2022年04月14日「イエスの執り成しの祈り」

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イエスの執り成しの祈り

日付
説教
田村英典 牧師
聖書
ルカによる福音書 22章31節~34節

聖句のアイコン聖書の言葉

22:31 シモン、シモン。見なさい。サタンがあなた方を麦のようにふるいにかけることを願って、聞き届けられました。
22:32 しかし、私はあなたのために、あなたの信仰がなくならないように祈りました。ですから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。
22:33 シモンはイエスに言った。「主よ。あなたとご一緒なら、牢であろうと、死であろうと、覚悟はできております。」
22:34 しかし、イエスは言われた。「ペテロ、あなたに言っておきます。今日、鶏が鳴くまでに、あなたは三度私を知らないと言います。」ルカによる福音書 22章31節~34節

原稿のアイコンメッセージ

 受難週祈祷会の今日は、十字架の前夜、主イエスが最後の過越しの食事を弟子たちとされた席でのその言葉に注目します。

 イエスは、ユダに裏切られること、明日ご自分が御父の御心に従って十字架で死ぬこと、また愛する弟子たちと別れなくてはならないことを、よくご存じでした。イエスの胸には、この時、どんな思いが去来していたことでしょう。胸が張り裂けそうだったかも知れません。しかしこんな時でも、イエスは極みまで弟子たちを愛され(ヨハネ13:1)、彼らを思って語られます。

 33節のように豪語するペテロが、僅か数時間後には、34節でイエスが言われる通り、ご自分を否定することをイエスはよく分っておられました。しかし、イエスは31節「シモン、シモン」と、彼を慈しむように呼び掛けられます。昔のユダヤでは、名前を2度呼ぶことは、大変親しみを込めたことでした。いつまでも信仰の弱い私たちをも、主がどんなに愛しておられるかを、改めて教えられます。

 とはいえ、イエスは、ただ優しくて甘いだけの方ではありません。私たちを真に愛しておられますからこそ、厳しい事実もお教えになります。イエスは31節「見なさい」と言って注意を促し、31節「サタンがあなた方を麦のようにふるいにかけることを願って、聞き届けられ」たと言われます。

 この箇所から、私たちは大事なことを改めて教えられます。

 第一に、私たちは絶対にサタンを見くびってはなりません。サタンはどんなものでも利用して私たちに近づきます。Ⅰペテロ5:8、9は警告します。「身を慎み、目を覚ましていなさい。あなた方の敵である悪魔が、吼え猛る獅子のように、誰かを食い尽くそうと探し回っています。堅く信仰に立って、この悪魔に抵抗しなさい。ご存じのように、世界中で、あなた方の兄弟たちが同じ苦難を通ってきているのです。」

 特に注意したいのは、私たちから本当に信仰を奪い取ろうとして働いていることです。私たちを攻撃し、或いは惑わし、罪を犯させ、不信仰にさせるだけではありません。イエスは32節「あなたの信仰がなくならないように祈」ったと言われます。つまり、イエスが放っておかれるならば、ペテロは信仰を本当に失うのです。何と恐ろしいことでしょう。

 これは今の私たちも同じです。私たちは決して自分を過信したりサタンを甘く見てはなりません!

 確かに聖書は「選びの教理」を教えています。神の愛によって選ばれ、信仰を与えられた者は、必ず最後まで信仰を守られ、救われます。けれども、それは決して自動的にではありません。必ず信仰の戦いが伴うのです。戦わない者が自分の選びを云々することは不遜です。サタンは、私たちが信仰を失う所まで働きます。それを決して忘れてはなりません。

 第二に、繰り返しますが、恐るべき存在であるサタンは、常に私たちを神から引き裂き、私たちを自分と同じ永遠の地獄に落とそうとして働きます。けれども、決して無限の力を持ってはいません。あくまでサタンは神が許可された範囲でしか働けません。この事実をヨブ1章も明確に教えています。これを知っておくことは、色々な苦難や試みに遭う時、私たちにとって非常に大きな慰めとなり、私たちを最後まで支え、踏ん張らせる力となるでしょう。

 第三に、32節が伝えますように、今も主イエスが、私たちから信仰がなくならないように、執り成しの祈りをして下さっていることを、どんな場合でも忘れないでいたいと思います。

 ペテロはこの後、人々の前でイエスを3度も否定し、自分の余りの不甲斐なさ、主への申し訳なさに耐えられなくなり、62節、大祭司の家の庭から外へ出て「激しく泣」きます。しかし、イエスの祈りのお蔭で、やがて彼は絶望から立ち直ります。信仰を失いませんでした。

 ご自分が大変な状況にありますのに、なおもペテロを愛し、信仰がなくならないように心から祈られた主イエス。主は、実は今も私たちのために執り成しの祈りをずっとして下さっています。この測り知れない恵みの事実を決して忘れず、絶えず心に刻んでいたいと思います。

 第四に教えられることは、イエスが32節「あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい」とペテロに言われたように、自分が立ち直れた時、私たちも是非、兄弟姉妹たちを力づけたいと思います。

 十字架の死を前にした最も辛い時でも、ペテロや弟子たちを愛し抜き、執り成し、祈られた慈しみに満ちた主イエス。また、大きな挫折を味わい、皆に顔も合せられない位、心苦しい思いをすることになるペテロになおも尊い使命を与え、彼をお用いになる主イエス。その愛を深く覚え、私たちも、辛い試練や、それどころか背教から立ち直ることができた時、主イエスのご期待に沿って、今度は他の兄弟姉妹たちを力づけるために、その恵みの体験を是非、用いさせて頂きたいと思います。

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