2022年10月13日「十戒の学び21 第四戒4」

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十戒の学び21 第四戒4

日付
説教
田村英典 牧師
聖書
出エジプト記 20章8節~11節

聖句のアイコン聖書の言葉

20: 8 安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ。
20: 9 六日間働いて、あなたの全ての仕事をせよ。
20:10 七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはいかなる仕事もしてはならない。あなたも、あなたの息子や娘も、それにあの男奴隷や女奴隷、家畜、またあなたの町囲みの中にいる寄留者も。
2:11 それは主が六日間で、天と地と海、またそれらの中の全てのものを造り、七日目に休んだからである。それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものとした。出エジプト記 20章8節~11節

原稿のアイコンメッセージ

 第四戒の学びも4度目となる今日は、第四戒の持つ終末論的意義を学びます。

 改めて言うまでもなく、聖書の教えは、どれも現在のことだけに関るのではありません。主イエスが再臨され、Ⅰコリント15:28が言いますように「神が全てにおいて全てとなられる」その世の終りに向かって、私たちを備えさせます。第四戒も同じです。

 既にお話しましたように、第四戒は、神による過去の御業(みわざ)、すなわち、壮大な天地創造、及びイスラエルをエジプトから救われた贖いの御業-これは今の私たちにとっては、イエス・キリストの十字架の死と復活に表された贖いの業ですが-、これらを安息日・主の日毎に私たちに思い起させ、信仰の拠って立つ基盤を確認させます。その目的は、世にいる間、様々な困難と戦い続けなければならない私たちの今を支え、励まし、守るためです。

 しかし、第四戒はまた終末的未来を、すなわち、神が今の世を終らせ、Ⅱペテロ3:13が言いますように「義の宿る新しい天と新しい地」に私たちを入れて下さる、その「永遠の安息」を私たちに仰ぎ見させ、その希望の内に歩ませます。

 確かに、出エジプト記20:11は「それは主が六日間で、天と地と海、またそれらの中の全てのものを造り、七日目に休んだからである。それ故、主は安息日を祝福し、これを聖なるものとした」と言い、申命記5:15は「あなたは自分がエジプトの地で奴隷であったこと、そして、あなたの神、主が力強い御手と伸ばされた御腕をもって、あなたをそこから導き出されたことを覚えていなければならない。それ故、あなたの神、主は安息日を守るよう、あなたに命じたのである」と言います。どちらも、過去の歴史における神の御業を確認させます。しかし、あくまでもそれは、最終的に歴史が向かう神による終末、すなわち、「永遠の安息」に私たちを与らせるために他なりません。

 キリスト教信仰は、常に私たちに、過去の歴史における神の偉大な御業と共に、神による未来、つまり、世の終り、永遠の未来を見据えさせ、そういう緊張感のある時間感覚の中で、今の私たちのあり方を導くのです。

 この点を特に私たちによく覚えさせてくれるのが、ヘブル書(ヘブル人への手紙)です。紀元1世紀も後半になりますと、初代教会は迫害や背教など苦しい問題を抱えていました。そこで、「クリスチャンとして生きることがこんなに大変なら、もうやめる」と言い出し、心を閉ざし、元のユダヤ教に戻ろうとするヘブル人、つまり、ユダヤ人クリスチャンたちもいました。そういう中で、ヘブル書の著者は、手紙の読者たちに、過去の歴史における神の御業と共に、「来るべき神による永遠の安息」を覚えさせ、悔い改めと忍耐と希望を教え、今を生きることを励ますのです。今日の第四戒と関係しますので、そのヘブル書の中から、是非、何箇所か読んでおきたいと思います。

 3:12~14「兄弟たち、あなた方の内に、不信仰な悪い心になって、生ける神から離れる者がないように気をつけなさい。『今日』と言われている間、日々互いに励まし合って、誰も罪に惑わされて頑なにならないようにしなさい。私たちはキリストに与る者となっているのです。もし最初の確信を終りまでしっかり保ちさえすれば、です。」

 4:1「こういうわけで、私たちは恐れる心を持とうではありませんか。神の安息に与るための約束がまだ残っているのに、あなた方の内に誰かが、そこに入れなかったということのないようにしましょう。」11節「ですから、誰も、あの不従順の悪い例に倣って落伍しないように、この安息に入るように努めようではありませんか。」

 10:25「ある人たちの習慣に倣って自分たちの集まりをやめたりせず、むしろ励まし合いましょう。その日が近づいていることが分っているのですから、ますます励もうではありませんか。」

 10:35~39「ですから、あなた方の確信を投げ捨ててはいけません。その確信には大きな報いがあります。あなた方が神の御心を行って、約束のものを手に入れるために必要なのは、忍耐です。『もうしばらくすれば、来るべき方が来られる。遅れることはない。私の義人は信仰によって生きる。もし恐れ退くなら、私の心は彼を喜ばない。』しかし私たちは、恐れ退いて滅びる者ではなく、信じて命を保つ者です。」

 7日に一度の安息日・主の日ですが、私たちを一人として漏れることなく永遠の安息に入れようとしておられる神の愛と熱心を覚え、主の日全体を、礼拝と交わりと奉仕を中心に聖別し、特に永遠の安息をハッキリ見据え、ますます信仰を励まし合いたいと思います。

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