Q.18. Wherein consists the sinfulness of that estate whereinto man fell?
A.The sinfulness of that estate whereinto man fell, consists in the guilt of Adam’s first sin, the want of original righteousness, and the corruption of his whole nature, which is commonly called Original Sin; together with all actual transgressions which proceed from it.
問18 人が堕落した状態の罪性(ざいせい)はどの点にありますか。
答 人が堕落した状態の罪性は、アダムの最初の罪の罪責(ざいせき)と、原義(げんぎ)を失っていること、一般に原罪(げんざい)と呼ばれる全本性(ぜんほんせい)の腐敗と、原罪から生じるすべての現実の違反にあります(1)。
Q.18. Wherein consists the sinfulness of that estate whereinto man fell?
A.The sinfulness of that estate whereinto man fell, consists in the guilt of Adam’s first sin, the want of original righteousness, and the corruption of his whole nature, which is commonly called Original Sin; together with all actual transgressions which proceed from it.
(1)ローマ5:12 このようなわけで、一人の人によって罪が世に入り、罪によって死が入り込んだように、すべての人に死が及んだのです。すべての人が罪を犯したからです。
ローマ5:19 一人の人の不従順によって多くの人が罪人とされたように、一人の従順によって多くの人が正しい者とされるのです。
ローマ3:10-20 次のように書いてあるとおりです。/「正しい者はいない。一人もいない。悟る者はいない。/神を探し求める者はいない。皆迷い出て、誰も彼も無益な者になった。/善を行う者はいない。/ただの一人もいない。彼らの喉は開いた墓であり/彼らは舌で人を欺き/その唇の裏には蛇の毒がある。口は呪いと苦味に満ち/足は血を流そうと急ぎ/その道には破壊と悲惨がある。彼らは平和の道を知らない。彼らの目には神への畏れがない。」さて、私たちが知っているように、すべて律法の言うところは、律法の下にある者たちに向けられています。それは、すべての口が塞がれて、全世界が神の裁きに服するようになるためです。なぜなら、律法を行うことによっては、誰一人神の前で義とされないからです。律法によっては、罪の自覚しか生じないのです。
エフェソ2:1-3 さて、あなたがたは、過ちと罪とのために死んだ者であって、かつては罪の中で、この世の神ならぬ神に従って歩んでいました。空中に勢力を持つ者、すなわち、不従順な子らに今も働く霊に従って歩んでいたのです。私たちも皆、以前はこういう者たちの中にいて、肉の欲のままに生き、肉とその思いとの欲することを行い、ほかの人々と同じように、生まれながらに神の怒りを受けるべき子でした。
ヤコブ1:14-15 人はそれぞれ、自分の欲望に引かれ、おびき寄せられて、誘惑されるのです。そして、欲望がはらんで罪を産み、罪が熟して死を生みます。
マタイ15:19 悪い思い、殺人、姦淫、淫行、盗み、偽証、冒涜は、心から出て来るからである。
【解説】
①小教理は、問17で「堕落は人類を罪と悲惨の状態に至らせました」と告白しました。続く問18では人が堕落した状態の罪性、罪深いことについて告白しています。「人が堕落した状態の罪性は、アダムの最初の罪の罪責と、原義を失っていること、一般に原罪と呼ばれる全本性の腐敗と、原罪から生じるすべての現実の違反にあります」。ここには、アダムにあって罪を犯し、アダムと共に堕落した私たちが罪深いことが告白されています。私たちが罪深いことは、どのような点にあるのでしょうか。小教理は四つの点をあげています。
②一つは「アダムの最初の罪の罪責」を負っていることです。神様がアダムと命の契約を結ばれたのは、彼とその子孫のためでした。それゆえ、通常の出生(しゅっしょう)によってアダムから生まれてくる全人類は、アダムの最初の罪の責任(罪責)を負っているのです。
③二つ目は「原義を失っていること」です。神様は人間を、知識と義と聖において御自身のかたちに似せて造られました(問10参照)。神様は人間を正しい者として造られたのです。しかし、アダムにあって罪を犯し、アダムと共に堕落した人間は正しいを欠く者となってしまったのです。
④三つ目は「一般に原罪(げんざい)と呼ばれる全本性の腐敗」です。一つ目の「罪責」は法的な概念ですが、三つ目の「腐敗」は実質的な概念です。『ローマの信徒への手紙』の第3章10節から18節にこう記されています。「正しい者はいない。一人もいない。悟る者はいない。/神を探し求める者はいない。皆迷い出て、誰も彼も無益な者になった。/善を行う者はいない。/ただの一人もいない。彼らの喉は開いた墓であり/彼らは舌で人を欺き/その唇の裏には蛇の毒がある。口は呪いと苦味に満ち/足は血を流そうと急ぎ/その道には破壊と悲惨がある。彼らは平和の道を知らない。彼らの目には神への畏れがない」。このように私たちは全本性において腐敗しているのです。全本性において腐敗していることを、一般に原罪と呼びます。アダムの子孫である私たちは罪をもって生まれてくるのです(創世8:21、詩51:7参照)。
⑤四つ目は「原罪から生じるすべての現実の違反」です。証拠聖句である『マタイによる福音書』の第15章18節と19節で、イエス様はこう言われています。「口から出て来るものは、心から出て来て、これが人を汚すのである。悪い思い、殺人、姦淫、淫行、盗み、偽証、冒涜は、心から出て来るからである」。私たちの心が腐敗していることは、私たちの心から出てくる思いや言葉によって分かります。その腐敗した心から、あらゆる現実の違反が生じているのです。
【参考】
①ウェストミンスター大教理問答
問25 人が堕落した状態の罪性はどの点にありますか。
答 人が堕落した状態の罪性は、アダムの最初の罪の罪責と(1)、創造されたときに持っていた義を失っていることと、彼の本性の腐敗にあります。この本性の腐敗によって人は、霊的に善であるすべてのものに対して全く気が向かず、それを行い得ず、それに逆らい、すべての悪に全面的に、しかも継続的に傾くものになっています(2)。この本性の腐敗は一般に原罪と呼ばれ、ここからすべての現実の違反が生じます(3)。
(1)ロマ5:12、19、(2)ロマ3:10−20、エフェ2:1−3、ロマ5:6、ロマ8:7、8、創6:5、(3)ヤコ1:14、15、マタ15:19
問26 原罪は、私たちの最初の先祖たちから、どのようにその子孫に伝えられるのですか。
答 原罪は、自然的出生によって、わたしたちの最初の先祖たちからその子孫に伝えられます。そのため、そのような仕方で彼らから出るすべての者は、罪の内にみごもられ、生まれるのです(1)。
(1)詩51:5[51:7]、ヨブ14:4、ヨブ15:14、ヨハ3:6
②ウェストミンスター信仰告白 第6章「人間の堕落と罪とそれの罰について」
[2]この罪によって彼らは原初の正しさと、原初の神との交わりから堕落し(1)、そのようにして罪のうちに死んだものとなり(2)、霊魂と体のすべての部分と機能において、全面的に汚れたものとなった(3)。
(1)創世3:6~8、コヘレト7:29、ローマ3:23、(2)創世2:17、エフェソ2:1、(3)テトス1:15、創世6:5、エレミヤ17:9、ローマ3:10~19
[3]彼らは全人類の根源であったから、彼らから通常の出生によって生まれてくるすべての子孫に、この罪の罪責が転嫁され(1)、そして同一の、罪における死と腐敗した本性とが伝えられた(2)。
(1)創世1:27、28と創世2:16、17と使徒17:26、さらにローマ5:12、15~19とⅠコリント15:21、22、49も参照、(2)詩編51:5[51:7]、創世5:3、ヨブ14:4、ヨブ15:14
[4]この根源的腐敗によって、われわれはすべての善に全く気が向かず、それを行い得ず、それに逆らい(1)、すべての悪に全面的に傾くものになっており(2)、まさしくこの根源的腐敗から、すべての現実の違反が生じるのである(3)。
(1)ローマ5:6、ローマ8:7、ローマ7:18、コロサイ1:21、(2)創世6:5、創世8:21、ローマ3:10~12、(3)ヤコブ1:14、15、エフェソ2:2、3、マタイ15:19
[5]この本性の腐敗は、この世にある間は、じっさい、再生した人々の中にも残っている(1)。そしてそれは、キリストによって、赦され、また無くされていくけれども、それにもかかわらず、それ自体も、それのすべての活動も共に、真にそしてまさしく罪である(2)。
(1)Ⅰヨハネ1:8、10、ローマ7:14、17、18、23、ヤコブ3:2、箴言20:9、コヘレト7:20、(2)ローマ7:5、7、8、25、ガラテヤ5:17