問19.人が堕落した状態の悲惨とは、何ですか。

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Q.19

問い
人が堕落した状態の悲惨とは、何ですか。
答え
全人類は、堕落によって神との交わりを失いました。今は神の怒りとのろいの下にあり、そのため、この世でのあらゆる悲惨と死そのものと永遠の地獄の刑罰との責めを負わされています。

解説

 小教理は、問17で「堕落は人類を、罪と悲惨の状態に落としました」と告白しました。問19では人類が堕落した「悲惨の状態」について告白しています。「全人類は、堕落によって神との交わりを失いました。今は神の怒りとのろいの下にあり、そのため、この世でのあらゆる悲惨と死そのものと永遠の地獄の刑罰との責めを負わされています」。

 堕落した人類の最も大きな悲惨は何でしょうか。それは神様との交わりを失ったことです。問10で告白したように「神は人を、男性と女性とに、知識と義と聖において御自身のかたちにしたがって創造されました」。神様は最初から、人間を御自分との交わりに生きるものとして創造されたのです。神様は創造された状態の人に特別な摂理の行為を取られましたが、そこにおいても、神様の御意志は、アダムが御言葉に従って命を得ることであったのです(問12参照)。しかし、アダムは自分の自由な意志によって神の掟にそむいて、禁じられた木の実を食べてしまいました。その結果、アダムと女(エバ)は神様を恐れて、身を隠したのです。また、神様は、アダムとエバをエデンの園から追放されたのです。この失楽園の出来事は、堕落した人類が神様との交わりを失ったことを象徴的に教えているのです。

 そればかりか、アダムにあって罪を犯し、彼と共に堕落した人類は、今は神の怒りと呪いの下におかれています。堕落する前、人は神様の祝福の下にありました。しかし、罪を犯したことによって、人は神の怒りと呪いの下におかれてしまったのです。その神の怒りと呪いの具体的な現れが、「この世でのあらゆる悲惨と死そのもの」であるのです。神様はアダムと命の契約を結ぶにあたって、「善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べる必ず死んでしまう」という罰則を定められました。それゆえ、アダムにおいて罪を犯し、彼と共に堕落した人類は、この世であらゆる悲惨と死そのものと永遠の地獄の刑罰とを受ける法的責任を負っているのです。

 そもそも地獄とは、神の敵である悪魔とその手下が永遠の罰を受けるために用意されたところです(マタイ25:41、46参照)。アダムにおいて罪を犯し、彼と共に堕落した人類は、悪魔に属する者となってしまいました(一ヨハネ3:8参照)。それゆえ、アダムにあって罪を犯し、彼と共に堕落した全人類は「永遠の地獄の刑罰」の責めを負わされているのです。そのような永遠の地獄の刑罰を受けることがないように、神様は、救い主イエス・キリストを遣わしてくださったのです(問20参照)。

主なる神は、彼をエデンの園から追い出し、彼に、自分がそこから取られた土を耕させることにされた。こうしてアダムを追放し、命の木に至る道を守るために、エデンの園の東にケルビムと、きらめく剣の炎を置かれた。創世記 3章23節~24節
村田寿和 牧師