで葬られるまでの状態を指します。また高挙とは高い状態のことで、復活して、天へとあげられ、父なる神の右に座している状態を、さらには栄光の主として再び来られ、すべての人を裁かれることを指します。低い状態において預言者、祭司、王の職務を果たされたイエス・キリストは、高い状態においても預言者、祭司、王の職務を果たしておられるのです。また、果たされるのです。

 イエス・キリストは今も、私たちの贖(あがな)い主として預言者、祭司、王の職務を果たしてくださっているのです。

民衆が皆洗礼を受け、イエスも洗礼を受けて祈っておられると、天が開け、聖霊が鳩のように見える姿でイエスの上に降って来た。すると、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が天から聞こえた。ルカによる福音書 3章21節~22節
村田寿和 牧師