この手紙の著者は、主イエスの弟ヤコブ(マタイ13:55)と思われます。ヨブは神に従う人でしたが、サタン(悪魔)は、ヨブが従うのは主の祝福のゆえであり、財産や家族が失われ、自分も苦しめば主に背くはずだと考えました。主はサタンがヨブを苦しめるのを許可されます。主の許しなしには何も起こりません。
まず、ヨブの召使いたちが殺され、ヨブの子どもたちも大風によって家が倒壊して死んでしまいます。さらにヨブは体中酷い皮膚病にかかり、苦しみますが忍耐します。そこへヨブを慰めるために三人の友人たちが遠方から来てくれました。彼らはヨブの惨状を見て一週間、何も話しかけることすらできませんでした。
その後ヨブは、苦しみと嘆きを吐露し始めます。しかし友人たちは、ヨブの苦しみはヨブの大きな罪の故だと断言します。だから悔い改めよ、と。しかしヨブはそれを認めず、自分の正当性を主張し、主に苦しみの理由を問い続けます。しかし遂に答えられた主が、全能者なる神と争うのか、と叱責されるとヨブはもはや問うことはせず、ただひれ伏して悔い改めました(ヨブ42:6)。
こうしてサタンの企みは失敗し、ヨブの信仰は一段と深められたのでした。主は初めからヨブを知り、憐れみをもって支えていてくださったのでした。忍耐の最中、私たちはその意味を知り得なくても、主の慈しみと憐れみが必ずあるのです。