2020年06月11日「主の祈りの学び10 第二祈願 3」

問い合わせ

日本キリスト改革派 岡山西教会のホームページへ戻る

主の祈りの学び10 第二祈願 3

日付
説教
田村英典 牧師
聖書
マタイによる福音書 6章9節~13節

聖句のアイコン聖書の言葉

6:9 ですから、あなた方はこう祈りなさい。『天にいます私たちの父よ。御名が聖なるものとされますように。
6:10 御国が来ますように。みこころが天で行われるように、地でも行われますように。
6:11 私たちの日ごとの糧を、今日もお与えください。
6:12 私たちの負いめをお赦しください。私たちも、私たちに負い目のある人たちを赦します。
6:13 私たちを試みに会わせないで、悪からお救いください。』
    (新改訳聖書 2017年度版)
マタイによる福音書 6章9節~13節

原稿のアイコンメッセージ

 主の祈りの第二祈願、「御国が来ますように」を今日も学びます。3回目になります。

 第一の祈願でもしましたが、信仰の先輩たちがこれをどう受け留め、告白し、また信徒を教育したかを学ぶことも、大変意義深いと思います。今日は、1563年に作成されたハイデルベルク信仰問答の問123に学びます。

 問123 第二の願いは何ですか。

 答 「み国を来らせたまえ」です。すなわち、あなたが全ての全てとなられる御国(みくに)の完成に至るまで、私たちがいよいよあなたにお従いできますよう、あなたの御言葉(みことば)と聖霊とによって私たちを治めて下さい、あなたの教会を保ち進展させて下さい、あなたに逆らい立つ悪魔の業(わざ)やあらゆる力、あなたの聖なる御言葉に反して考え出される全ての邪悪な企てを滅ばして下さい、ということです。

 第一に、「あなたが全ての全てとなられる御国の完成に至るまで」とあり、聖書の教えの通り、ハイデルベルク信仰問答の終末意識の鮮明さに気付かされます。神が全ての全てとなられ、御国が完成するその世の終りを、神が来らせられる、という強い終末信仰が、ここには見て取れます。

 前回も申しましたが、この第二の祈願を唱える時、私たちもボンヤリとではなく、宗教改革者たちがそうであったように、是非、明確な終末意識をもって祈りたいと思うのです。

 第二に、「私たちがいよいよあなたにお従いできますよう、あなたの御言葉と聖霊とによって私たちを治めて下さい」とあります。つまり、神のご支配によって私たちが神に服従し、自分を明け渡す、という信仰を教えられます。

 主の祈りを唱えていながら、私たちに神の御心に従う意志がないとするたら、それはひどく不信仰なことです。でも、往々にして私たちにはそういうこともあり得ると思うのです。それ程、私たちの内に残っている罪の性質は根深い。しかしだからこそ、ハイデルベルク信仰問答は「私たちがいよいよあなたにお従いできますよう、あなたの御言葉と聖霊とによって私たちを治めて下さい」と祈ることを教えるのです。「何が何でも私たちを支配して下さい」と祈り、自分を神のご支配に本気で明け渡す!しかも神の「御言葉と聖霊とによって」自分を支配して下さるように、と祈ることを教えられます。

 自分自身のいい加減さを、私たちはよく分っているのではないでしょうか。そうであるなら、是非、本気でこう祈りたいと思うのです。

 第三は、これを唱える時、私たちは<教会>が固く守られ、また伝道活動により<教会>が正(まさ)に地の果てまで進展するために、神の支配を祈り求めることを教えられます。「あなたの教会を保ち進展させて下さい」と。

 厳しい宗教改革運動の中にあっても、改革者たちは、ただ自分が守られることだけを願うようなことは決してありませんでした。創世記12章にあるアブラハムへの神の召しと約束を覚え、またマタイ28:19の「あなた方は行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。父、子、聖霊の名において彼らにバプテスマ(洗礼)を授け」と命じられたイエス・キリストの体なる教会が、神に忠実な群として守られ、地の果てまで進展することを願ったのです。実際、カルヴァンなどは、プロテスタントで最初でしたが、ブラジル伝道をしたのでした。

 私たちも、教会が主の体として守られ、かつ地球上のあらゆる所に進展し、神讃美が全地球を覆うようにと、熱心に祈りたいと思うのです。

 最後、第四に、悪魔の業(わざ)、力、企てが全て滅ぼされるように、神のご支配を真剣に祈ることを教えられます。

 信仰問答は言います。「あなたに逆らい立つ悪魔の業やあらゆる力、あなたの聖なる御言葉に反して考え出される全ての邪悪な企てを滅ばして下さい」と。

 改革者たちは、教会の外では無論のこと、教会の中にも、どんなに悪魔の働き、力、企てを見たことでしょうか。そんな中、彼らは何より全能の神の支配を求め、また自ら戦い、教会員を一生懸命教育し、自分の命を主の御手に預けました。

 世の終りまで決して終ることのない悪魔・サタンとの熾烈な霊的戦いを、私たちも皆で戦い抜き、是非、一人の脱落者も出ないようにしたいと願います。

 最後に、エペソ6:10~17を読んで終わります。「10 終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。 11 悪魔の策略に対して堅く立つことができるように、神の全ての武具を身に着けなさい。 12 私たちの格闘は血肉に対するものではなく、支配、力、この暗闇の世界の支配者たち、また天上にいる諸々の悪霊に対するものです。 13 ですから、邪悪な日に際して対抗できるように、また、一切を成し遂げて堅く立つことができるように、神の全ての武具を取りなさい。 14 そして、堅く立ちなさい。腰には真理の帯を締め、胸には正義の胸当てを着け、 15 足には平和の福音の備えをはきなさい。 16 これら全ての上に、信仰の盾を取りなさい。それによって、悪い者が放つ火矢を、全て消すことができます。 17 救いの兜をかぶり、御霊の剣、すなわち、神の言葉を取りなさい。 18 あらゆる祈りと願いによって、どんな時にも御霊によって祈りなさい。そのために、目を覚ましていて、全ての聖徒のために、忍耐の限りを尽くして祈りなさい。」

関連する説教を探す関連する説教を探す