Q.19 問い 人が堕落した状態の悲惨とは、何ですか。 答え 全人類は、堕落によって神との交わりを失いました。今は神の怒りとのろいの下にあり、そのため、この世でのあらゆる悲惨と死そのものと永遠の地獄の刑罰との責めを負わされています。
解説 問19 人が堕落した状態の悲惨とは何ですか。 答 全人類は、堕落によって神との交わりを失い(1)、今は神の怒りと呪いの下(もと)にあり(2)、そのため、この世でのあらゆる悲惨と、死そのものと、永遠の地獄の罰を免(まぬか)れないものとされています(3)。 Q.19. What is the misery of that estate whereinto man fell? A.All mankind by their fall lost communion with God, are under his wrath and curse, and so made liable to all miseries in this life, to death itself, and to the pains of hell for ever. (1)創世3:8 その日、風の吹く頃、彼らは、神である主が園の中を歩き回る音を聞いた。そこで人とその妻は、神である主の顔を避け、園の木の間に身を隠した。 創世3:10 彼は答えた。「私はあなたの足音を園で耳にしました。私は裸なので、怖くなり、身を隠したのです。」 創世3:24 神は人を追放し、命の木に至る道を守るため、エデンの園の東にケルビムときらめく剣の炎を置かれた。 (2)エフェソ2:2-3 かつては罪の中で、この世の神ならぬ神に従って歩んでいました。空中に勢力を持つ者、すなわち、不従順な子らに今も働く霊に従って歩んでいたのです。私たちも皆、以前はこういう者たちの中にいて、肉の欲のままに生き、肉とその思いとの欲することを行い、ほかの人々と同じように、生まれながらに神の怒りを受けるべき子でした。 ガラテヤ3:10 律法の行いによる人々は皆、呪いの下にあります。「律法の書に書いてあるすべてのことを守らず、これを行わない者は皆、呪われる」と書いてあるからです。 (3)哀3:39 生きている人間がどうして不平を言えるのか。/自分が罪を犯したのだから。 ローマ6:23 罪の支払う報酬は死です。しかし、神の賜物は、私たちの主キリスト・イエスにある永遠の命なのです。 マタイ25:41 それから、王は左側にいる人たちにも言う。『呪われた者ども、私から離れ去り、悪魔とその使いたちに用意してある永遠の火に入れ。 マタイ25:46 こうして、この人たちは永遠の懲らしめを受け、正しい人たちは永遠の命に入るであろう。」 【解説】 ①小教理は、問17で「堕落は人類を罪と悲惨の状態に至らせました」と告白しました。問19では人が堕落した状態の悲惨について告白しています。「全人類は、堕落によって神との交わりを失い、今は神の怒りと呪いの下にあり、そのため、この世でのあらゆる悲惨と、死そのものと、永遠の地獄の罰を免れないものとされています」。 ②堕落した人類の最も大きな悲惨は何でしょうか。それは神様との交わりを失ったことです。問10で告白したように「神は人間を、知識と義と聖において御自身のかたちにしたがい、・・・創造されました」。神様は人間を御自分との交わりに生きるものとして創造されたのです。神様は創造された状態の人に特別な摂理の行為を取られましたが、そこにおいても、神の御意志は、アダムが御言葉に従って命を得ることであったのです(問12参照)。しかし、アダムは自分の自由な意志によって神の掟に背いて、禁じられていた木の実を食べてしまいました。その結果、アダムと女は神様を恐れて、身を隠したのです。また、神様は、アダムとエバをエデンの園から追放されたのです。この失楽園の出来事は、堕落した人類が神様との交わりを失ったことを象徴的に教えているのです。 ③アダムにあって罪を犯し、彼と共に堕落した人類は、神の怒りと呪いの下にあります。堕落する前、人は神の祝福の下にありました。しかし、罪を犯したことによって、人は神の怒りと呪いの下におかれてしまったのです。その神の怒りと呪いの具体的な現れが、「この世でのあらゆる悲惨と死そのもの」であるのです。神様はアダムと命の契約を結ぶにあたって、「善悪の知識の木からは、取って食べてはいけない。取って食べると必ず死ぬことになる」と言われました(禁止命令とそれに背いたときの刑罰)。それゆえ、アダムにおいて罪を犯し、彼と共に堕落した人類は、この世であらゆる悲惨と死そのものと永遠の地獄の刑罰とを受ける法的責任を負っているのです。 ④そもそも地獄は、神の敵である悪魔とその手下が永遠の罰を受けるために用意されたところです(マタイ25:41、46参照)。アダムにおいて罪を犯し、彼と共に堕落した人類は、悪魔に属する者となってしまいました(一ヨハネ3:8参照)。それゆえ、アダムにあって罪を犯し、彼と共に堕落した人類は「永遠の地獄の刑罰」の責めを負わされているのです。そのような永遠の地獄の刑罰を受けることがないように、神様は、堕落した直後のアダムと女に、蛇(悪魔)の頭を打ち砕く女の子孫の誕生を約束してくださったのです(創世3:15「お前と女、お前の子孫と女の子孫との間に/私は敵意を置く。彼はお前の頭を砕き、お前は彼のかかとを砕く」参照)。 【参考】 ①ウェストミンスター大教理問答 問27 堕落は人類にどのような悲惨をもたらしますか。 答 堕落は人類に、神との交わりの喪失と(1)神の不興と呪いをもたらしました。そのためわたしたちは、生まれながらにして怒りの子(2)、サタンの奴隷であり(3)、この世においても、来たるべき世においても、あらゆる罰を受けて当然の者です(4)。 (1)創3:8、10、24、(2)エフェ2:2、3、(3)Ⅱテモ2:26、(4)創2:17、哀3:39、ロマ6:23、マタ25:41、46、ユダ7 問28 この世における罪の罰とは何ですか。 答 この世における罪の罰とは、内的には、知性が光を失うこと(1)、邪悪な思い(2)、全くの思い違い(3)、心のかたくなさ(4)、良心のおびえ(5)、恥ずべき情欲であり(6)、外的には、わたしたちのゆえに被造物に下されている神の呪いと(7)、わたしたちの体、名声、生活状態、人との関係、仕事においてわたしたちに降りかかるあらゆる害悪(8)、ならびに死そのものです(9)。 (1)エフェ4:18、(2)ロマ1:28、(3)Ⅱテサ2:11、(4)ロマ2:5、(5)イザ33:14、創4:13、マタ27:4、(6)ロマ1:26、(7)創3:17、(8)申28:15−68、(9)ロマ6:21、23 問29 来たるべき世における罪の罰とは何ですか。 答 来るべき世における罪の罰とは、神の慰めに満ちた臨在から永久に切り離されることと、地獄の火の中で、永遠に絶え間なく、霊魂と体に受ける最も過酷な責め苦です(1)。 (1)Ⅱテサ1:9、マコ9:44、46、48、ルカ16:24 ②ウェストミンスター信仰告白 第6章「人間の堕落と罪とそれの罰について」 [6]あらゆる罪が、原罪も現実の罪も共に、神の正しい律法への違反であり、それに反するものであるから(1)、じっさい、必然的に、罪人に罪責をもたらし(2)、それによって罪人は神の怒り(3)と律法の呪い(4)とに縛られ、そのようにして、霊的(5)、地上的(6)、永遠的な(7)あらゆる悲惨と共に、死に服せしめられるのである(8)。 (1)Ⅰヨハネ3:4、(2)ローマ2:15、ローマ3:9、19、(3)エフェソ2:3、(4)ガラテヤ3:10、(5)エフェソ4:18、(6)ローマ8:20、哀歌3:39、(7)マタイ25:41、Ⅱテサロニケ1:9、(8)ローマ6:23 神である主は、エデンの園から彼を追い出された。人がそこから取られた土を耕すためである。神は人を追放し、命の木に至る道を守るため、エデンの園の東にケルビムときらめく剣の炎を置かれた。創世記 3章23節~24節 2025年11月05日 村田寿和 牧師
問19 人が堕落した状態の悲惨とは何ですか。
答 全人類は、堕落によって神との交わりを失い(1)、今は神の怒りと呪いの下(もと)にあり(2)、そのため、この世でのあらゆる悲惨と、死そのものと、永遠の地獄の罰を免(まぬか)れないものとされています(3)。
Q.19. What is the misery of that estate whereinto man fell?
A.All mankind by their fall lost communion with God, are under his wrath and curse, and so made liable to all miseries in this life, to death itself, and to the pains of hell for ever.
(1)創世3:8 その日、風の吹く頃、彼らは、神である主が園の中を歩き回る音を聞いた。そこで人とその妻は、神である主の顔を避け、園の木の間に身を隠した。
創世3:10 彼は答えた。「私はあなたの足音を園で耳にしました。私は裸なので、怖くなり、身を隠したのです。」
創世3:24 神は人を追放し、命の木に至る道を守るため、エデンの園の東にケルビムときらめく剣の炎を置かれた。
(2)エフェソ2:2-3 かつては罪の中で、この世の神ならぬ神に従って歩んでいました。空中に勢力を持つ者、すなわち、不従順な子らに今も働く霊に従って歩んでいたのです。私たちも皆、以前はこういう者たちの中にいて、肉の欲のままに生き、肉とその思いとの欲することを行い、ほかの人々と同じように、生まれながらに神の怒りを受けるべき子でした。
ガラテヤ3:10 律法の行いによる人々は皆、呪いの下にあります。「律法の書に書いてあるすべてのことを守らず、これを行わない者は皆、呪われる」と書いてあるからです。
(3)哀3:39 生きている人間がどうして不平を言えるのか。/自分が罪を犯したのだから。
ローマ6:23 罪の支払う報酬は死です。しかし、神の賜物は、私たちの主キリスト・イエスにある永遠の命なのです。
マタイ25:41 それから、王は左側にいる人たちにも言う。『呪われた者ども、私から離れ去り、悪魔とその使いたちに用意してある永遠の火に入れ。
マタイ25:46 こうして、この人たちは永遠の懲らしめを受け、正しい人たちは永遠の命に入るであろう。」
【解説】
①小教理は、問17で「堕落は人類を罪と悲惨の状態に至らせました」と告白しました。問19では人が堕落した状態の悲惨について告白しています。「全人類は、堕落によって神との交わりを失い、今は神の怒りと呪いの下にあり、そのため、この世でのあらゆる悲惨と、死そのものと、永遠の地獄の罰を免れないものとされています」。
②堕落した人類の最も大きな悲惨は何でしょうか。それは神様との交わりを失ったことです。問10で告白したように「神は人間を、知識と義と聖において御自身のかたちにしたがい、・・・創造されました」。神様は人間を御自分との交わりに生きるものとして創造されたのです。神様は創造された状態の人に特別な摂理の行為を取られましたが、そこにおいても、神の御意志は、アダムが御言葉に従って命を得ることであったのです(問12参照)。しかし、アダムは自分の自由な意志によって神の掟に背いて、禁じられていた木の実を食べてしまいました。その結果、アダムと女は神様を恐れて、身を隠したのです。また、神様は、アダムとエバをエデンの園から追放されたのです。この失楽園の出来事は、堕落した人類が神様との交わりを失ったことを象徴的に教えているのです。
③アダムにあって罪を犯し、彼と共に堕落した人類は、神の怒りと呪いの下にあります。堕落する前、人は神の祝福の下にありました。しかし、罪を犯したことによって、人は神の怒りと呪いの下におかれてしまったのです。その神の怒りと呪いの具体的な現れが、「この世でのあらゆる悲惨と死そのもの」であるのです。神様はアダムと命の契約を結ぶにあたって、「善悪の知識の木からは、取って食べてはいけない。取って食べると必ず死ぬことになる」と言われました(禁止命令とそれに背いたときの刑罰)。それゆえ、アダムにおいて罪を犯し、彼と共に堕落した人類は、この世であらゆる悲惨と死そのものと永遠の地獄の刑罰とを受ける法的責任を負っているのです。
④そもそも地獄は、神の敵である悪魔とその手下が永遠の罰を受けるために用意されたところです(マタイ25:41、46参照)。アダムにおいて罪を犯し、彼と共に堕落した人類は、悪魔に属する者となってしまいました(一ヨハネ3:8参照)。それゆえ、アダムにあって罪を犯し、彼と共に堕落した人類は「永遠の地獄の刑罰」の責めを負わされているのです。そのような永遠の地獄の刑罰を受けることがないように、神様は、堕落した直後のアダムと女に、蛇(悪魔)の頭を打ち砕く女の子孫の誕生を約束してくださったのです(創世3:15「お前と女、お前の子孫と女の子孫との間に/私は敵意を置く。彼はお前の頭を砕き、お前は彼のかかとを砕く」参照)。
【参考】
①ウェストミンスター大教理問答
問27 堕落は人類にどのような悲惨をもたらしますか。
答 堕落は人類に、神との交わりの喪失と(1)神の不興と呪いをもたらしました。そのためわたしたちは、生まれながらにして怒りの子(2)、サタンの奴隷であり(3)、この世においても、来たるべき世においても、あらゆる罰を受けて当然の者です(4)。
(1)創3:8、10、24、(2)エフェ2:2、3、(3)Ⅱテモ2:26、(4)創2:17、哀3:39、ロマ6:23、マタ25:41、46、ユダ7
問28 この世における罪の罰とは何ですか。
答 この世における罪の罰とは、内的には、知性が光を失うこと(1)、邪悪な思い(2)、全くの思い違い(3)、心のかたくなさ(4)、良心のおびえ(5)、恥ずべき情欲であり(6)、外的には、わたしたちのゆえに被造物に下されている神の呪いと(7)、わたしたちの体、名声、生活状態、人との関係、仕事においてわたしたちに降りかかるあらゆる害悪(8)、ならびに死そのものです(9)。
(1)エフェ4:18、(2)ロマ1:28、(3)Ⅱテサ2:11、(4)ロマ2:5、(5)イザ33:14、創4:13、マタ27:4、(6)ロマ1:26、(7)創3:17、(8)申28:15−68、(9)ロマ6:21、23
問29 来たるべき世における罪の罰とは何ですか。
答 来るべき世における罪の罰とは、神の慰めに満ちた臨在から永久に切り離されることと、地獄の火の中で、永遠に絶え間なく、霊魂と体に受ける最も過酷な責め苦です(1)。
(1)Ⅱテサ1:9、マコ9:44、46、48、ルカ16:24
②ウェストミンスター信仰告白 第6章「人間の堕落と罪とそれの罰について」
[6]あらゆる罪が、原罪も現実の罪も共に、神の正しい律法への違反であり、それに反するものであるから(1)、じっさい、必然的に、罪人に罪責をもたらし(2)、それによって罪人は神の怒り(3)と律法の呪い(4)とに縛られ、そのようにして、霊的(5)、地上的(6)、永遠的な(7)あらゆる悲惨と共に、死に服せしめられるのである(8)。
(1)Ⅰヨハネ3:4、(2)ローマ2:15、ローマ3:9、19、(3)エフェソ2:3、(4)ガラテヤ3:10、(5)エフェソ4:18、(6)ローマ8:20、哀歌3:39、(7)マタイ25:41、Ⅱテサロニケ1:9、(8)ローマ6:23