「クリスマスツリーはいつ頃から飾られるようにになったの?」
クリスマスツリーの由来を辿ると、8世紀のドイツにまでさかのぼります。当時のドイツには、古代ケルト族のドルイド教団員(僧や妖術師、裁判官、詩人などがいた)がいて、樫の木を崇拝し、幼児を生け贄(いけにえ)として捧げていました。この地に法王の命により伝道者ボニファティウスがキリスト教を伝えにやってきました。伝説ですが、彼がドルイド教団員の行為を阻止しようと樫の木を切り倒したところ、一本の樅の若木の奇跡が起こりました。それ以降ドイツではクリスマスに樅の木を植えるようになったという事です。
また、16世紀には宗教改革者として有名なマルチン・ルターが、樅の木の枝に、火を灯したろうそくをたくさん飾ったと言われています。それは、あるクリスマスイブ、教会からの帰り道に、森の木々の間から見える無数の星の煌めきに心を奪われそれを子どもたちに再現して見せるためでした。
クリスマスツリーが一般的になったのはこの頃からと言われ、次第にいろいろな飾りが付けられるようになりました。この習慣がヨーロッパに広まり、移民などによってアメリカにも伝わりました。
クリスマスツリーには必ず常緑樹が使われます。常緑樹の緑は、神様の永遠の愛やイエスキリストがその死を通して与える永遠の命を表しています。
では、クリスマスツリーに飾り付けられる飾りにはどんな意味があるのでしょう。
★トップスター…ツリーのてっぺんに飾る金色の大きな星は、キリストの誕生を知らせ、東方の博士達を幼子キリストの元へ導いた星を表しています。
★ろうそく…暖かく明るい炎は、この世に光として来られたキリストを表しています
★ベル…キリストの誕生を告げ知らせる喜びの鐘です。
★モール…くもの巣を表しているそうです。
幼子キリストを殺そうと、ヘロデ王による幼児大虐殺が起こったとき、母マリヤとヨセフはキリストを連れてエジプトに逃れようとしました。その途中、とある洞窟の中で休息していると追っ手がやってきました。神様は一匹の蜘蛛を遣わして洞窟の入り口にくもの巣を張らせました。そのくもの巣を見た兵士はくもの巣が張っている洞窟には誰もいないだろうと、中を捜すことなく立ち去り、三人は追っ手から逃れて無事にエジプトに逃げる事が出来たとう言い伝えによります。
★杖形の飴(キャンディー・ケーン)…アメリカのキャンディー製造業者が、キリストを象徴するような飴を作りたいと考えて作ったそうで、いろいろな意味があるようです。聖書には私たち人間を羊、キリストをその羊たちを守る羊飼いにたとえられている箇所があります。杖は羊飼いとしてのキリストの象徴。他にも飴の堅さは堅い信仰やキリストの堅い守り、白い色はキリストの清さ、赤いストライプはキリストが流した血を表しているそうです。
★ヒイラギ…ヒイラギのとげとげは、十字架に付けられる前にキリストがかぶせられたイバラの冠を象徴しています。赤い実はキリストが流された血、葉の緑はキリストによって与えられる永遠の命を表しています。
★クリスマスイルミネーション…アメリカで、電話会社の職員が、電話交換機の点滅する電球を見て、それをクリスマスツリーに飾る事を思いつきました。ルターの頃から飾られていたろうそくに代わるものとして飾られるようになりました。もちろん、夜空の星を表しています。
他にも様々なかわいい飾りがかざられます。きれいに飾り付けられたクリスマスツリーを見るとき、世々のクリスチャン達がその喜びを込めてツリーを飾り続けてきた事を思い出して下さい。それは、イエスキリストがお生まれになったクリスマスの本当の意味、私たち一人一人の罪からの救いの喜びなのです。