2022年10月06日「十戒の学び20 第四戒3」

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十戒の学び20 第四戒3

日付
説教
田村英典 牧師
聖書
出エジプト記 20章8節~11節

聖句のアイコン聖書の言葉

20: 8 安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ。
20: 9 六日間働いて、あなたの全ての仕事をせよ。
20:10 七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはいかなる仕事もしてはならない。あなたも、あなたの息子や娘も、それにあの男奴隷や女奴隷、家畜、またあなたの町囲みの中にいる寄留者も。
2:11 それは主が六日間で、天と地と海、またそれらの中の全てのものを造り、七日目に休んだからである。それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものとした。出エジプト記 20章8節~11節

原稿のアイコンメッセージ

 十戒の第四戒を続けて学びます。今日は、1週間の内の7日目を、20:8「聖なるもの」とする、すなわち、聖別するという点について学びます。

 聖別とは、何かを神のために取り分けることです。旧約時代ですと、例えば、罪の赦しのために無傷の羊を主なる神に献げる目的で、他のものから取り分けることなどがそうです。第四戒の安息日律法も、労働に用いる他の6日間とは違う日として7日目を取り分けて神に献げることが、基本概念と言えます。そういう意味で20:10は言います。「七日目は、あなたの神、主の安息日である。あなたはいかなる仕事もしてはならない。」

 仕事・労働の大切さについては、前回確認しました。仕事には、生活のためだけでなく、創世記1:28が言いますように、元々、人間が神のパートナーとして、被造世界を秩序と調和のあるものにしていくという重要な意義と目的があります。これは文化命令とも呼ばれます。

 とにかく、人間にとって、労働・仕事は大事なものです。しかし、いくら大事であっても、神は8、10節「安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ。…七日目は、あなたの神、主の安息日である。あなたはいかなる仕事もしてはならない」と命じられます。

 どうしてでしょうか。仕事をせず、休むこと自体が目的ではありません。もっと大切な目的があります。何でしょうか。

 神こそが時間の真の所有者、支配者であられることを覚え、また、労働それ自体にのめり込み偶像化していく危険から私たちを守るという点は、既に第四戒の1回目の話で触れました。今日は第四戒自身が直接語っていることを見ます。それは、神の創造の御業(みわざ)と贖いの御業を私たちが覚え、神に栄光を帰し、神を喜び、神と親しく交わる日とすることです。これには、更に様々な内容が含まれますが、今ここでは簡単に、神の創造と贖いの御業をよく覚えること、と言うだけに留めておきます。

 11節は言います。「それは主が六日間で、天と地と海、またそれらの中の全てのものを造り、七日目に休んだからである。それ故、主は安息日を祝福し、これを聖なるものとした。」ここは神の天地創造の御業に言及しています。

 しかし、同じ第四戒でも、申命記5:15の説明はこうです。「あなたは自分がエジプトの地で奴隷であったこと、そして、あなたの神、主が力強い御手と伸ばされた御腕をもって、あなたをそこから導き出されたことを覚えていなければならない。それ故、あなたの神、主は安息日を守るよう、あなたに命じたのである。」すなわち、出エジプトという神によるイスラエルの素晴らしい贖いの御業を覚えることが大切な目的なのです。

 第一に、神による偉大な天地創造の御業を覚え賛美する。第二に、神の一方的な愛と憐れみによる贖いの御業を覚え直し、神を喜び、神と交わる!大切な仕事を休んででも7日目を安息日として聖別することには、信仰の拠って立つ最も重要かつ根本的な神の業とその意味を覚え、また私たちの救いを一層確かなものにするという尊い目的があったのです。

 無から有を生じさせることのお出来になる神の創造の御業を、また罪と滅びからただ信仰により救って下さる神の贖いの御業を、私たちが常に覚えて過ごせるなら、誠に幸いです。しかし、実際にはそれが中々出来ません。罪の故に弱さの一杯ある私たちには、極めて難しいことです。

 いいえ、だからこそ、神は素晴らしい愛と知恵により、7日目毎に1日を取り分け、そこに私たちを招き入れ、その祝福に私たちを与らせようとされるのです。

 それにより、第一に、11節「天と地と海、またそれらの中の全てのもの」を、全くの無から創られた全能の神の御力を私たちに覚えさせて励まし、また今や御子イエスが不信仰な私たち罪人を御言葉と御霊により再創造して下さるという希望と喜びに、7日毎に与らせて下さるのです。

 また第二に、出エジプトの出来事もそうですし、何より十字架の死とそこからの復活により、御子イエス・キリストの、全世界を贖ってなお余りある絶大な贖いの確かさを、神の方から私たち信仰者に、7日毎に繰返し再確認させ、再保証して下さるのです。

 特に主の日の礼拝全体を通して、中でも神の御言葉・聖書の朗読と説教、パンと葡萄酒による聖餐の礼典、祝祷すなわち祝福の言葉などにより、神は今もそうしようとしておられます。これが7日毎の安息日、あるいは主の日の中心的な意義です。何という神の愛と熱心、また憐れみとご配慮でしょうか!ですから、私たちも20:8「安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ」と言われる主の御声に、喜んで全力をあげて従うのです!

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